規制済みとは、Project Moonに開発のゲーム『Lobotomy Corporation』に登場する幻想体(アブノーマリティ)[1]である。
概要
5段階存在する幻想体の危険度ランクにおいて、最高ランクのALEPHに君臨する幻想体のうちの一体。
その外見は黒背景に赤色でCENSOREDと書かれた棒がローパー状に組み合わさっているというもので、幻想体の中でも異様なデザインとなっている。これは本来の姿ではなく、施設を監視している管理人X(及びプレイヤー)にとってそう見えているというだけのもの。Xには認知フィルターというものがかかっており、その認知フィルターによって上からモザイクがかけられている状態がこの赤黒バーである。実際はどのような姿なのかというと、規制済みに関係する記録は話者と聴者の両方に深刻な精神的汚染を引き起こすためXには開示されない。ゲーム内では「システムの問題によりアブノーマリティのぼかしが解除された場合は、直ちに管理人を処分」と書かれているほどであり、その脅威度が窺える。
攻略
幻想体には恐怖レベルというものが設定されており、職員と幻想体が遭遇すると職員と幻想体のレベル差に応じて職員のMPに割合ダメージが入る。レベル差が4以上開いている場合は問答無用で10割、レベル差が3でも6割とかなり大きなダメージとなる。
規制済みはその恐怖レベルが8と他の幻想体と比べて高く設定されており、最高ランクのレベル5まで育てた職員でないと遭遇した瞬間に即座にパニックに陥り、レベル5職員でもMPの6割を削ってくるというのが最大の特徴。
収容時
収容室に居る状態の幻想体に対して可能な「洞察」「本能」「愛着」「抑圧」の4つの作業のうち、「抑圧」が「生贄」に置き換わっていることが目を引く。
規制済みの生贄以外の各作業への反応は、洞察作業の成功率が0.9~0.5、本能作業の成功率が0.8~0.4、愛着作業の成功率が0.7~0.3。どの作業も各作業に対応する職員の能力のランクが高いほど成功率が0.1ずつ下がっていく。
作業失敗時にはHPとMPの両方にダメージを加えるBlack属性の5~10ポイントのダメージを職員へ与える。この作業時に職員が制御不能になるとすれば、恐怖ダメージの兼ね合いもあってHPよりもMPが付きてパニックに陥った場合だろう。
職員が育ってくれば話は別だが、ゲーム序盤から中盤にかけて収容してしまった場合は職員をパニックにさせずに規制済みを安定して管理するのはなかなか難しい。
規制済みは最大2のクリフォトカウンターを所持しており、収容室内で職員がパニックに陥るか、作業結果が悪かった場合はクリフォトカウンターが減少する。なお、収容室に入った瞬間に職員がパニックに陥ると両方の条件を続けざまに満たすためカウンターは2減る。
生贄作業を行うとルーレットを回すことになり、ルーレットで選ばれた職員は規制済みの収容室に入室して規制済みに殺害されてしまう。その代わり、クリフォトカウンターが1の場合は2に回復させることができる。クリフォトカウンターが2のときに生贄作業を行っても何の意味もないので間違って触らないようにしたい。
クリフォトカウンターが0になるとローパーのような形状から馬のような形状へと変形し、収容室から脱走する。
観測を進めることで武器を抽出可能になる。
殆どの幻想体からは武器と防具が抽出可能であり武器だけが抽出可能というのは珍しいが、それもそのはずで装備者がダメージを受けるとそのダメージの40%を回復するという事実上の防具と言える効果を持っている。即死レベルのダメージであれば回復は発生しないとは言えかなり有用な効果と言える。
幻想体の管理においては無類の便利さを誇る一方で武器としての性能はさほど高くないため幻想体の鎮圧には微妙に使いにくい。一度に受けるダメージ量を抑えられても鎮圧に時間がかかってしまえば総ダメージ量は変わらないし、即死級の攻撃を受ける機会も増えるためだ。
ちなみに、「生贄」のルーレットはHEランクの幻想体であり、最も管理人から唾棄されている幻想体である無名の胎児と同じもの。HEランクはALEPHの2つ下のランクであり、それと同じシステムを流用されるというところが微妙に情けない。
無名の胎児であれば窮状を回避するためにHEに対してレベル5職員を生贄にしなければならないかもしれないというプレッシャーを感じるが、規制済みの場合はALEPHに対して戦闘能力のないオフィサーを送りこんで被害なしで許してもらえるかもしれないという心情になるのも向かい風。規制済みが脱走しても無名の胎児が泣き出したときほどの絶望感が無いし……
脱走時
脱走した規制済みは1500ポイントのHPを持ち、これを0になるまで攻撃することで再収容ができる。
脱走した規制済みは単体を対象にとって23~26ポイントの威力を持つBlack属性の攻撃を行う。
職員のHP及びMP最大値は最大まで鍛えても100ちょっと、どれだけ頑張っても150に届かせるのは難しいということを踏まえれば無視できないダメージであることが分かるだろう。
また、既に死亡している職員の上を通行した際に死体を消費してHPを一定量回復させる。
規制済みの攻撃によってHPが0になった職員が出た場合、規制済みはその職員に対してさらなる攻撃を行い、ビープ音を鳴らしながら職員の血しぶきを撒き散らす。そしてビープ音が止む頃にその職員は規制済みの眷属と化す。
眷属は300ポイントのHPを持っており、13~16ポイントの威力を持つBlack属性の攻撃を行う。眷属の攻撃によってHPが0になった職員も眷属化される。
眷属の恐怖レベルも高めに設定されており、レベル5職員でも遭遇時にMPを3割削られる。すなわち、規制済みが眷属を2体以上引き連れた状態だとどれだけ鍛えた職員だろうが遭遇すると6割+3割+3割=12割のMPダメージを受けてMPが0になりパニックに陥る。つまりこちらからの手出しがほぼ不可能になる。
明確な弱点として、移動速度及び攻撃速度の異常な遅さが挙げられる。
どのくらい遅いかというと、パニックを起こして施設内を逃げ回っている職員に攻撃が当たらないことがある程に出が遅い。インターバルも長い。
一撃の威力こそ重いもののDPSはとても低く、ALEPHの1つ下のランクであるWAWランクの幻想体である赤ずきんの傭兵や憎しみの女王とタイマンさせると能力差をひっくり返されて普通に負ける。これらの幻想体はプレイヤーが鎮圧への協力を依頼できたり、鎮圧に勝手に参加してきたりするため規制済みと戦っている姿を見る機会は少なくない。
眷属を生み出せない状況だとALEPHにしては戦力が不足しているが、上述の通り逃げ回っている職員に対してまともに攻撃が当たらないためなかなか眷属が増えないという二律背反を背負っている。職員をパニックに陥らせる特殊仕様も、パニックに陥った職員の移動速度が向上する仕様と微妙に噛み合っていない。
まとめると、不用意に鎮圧しようとして職員を送り込むと1ミスで鎮圧の参加者全員をパニックに陥らせ一瞬で施設を壊滅させるが、割り切って放置してしまえば事態が逼迫するまでの時間の余裕は割とあるという妙な二面性を持つ。
主な対策
異界の肖像
指定した職員が受けるダメージを他の職員に肩代わりさせる効果を持つ幻想体。肩代わりさせる対象を任意に選択できないのが難点。
恐怖ダメージは肩代わりできない仕様になっているため、2人の職員にダメージを分散させることでパニックに陥る確率が格段に減る。
テレジア
使用している間テレジアを収容している部門に所属している職員のMPを回復することができる幻想体。
回復対象は限られるものの部門を跨いで職員を出張させればよい。
皮膚の予言
職員のMPを底上げできる代わりにMPにダメージを与えるWHITE属性への耐性を弱くする効果を持つ幻想体。MP増加量に対して耐性弱化の効果が強いため使いづらいというのが一般的な評価。
規制済みが与えてくるダメージはBLACK属性であるためリスクがリスクとして機能しない。そのため、規制済みに作業させる職員に使わせてMPを底上げしておくとパニックに陥る確率を減らすことができる。
ウサギチームを呼ぶ
ゲームをある程度進めると開放されるシステムで、エネルギーと引き換えに荒事に特化したウサギチームを召喚して指定した部門内の全ての生命を根絶やしにする指示を出せる。
他のALEPHであれば返り討ちにされてしまうこともしばしばあるのだが、ウサギチームの攻撃が遠距離攻撃であることとウサギチームが恐怖ダメージを受けないことから規制済みとの相性は良く、眷属が大量発生してしまっても鎮圧が可能。
4部門までしか範囲にできないため決断は被害が広まる前に。
慎重ランクが極端に低い職員に作業させる
規制済みとの接触において必須なのは能力ランクの合算で求められるレベルが5であることだけであり、4つの能力のうち1個だけ極端にランクが低くても残る能力のランクが全て5であればレベル5に到達させることができる。規制済みへの作業成功率は職員の能力ランクが低いほど上がる傾向があるため、規制済みへの作業成功率が高い洞察作業に関係する慎重の能力ランクだけを下げた職員に作業させれば恐怖ダメージ以外をほとんど受けずに済ませることもできなくはない。
慎重ランクの高低はMPの高低に比例するためMPの低い職員を規制済みに送り込むのはなかなか勇気が要るが、一番のダメージソースである恐怖ダメージは割合攻撃であるためMP上限が低ければそこまで大きなダメージにならないというのもミソ。
勇気のステータスが最も高い職員に鎮圧させる
職員がパニックになったとしてもプレイヤーから操作不能になるだけで職員が自発的に行動することは可能である。職員がパニックになったときの行動は4つの能力のうちどのステータスが最も高いかどうかで決まり、勇気のステータスが高い職員はひたすら目の前にいるものを敵味方問わず殴り続ける。そのため、勇気のステータスが高い職員を規制済みに突っ込ませるとパニックになったあとも規制済みを殴り続けてそのまま鎮圧してくれることがある。
もっとも、仮にもALEPHを鎮圧できるほどの戦力を持つ職員を暴れ回らせるのと規制済みを放置しておくのとでどっちがマシかというと微妙なところだが……眷属が増えすぎてどうにもならなくなったら一考の余地ありかもしれない。
盲愛様
仰々しいテキストの割に一点突破の強みに欠けておりALEPHの中では弱い方という評価を受けがちな規制済みだが、実装当初はもっと弱かった。現在の唯一の特色と言える恐怖レベルが他のALEPHと同じ5だったのである。あと耐性も現在よりちょっと脆い。
それだけの違いだが、クリフォトカウンターが2もあるためALEPHにしては脱走しにくい上に脱走しても遠距離武器を持つレベル3職員で引き撃ちしていれば鎮圧できてしまうというのはALEPHとしてさすがにちょっと……ということで「ALEPHの面汚し」などと呼ばれる始末。
こうなってくるとダメな子ほど可愛いということなのか逆に愛着が湧いてくるもので、極端にデフォルメされたデザインや力の入った演出も相まってプレイヤー達の間でアイドル的な人気を確立。
日本語攻略wikiでは各幻想体についてプレイヤーが収容したいか否かという投票が行われており、有用性による評価である『共存』『利用』『看過』『注意』『唾棄』と有用有害関係なくデザインが好きだから収容する『盲愛』の6つの選択肢が用意されている。規制済みはこの投票で数々の女性型幻想体を差し置いて2位の約1.5倍の『盲愛』を獲得し、「盲愛様」と呼ばれるようになってしまった。どうしてこうなった。
続編での扱い
登場しない。
続編であるLibrary of Luinaでは複数の幻想体が再登場し、権利的に問題のないALEPHはほぼ登場しているにも関わらず規制済みだけがハブられた。
もっとも、Library of Luina以降では認知フィルタが存在しない人物からの視点でゲームが進行しており、仮に再登場しても我々の知っている赤黒バーの姿でないことは確実であるため仕方ない部分もあるのかもしれない。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
- *Lobotomy Corporationにおいてはアブノーマリティという表記だったが、続編では幻想体に翻訳が変更されている。規制済みが幻想体と公式に呼ばれたことは現時点では存在しないが、本記事中では現在の翻訳に則って幻想体と記述する。
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