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支離滅裂な思考・発言とは、統合失調症の症状の一つを紹介したとあるイラストである。2018年7月ごろにtwitterで話題となった。
概要
影山任佐氏の著書『心の病と精神医学』において、統合失調症の陽性症状の一つの紹介として
「放心したような顔の人物が「今日は晴れですね。晴れといえば、僕の誕生日は来月だけど君はお肉が好き?」という言葉をしゃべっており「支離滅裂な思考・発言」というキャプションがつけられている」
というイラストが掲載されていた(ただし、版によっては別のセリフを例に挙げて説明している)。
このイラストは2016年10月には既にtwitterに投稿され、そのシュールさから話題となっていたが、2018年7月に再び話題となり、セリフを改変したツイート、コラージュ画像やパロディイラストなどが数多く投稿された。
注意勧告
2018年9月、『心の病と精神医学』を出版しているナツメ社より勧告がなされた。パロディ化について承認はしておらず、そのような活動の自粛と、統合失調症と向き合う患者やその家族、サポートしている関係者への配慮をお願いしている。
2018.9.27
図解雑学「心の病と精神医学」について
弊社が2002年より出版しておりました図解雑学「心の病と精神医学」に、統合失調症の症状に関する図版の記載があります。この図版の一部をパロディ化するなど、趣旨とは異なる形で、ツイッター等のSNSに掲載、拡散されている例が、多数見受けられます。これらは、弊社が承認しているのものではありません。
心の病気と向き合い、回復を目指しておられる患者の方々やそのご家族、サポートしている関係者の方々へのご配慮をお願い申し上げますとともに、厳に慎んでいただけますよう、出版社として心よりお願い申し上げます。
統合失調症
統合失調症とは、脳の神経の機能異常によって、患者の思考や情動など人格全体に影響が及ぶ精神疾患である。症状は大きく陽性症状と陰性症状に大別される。このうち陽性症状は一見して異常と分かるものが多く、たとえば幻覚、妄想、自我意識障害、思路障害、興奮などがある。
- 幻覚 - 存在しないものを感覚として捉えてしまうこと。視覚的なもの(幻視)に限らない。統合失調症では言語性幻聴(言葉として聞こえる幻聴)が多く見られる。
- 妄想 - 自分は見張られている、周りの人間が陥れようとしているなど、誤った確信を抱く。
- 自我意識障害 - 他人の思考が自分に入り込んでいる(思考吹入、考想吹入)、他人が自分の思考を操作している(させられ思考)などと感じる。
- 思路障害 - 思考のまとまりがなくなる(連合弛緩)。重度になると思考が支離滅裂なものとなり(滅裂思考)、発言も言葉を無秩序に混ぜ合わせたような理解しがたいものとなる(言葉のサラダ、ワードサラダ)。「支離滅裂な思考・発言」としてこのイラストで紹介されているのは、この思路障害である。
ちなみに、上記のように分類されることは多いし、『心の病と精神医学』でも「支離滅裂な思考・発言」は陽性症状の一つとして紹介されている。しかし思路障害は陽性症状でも陰性症状でもない「解体症状」という別枠として分類されることもある。
精神科医ゆうきゆうが原作を担当している漫画『マンガで分かる心療内科』でもこの連合弛緩・滅裂思考・言葉のサラダなどを紹介した回があり、そこでは「俺は緑色をなめたから卑弥呼だ」「ネコは白髪が食べるとき国会だ」といった文章が紹介されている。
詳しくは統合失調症の記事を参照。なお、このような症状を呈したとしても、実際に統合失調症とは限らないことに注意。たとえば「言葉のサラダ」は、ウェルニッケ失語など統合失調症とは全く異なる状態でも類似の症状が生じることがある。
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関連項目
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