便所(べんじょ)とは、排泄行為をするための場所・容器のこと。便をする所。厠、ご不浄、トイレ、お手洗い、WCなど。
概要
便所は世界各国に存在し、日本でも様々な呼び方で呼ばれている。人間は一日に複数回便所にお世話になる。便秘の人はこの限りではないが、お腹を下した場合は更に回数が増える。主に便所で排泄するのは小便と大便である。
『七福神』の一人である弁天様こと『弁財天』が家の中を司る七福神の中では便所を司る存在として数えられる事がある。すなわちトイレの神様とは弁財天の事である。
便所のあれこれ
人類と共に歩んできたかけがえのない存在である。
日々、大量の汚物にまみれたその姿は儚くも美しい。
性格は温厚で従順。人見知りをせず、持ち主以外の誰とでもすぐに打ち解ける。
名前を呼べば尻尾を振って駆けてくるというような面がないので、「可愛げがない」「物足りない」と言う人も中にはいる。
だが、便所は古来より常に人類のそばにいて人類の助けとなってきた、まさに最高のペットと呼んで間違いないだろう。
人は便所と共に過ごす時間を愛し、生きる糧としてきた。
多くの人が朝起きてまず最初に便所の様子を見にいく。
中には朝が待ちきれずに深夜に何度も起きては便所に会いにいくという人もいるようだ。
外出先でふと便所が恋しくなり、大急ぎで帰宅し便所に駆け込んだ。そんな経験を持たない人が果たしているだろうか。
人は便所に安らぎを求め、自らのすべてを委ねてきたのである。
それほどまでにも愛情を見せる反面、人類が便所に対して長らく「臭い」「汚い」とまるで汚物に触れるかのような扱いをしてきたのも事実。人間の心理の複雑さという外ない。
特に子どもは便所を毛嫌いし、「便所と仲良くするといじめられる」という悪しき慣習を作り出してしまった。
誰よりも便所を愛し寝食を共にしている女の子を『トイレの花子さん』と蔑み、一方的に恐怖心を持っている。
彼女にとっては便所も大切な友人なのである。
そう。便所は人類の友なのだという認識を持たなければいけない。
だが、近年はそういった状況が少しずつ変わってきている。
まず、女性用便所が神格化されはじめたことが発端となった。
一部の男性の間で女性用便所は「聖域」「禁断の場所」とされ、神々しい存在として扱われるようになったのである。
続いて、便所が大人の社交場として認識されるようになった。
このことは阿部高和なる人物の影響が大きいと言われているが、はっきりしたことは分かっていない。
時期を同じくして次のようなユニークな言葉が一世を風靡し、便所を明るく楽しい場所として位置づけることとなった。
「トイレに行っといれ」
いまや便所は汚らわしい場所などではなく、身近にあるオアシスといった存在である。
「便所はうちの家族の一員です。」
そう公言する人も多い。
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