撃っていいんだよな?とは、時代を問わず無作法な所業とされる考えである。
概要・・・ 喋っていいんだよな?「当たり前じゃん」
アニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」にて登場した台詞。
同作21話「還るべき場所へ」にて、昭弘・アルトランドが発した。
地球の軍事組織ギャラルホルンの追撃を振り切り、クーデリアを地球まで護送した鉄華団。
だが、ギャラルホルンの指揮官の1人カルタ・イシュー(17歳)は鉄華団を捕らえ損ねた雪辱に燃え、部下達のモビルスーツ隊を引き連れ直接地球へ降下、鉄華団を執拗に狙う。
その後、鉄華団と対峙したカルタ達は部隊全員で戦闘態勢に入った鉄華団を目の前に、名を名乗りながら部隊全員で統率の取れたポーズをビシッと決める。モビルスーツ達で。その中で、昭弘がそのポーズを決めている最中の親衛隊の1機を無慈悲・無遠慮にも撃ち抜き、そして昭弘はこの発言をどこか申し訳なさそうに、尚且つ撃った後に発したのだった。
この開戦前の一連の流れが、視聴者達の笑いを誘った。出てこなければやられなかったのに!
文化や規律の相違こそあるだろうが、昭弘の問いかけに対して冷静に返す三日月と、戦いのルール(?)を弁えない鉄華団に対し激昂するカルタ、の三者の温度差が印象的なシーンである。
「そもそもモビルスーツ達でこんなポーズ決めて意味あんのか?」という疑問も沸くだろうが、現実でも世界各国の軍隊が行進の訓練をしているように、おそらくモビルスーツの操縦や統率・連携の訓練としても成り立っているのだろう。
特撮番組でいえばヒーローが名乗っていたり変身したりポーズを決める最中に攻撃を仕掛ける敵怪人のような、
また忍者の世界でいえばニンジャ同士がアイサツしている最中に襲い掛かるような、
まるで傍から見ているとどちらが敵役かわからなくなるような行いだが、この作品に登場する派閥や人物達をそもそも正義・悪で括るのはナンセンスと思われるのでここでは触れない。
「創作作品」という視点からメタな話をすれば、上記のようなヒーローの名乗りや変身の邪魔をするというのはフィクション作品における一種のタブーとして定着しているため、この禁じ手を敵勢力ではなく主人公側のキャラクターが行ったというのも、この台詞が話題を呼んだ一因となっている。
もっとも、この後は三日月たちに部下を討たれたカルタがさらなる執念を見せた結果、最後は上記のシーンが吹き飛ぶような悲劇的展開を迎えてしまうのだが・・・
なお、現実世界でもかつて平安~鎌倉時代には「やあやあ吾(われ)こそは○○の国の、XXXなり」といった風に戦場で会いまみえた武将同士が名乗る作法が確立していた。これは自らの名を敵味方に知らしめる事で「戦で誰が誰を討ったか」を、戦場にいる全員に明確にさせる目的があった。(名乗り中は矢を射ってはならないしきたりも存在した)
が、元寇の時代になると名乗りという作法など知らないモンゴル帝国によって日本側の武士が名乗っている間に次々討ち取られるという事態になり、やがて戦国時代になると「名乗り」の作法は廃れていったとされている。
こちらに関しては「名乗り」の記事が詳しいので参照されたい。
無論、現代や宇宙世紀の時代にこのような事をしていたら非合理的なのは言うまでも無いが、だからといって名乗っている間に「無防備だから」と攻撃を仕掛けるのは「不作法」「卑怯」と罵られても文句が言えないのも確かである。
要するに、戦場で名乗りを上げる際は名乗る相手の文化や風習をある程度、知っておく必要があるだろう。
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撃っていいんだよな?に関するニコニコ動画の動画を紹介していいんだよな?
「(権利を侵す動画を投稿するとは) なんと不作法な!」
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おのれなんと不作法な関連項目!
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