三菱・ミラージュとは、三菱自動車工業が1978年~2002年に生産をしていた小型乗用車、または2012年から生産が開始された小型乗用車である。
概要
車名の由来はフランス語で「ロマンチック」や「神秘」で、英語では「蜃気楼」の意味となる。 なお、ミラージュの名称は日本国内のみで、海外仕様ではコルトの名称を使用していた地域もある。 三菱自動車の車種では初めてのFF駆動を採用したモデルである。そのため、日本では独自の販売店 カープラザ店を立ち上げた程である。 また、FF駆動化をしたランサーからは兄弟車として共に歩んでいた。
初代(1978年~1983年)
1978年に登場。三菱車初のFF駆動車を社運を掛けて発売をされる。映画『未知との遭遇』とのタイアップを するほどであった。エンジンは直4気筒の1200㏄と1400㏄が用意をされ、当初は3ドアのみであったが、後に 5ドアも追加される。MT車には前進4段と副変速機の2段を追加した”2×4スーパーシフト”を搭載されている。 これでパワーと燃費の両立を図っていた。
1979年に1400㏄車にAT車の追加と、1600㏄エンジン搭載の最高峰グレードGTを追加する。
1982年には4ドアセダンモデルの追加(同時に姉妹車のランサー・フィオーレも追加された)と、1400㏄のガソリンターボエンジン搭載車を追加。 当初は3ドアのみであったが、後に5ドアとセダンにも搭載。これ以後の三菱車には ターボエンジン搭載の流れとなる”フルラインアップターボ”のきっかけとなった。
二代目(ハッチバックとセダンは1983年~1987年 ワゴンとバンは1985年~1992年)
1983年に初のモデルチェンジ。5ドアハッチバックはこの代で終了となった。デザインも大ヒットをした 先代モデルをイメージさせるデザインとなる。エンジンもガソリンの1300㏄、1500㏄、1800㏄のディーゼルエンジンが セダンに用意されていた。
1984年にマイナーチェンジでフロントデザインを日本人好みのデザインとなる。また、”2×4スーパー シフト”が廃止となり、オーソドックスな5速MTとなる。
1985年にステーションワゴンとライトバンが登場。ワゴンにはクラス初のフルタイム4WDが採用され、 ワゴン独自のガソリンの1800㏄エンジンも用意された。細々とマイナーチェンジをされ1992年に後継の リベロ&リベロカーゴに代わられるまで生産をされていた。
当初のイメージキャラクターには当初・ミュージシャンの忌野清志郎を起用していたが、1984年のマイナー チェンジ時には、オーストラリアに棲息をするトカゲ・エリマキトカゲが全面的に登場をし、CMのおかげで、 ミラージュもヒットをし、1984年の売上が1位になった。
三代目(1987年~1991年)
1987年に3ドアモデルのみがモデルチェンジ。同時期に登場をしたギャランを意識したデザインとなる。 兄弟車のランサーは5ドアとなり、ワゴンは継続生産となる。エンジンはガソリンエンジンの1300㏄、1500㏄、1600㏄の ターボ付きとターボ無しの二種類が用意された。3ドアのリアサイドガラスが鉄板で覆われて、二人乗り仕様に なったXYVYX(ザイビクス)といった個性的なバリエーションもあった。
1988年に4ドアセダンをモデルチェンジ。エンジンにはセダン独自の1800㏄のディーゼルターボエンジンも用意されていた。 このセダンが海外ではランサーとして発売をされている。同年には一部改良をされて、3ドアにあったXYVYXが廃止となった。
1989年にマイナーチェンジ。ガソリンの1500㏄がパワーアップをされる。
1990年に全グレードにリアの三点式シートベルトが標準装備となった。
この代は歴代ミラージュの中では大ヒットをしたモデルでもある。イメージキャラクターはいないが、モデル末期まで ミュージシャン・松任谷由実の曲が使われていた。また登場時にはナレーションも担当をしている。
四代目(1991年~1995年)
1991年にモデルチェンジ。当初は3ドアハッチバックと4ドアセダンが登場するが、バブル期に開発されたこともあって、 歴代の中ではハイクオリティさを誇ったモデルであった。またランサーが直線的なデザインなのに対してミラージュは 曲線を利かせたデザインとなる。エンジンは1300㏄、1500㏄、1600㏄の直4気筒のガソリンエンジンと、セダンには 2000㏄のディーゼルターボエンジンが用意された。ミッションは5速MT、4速AT、1300㏄のみ3速ATとなる。
1992年にガソリンエンジンの1600㏄のV型6気筒エンジンを搭載した上級グレードである「ミラージュ6」が登場。 世界最小のマルチシリンダーエンジンであった。また装備も運転席パワーシートまでも標準装備となった。
1993年に4ドアセダンを2ドアとした、アスティが登場。1300㏄と1500㏄エンジンが搭載され、1300㏄は100万円を切る価格で ヒットモデルとなった。
1994年にマイナーチェンジ。1300㏄車のATが4速化をする。アスティに1600㏄エンジンのスポーツグレードが登場。
イメージキャラクターには、デビュー時には女優・深津絵里、俳優・布施博、俳優でミューシャンの福山雅治を起用。 一部改良後には、女優・和久井映見と俳優・宅麻伸が登場し、アスティが追加時にはタレント・中居正広も登場する。
五代目(セダン、ハッチバックが1995年~2000年 ディンゴが1999年~2002年)
1995年にモデルチェンジ。3ドアと2ドアのアスティははミラージュ独自のモデルであったが、4ドアセダンは、 ランサーの一部仕様違いとなる。エンジンは従来通りだが、V型6気筒の排気量は1800㏄となる。全体的に コストダウンがあからさまになったモデルとなった。
1996年に全グレードでABSと運転席エアバックが標準装備となった。
1997年に3ドアに内外装をレトロ調にした「モダーク」が登場。後にマイナーチェンジ。
1999年にコンパクト5ドアワゴンのディンゴを追加。エンジンはガソリンの1500㏄のみで、後に1800㏄と1300㏄も追加された。
2000年に3ドア、4ドア、アスティがランサーに吸収されてモデル廃止。
2002年にディンゴもコルトにバトンを渡す形で廃止。いったん五代・24年の歴史に幕を閉じた。販売店のカープラザ店も翌年廃止となった。
六代目(2012年~)
10年ぶりにミラージュの名前が復活。2011年東京モーターショウで初公開された。ライバルである三代目日産・マーチがそうなったように、六代目ミラージュも「世界戦略車」として開発された。生産はタイで行われ、販売もタイが一番最初で2012年3月の予定。日本での販売は同年夏ごろを予定している。
エンジンは3A90型1.0L直列3気筒NAで、可変バルブタイミング・リフトシステムのMIVECと、AS&G(オートストップ&ゴー)と呼ばれるアイドリングストップシステムを備えている。これによって30km/lという低燃費を目指す。
エクステリアでは、ギャランフォルティスやランサーエボリューションと共通のイメージを持ったフロントマスクが特徴。
車格はかつてのミラージュよりも1クラス下で実質的にコルトの後継車に当たる。特に全幅が1,665mmとやや狭めに作られており、全幅が5ナンバー枠いっぱいのコンパクトカーでは狭い道でのすれ違いに不安を感じるユーザーの取り込みを狙った設計となっている。
世界戦略車ゆえ価格はかなり低めに抑えられる予定で、タイ仕様で40万バーツ、国内仕様で100万円切りが目標となっている。
2012年8月1日に正式に発表をされ、同月31日に発売がされる。
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