一人去るときとは、新世界マジック:ザ・ギャザリングの予告である。
概要
一人去るとき。 ―Mark Rosewater
「黒を葬る」特集にようこそ! 今週は、マジックが生まれて以来最大の変革についてのお話だ。
既に諸君もご存知の通り、来年の夏に発売される基本セット2013より、マジックは4つの色によるゲームになる。すなわち、白、青、赤、緑だ。
黒はカラー・ホイールから退席し、そこに列するカードたちは、未来のゲームから永久に除外されることになる。
この改革は、基本セット2012に端を発し、イニストラード・ブロックにおいて段階的に実行に移され、
まもなく詳細が発表される2012年春の”すんげえヤバい”小型セット(黒を見送る盛大なお別れパーティーになるだろう)をもって完了となる。
さて、ここで語るべきは、この決定に至るまでの過程と、多くの人々から寄せられた質問のお便り ―たとえば、
「どうしてこんなことになるの?」とか、「なぜ黒なの?」とか、「居場所の無くなったシュオルちゃんを貰い受けてもいい?」といった類の物― に対する回答だろう。
この改革に至った理由を短く言えば「必然」だ。もう少し長い理由は本文で語るが、この一連の変更は、
マジックを次のステージに押し上げるために必要なことであり、これによって未来のマジックはより強固に、よりエキサイティングになると、私は確信している。
では、お別れの物語を始めるとしよう。
Mark Rosewater氏はマジック:ザ・ギャザリングのヘッドデザイナーを勤めている人物であり、ゲームデザインに関するコラムを多数執筆している。
彼は「マジックの魅力は色の役割が分かれていることにあるので、それを安易に崩すべきではない」というデザイン上の持論を持っていることで知られている。
背景
この文章が書かれた時期、スタンダードは「ゼンディカー」ブロック-「ミラディンの傷跡」ブロックの末期、基本セット2012が発売された後あたりであった。
基本セット2012の黒の新カードはどうにもぱっとしないものが多く、対して黒を攻撃する色対策カードは非常に強力であった。
スタンダードのローテーションが行われ「イニストラード」ブロックになった後も黒は大型トーナメントの戦績がいまいちぱっとしなかったため、この話が盛んに語られることとなった。
わかった じゃあ本文の話をしよう...本文はどこだ?
あ?ねぇよそんなもん
黒が活躍できなかったってことは雑魚カードしかないのか…
この時期にはマジック:ザ・ギャザリングの歴史でもトップクラスの超強力黒カードが何枚も誕生している。
このネタが隆盛した理由としては、超強力カードがいくつかあっても他が雑魚では強いデッキを作れないこと、
強烈な黒カード以上に強烈な他の色のカードが多数存在したこと、
黒カードの顔をして黒をいじめ倒した《四肢切断》[1]とかいう裏切り者の存在、
なにより、黒を含んだ多色デッキの活躍は黒の活躍に含まないという思考をしている黒好きが意外と多かったことがあげられる。
関連項目
- マジック:ザ・ギャザリング
- 新・新世界秩序
脚注
- *(1)(φ)(φ)でクリーチャー1体に-5/-5の修整を与える黒のインスタント。このカードの(φ)は2ライフか黒マナを支払う、という意味である。「無色1マナと4ライフでどの色でも使えるクリーチャー破壊カード」とも言え、採用されたデッキの多くは黒マナを出せない構造だった。
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