信長の野望・蒼天録とは、コーエーの歴史シミュレーションゲームである。
概要
2002年6月28日発売。『信長の野望』シリーズ10作目。三文字シリーズの最後にあたる。
シリーズ初。そして正式タイトルでは唯一の大名以外でプレイできるシリーズである(創造の戦国立志伝も該当するがあれはスピンオフタイトルなので除外)。
全体的に外交や計略に力点を置いたシリーズであり、忍者を使って破壊工作や流言を行ったり、大名と武将、大名と大名の関係をさいたり出来るのが特徴である。この頃のシリーズではやたら強い定番の諸勢力との関係も重要である。その反面、内政はかなり簡略化されており、奉行を配置して数値をあげるのみになっている。
また、城主や軍団長からでもプレイできるという仕様上、下剋上が大きなテーマとなっている。他の武将との関係を改善して自分側に抱き込んで、機が熟したら独立するプレイができてしまうのだ。自分が城主で軍団長に取り入って謀反を唆して自分がそちらについていくというプレイも出来る。このようなプレイヤーの取れる選択肢の広さが何よりの醍醐味といえるだろう。また、下剋上ではなく、城主から軍団長に出世して大名を支えながら天下統一を助けるという功臣としてロールプレイすることもできる。
ゲーム進行は政略フェイズと軍略フェイズに分かれており、政略で内政や募兵、同盟や包囲網などの戦略レベルの指示を行い、軍略フェイズでは敵城攻略や防衛、政略フェイズで下準備した寝返りや独立を行うなど戦術レベルの指示を行うという風に分担されている。
合戦は野戦と攻城戦に分かれている。野戦は右翼・中央・左翼に分かれて武将を配置し、また武将に紐付けられている兵種と兵数で敵陣めがけて出撃し、おしくらまんじゅうの要領で押し合いを行う。敵陣の部隊が自陣を衝けば敗北となるし、自陣の部隊が敵陣を衝けば勝利となる(城の近くでおこなわれていれば攻城戦に移行する)。武将それぞれには固有のアビリティ(能力)が用意されており、ゲージが貯まると使用できる。
攻城戦は部隊を城門ごとに配置し、攻撃側の場合は本丸を攻め落とす、防衛側の場合は敵部隊を壊滅させることで勝利となる。敵城を攻め落とせば当然自勢力の所有物となるが、この作品においては大名の居城を攻め落としてかつ、大名を処断するとその勢力の城が丸々手に入るという総取りシステムが採用されている。
謀略と外交に力点をおいたシステムは人によってはかなりハマるゲームであり、蒼天録がシリーズ最高という人も決して珍しくはない。だが、その反面内政が簡素すぎる点や、全体的にバランスが大味な点など非難される点もある。
PC版についてはパッケージ版はとっくに終売しており、ソースネクストの廉価版も現在ではほとんど手に入らないが、Steamで販売されているため、現在でも気軽に遊ぶことができる。ただし、環境によっては最新スペックのパソコンでも重くなるバグなどが報告されているため、事前のチェックが必要である。
また、パッケージ版については手に入ったとしてもコピーガードの関係で起動できない不具合があるので、そういう意味でもSteam版を買ってしまったほうが面倒は少ないだろう。セール時を狙えばパワーアップキット込みで1500円程度で手に入る。
また、PC以外でもPSPやPS2版も発売されており、新家宝作成など独自の追加機能が搭載されている。
パワーアップキット
シリーズ初であり、これまた現在に至るまで唯一の信長誕生以前のシナリオが三本(隠し含めると4本)追加されている。一番古いシナリオはなんと15世紀の1495年であり、他のシリーズでは仮想シナリオくらいでしかお目にかかれない北条早雲が小田原城を奸計で乗っ取るところからはじまる。これに伴い300人の武将が追加されているが、残念ながら十分とは言えず大半の勢力で武将が一人か二人しか配置されていない。
また、『特撰』カスタマイズといういわゆる縛りプレイやヌルゲーをシステム側で調整することが出来るシステムが追加された。◯◯三昧という最初から用意されている設定で任意のシナリオをクリアするとシナリオが解禁されるなど様々な特典を受け取ることが出来る。また、自由三昧を選ぶとプレイヤーの好みに合わせて様々なパラメーターを設定できる。設定項目は武将の死亡確率や、性別設定、兵種制限、大名処断時の効果など多岐にわたる。
他にも宴会を開いて他の武将から情報を聞き出すシステムや、シリーズ恒例の編集機能などが備わっている。また、イベント作成機能も備わっており、自分の好きなイベントを作成し、実行することができる。
余談
ニコニコ動画の信長の野望ではもはや誰もが知ってると言って過言ではない、二階堂盛義のあの顔グラは蒼天録が初出である。あまりのインパクトに2chを中心に話題となり、蒼天録発売の翌々年に発売された太閤立志伝Ⅴでは手つきでそのまま受け継がれることになる。
関連リンク
関連項目
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