国際格付番組企画諮問委員会(IRPAC: International Grading and Race Planning Advisory Committee)とは、国際競馬統括機関連盟(IFHA)の委員会の一つ。IFHAにおける各種格付けや国際的な競馬番組に関する勧告等を行っている。
概要
国際格付番組企画諮問委員会とは、競馬統括機関の連絡会である国際競馬統括機関連盟に設置された委員会の一つ。IFHAにおけるレースの格付けや国の格付け(パート1など)、IFHA規格の格付けシステムの導入についてのアドバイス、IFHA公式サイトの更新などを行っている。また、国際セリ名簿基準書(通称: ブルーブック)の年次発行に関する調整なども行っている[1]。これらの作業は2007年6月以前は国際セリ名簿基準委員会(ICSC)で行われていたが、同月を以てIRPACに移譲された。
現在、実際にレースの格付けを行っているのは各地域のパターン委員会や各国のパターン委員会であり、IRPACは各パターン委員会における格付けの承認は行うものの、直接介入することはあまりない。レース格付け以外では、パート2国やパート1国への承認作業があり、2021年にサウジアラビアやバーレーンがパート2国へ昇格する際にIRPACが承認を行った。
また、ロンジンワールドベストレースホースランキング実行委員会(LWBRREC)の上位委員会でもあり、LWBRRECメンバーの任命を行っているのもIRPACである。
歴史
- 2002年3月 IFHAよりIRPACの設立を提案
- 2002年 パリ会議で設立を承認
- 2003年6月 執行評議会で承認
- 2007年6月 グループ/グレードの格付けに関する勧告を行う責任をICSCから移譲
主な実績
- 2006年 日本をパート2国からパート1国へ翌シーズンから昇格[2]
- 2007年 カタールをパート3国へ翌シーズンから追加
- 2008年 トルコをパート3国からパート2国へ翌シーズンから昇格
- 2013年 ハンガリーをパート3国へ翌シーズンから追加
- 2015年 バーレーンをパート3国へ翌シーズンから追加
- 2016年 4月 香港をパート2国からパート1国、大韓民国をパート3国からパート2国へ翌シーズンから昇格
- 2017年 モロッコとギリシャをパート3国へ翌シーズンから追加
- 2017年 2020年8月31日までにパート2国へレーティングシステムを導入させることを義務化
- 2019年 イタリアをパート1国からパート2国へ翌シーズンから降格
- 2021年10月 サウジアラビアとバーレーンをパート3国からパート2国へ翌シーズンから昇格
委員会の構成
委員会はIFHA理事会や各地域のパターン委員会の代表者から構成される。内訳は下記のとおり。特に記載が無い場合は1名とする。
役職 | 内訳 | 備考 |
---|---|---|
会長 | IFHA理事会より任命 | |
副会長 | IFHA理事会より任命 | |
書記 | IFHA理事会より任命 | |
メンバー | ヨーロッパパターン委員会 | |
メンバー | アメリカグレードステークス委員会 | |
メンバー | カナダグレードステークス委員会 | |
メンバー | アジアパターン委員会 | 2名 |
メンバー | OSAF執行委員会 | |
メンバー | SATA会長 | |
メンバー | SATA副会長 | |
メンバー | アメリカジョッキークラブ&TOBA | 生産者の代表 |
メンバー | EFTBA | 生産者の代表 |
メンバー | アジア競馬連盟 | 生産者の代表 |
テクニカルアドバイザー | WBRRC共同委員長 | 2名 |
コンサルタント |
各地域のパターン委員会
各地域のパターン委員会は下記のとおり。
地域名 | 委員会名 | 英表記 |
---|---|---|
アジア・オセアニア | アジアパターン委員会 | Asian Pattern Committee |
欧州・地中海 | ヨーロッパパターン委員会 | European Pattern Committee |
アメリカ | アメリカグレードステークス委員会 | American Graded Stakes Committee |
カナダ | カナダグレードステークス委員会 | Canadian Graded Stakes Committee |
南米 | OSAF執行委員会 | Executive Committee of OSAF |
各国のパターン委員会
国名 | 委員会名 | 備考 |
---|---|---|
日本 | 日本グレード格付管理委員会 | 国内向けダートグレード競走で使用するJpn格付けも対象 英語では「Japan Pattern Committee」と表記 |
香港 | Hong Kong Pattern Committee | 現地では「香港分級賽事委員會」と表記 |
アラブ首長国連邦 | UAE Pattern Committee | |
オーストラリア | Australian Pattern Committee | |
ニュージーランド | NZ Pattern Committee | |
南アフリカ | Graded Races Committee | ジンバブエも格付け対象 メディアでは「South Africa's Pattern Committee」とも表記 |
大韓民国 | Korea Pattern Committee | 現地では「한국경주분류위원회」と表記 格付け対象は国内のみ、国際格付けは全てAPCへ上申・承認が必要 |
関連動画
※関連動画がありましたら追加をお願いします。
関連リンク
- Committees - International Grading and Race Planning
委員会の紹介サイト
- The Blue Book
インターナショナル・カタロギング・スタンダーズ・ブック(通称ブルーブック)
- LONGINES World's Best Racehorse Rankings
ロンジンワールドベストレースホースランキング
関連項目
脚注
- *例えば、IRPACが行った格付けを国際セリ名簿基準書に記載する際には、IRPACが大手セリ会社の協力会である国際サラブレッド競売人協会(SITA: Society of International Thoroughbred Auctioneers)から承認を受けることになっている。
- *ただし、当時は外国人馬主の登録が限られていたため、当時国際格付けを得たレース以外は昇格が認められなかった。以後、JRAは馬主登録を改善、2009年以降は昇格を認められるようになった。
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