買占めとは、特定の物(株式、物品、土地)などを買い集める行為のこと。
概要
一般的には多少買い集める程度では買占めとは言わず、残り商品の残数が不足し販売や販売価格に変動が出るような買い集める行動を買占めという。
購入による受給バランス変動にともなう販売価格の高値の誘導を目的とした購買以外にも、土地開発のために強制的に土地を買いあさる地上げや、企業に対しての株式の公開買付、大人買い、駆け込み需要なども広い意味では買占めに該当する。
東日本大震災の直後には関東地方にて生活必需品の買占め(自己消費のための買いだめ)が発生し、被災地域にいきわたらなくなる現象が発生した。また中国では塩や味噌が放射能障害の予防に有効というデマが発生し買占めが発生した。
日本においては買占め等防止法(生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律)が1973年に成立しており、生活関連物資については買占めは犯罪となっている。ただし、この法律は販売側にのみ規制をかける法律であり購買側の暴走については歯止めのかけようがないのが現状である。
近年では中国人によるドラッグストアでの紙おむつの買占めが問題となっている。これは品質に問題が多い中国製品を嫌う中国人が日本にやってきて転売目的で紙おむつを買い占めてしまうという事例である。転売すれば莫大な利益になることもあって買占められる事例が後を絶たず日本人が店頭で購入できないという現象も発生している。
なお、その中国においては何か有事があるたびに塩が買い占められる。中国では塩は以前は国が管理、販売していた経緯があり、現在も食塩の製造・販売の許認可と指導という形で関与している。そのため何か非常事態になった場合に、国が塩の販売を止めるのではないかという群集心理に歯止めがきかず買占めに走るのである。
近年の買い占め
なお、2010年代後半以降の買占め騒動には、ネット通販サイトやフリマアプリなどの発達により、個人レベルでの商品転売が非常に容易になったことも影響していると考えられている。人気の出た商品や不足しそうな物資の情報が速やかに出回り転売で利益を上げることを目的として買い占められるのである。
そういった人々についての詳細は、こちらの該当記事を参照。 → 転売厨/転売ヤー
2013年以降、バレンタインの日に2ちゃんねるを中心として「うまい棒買い占め作戦」が実施されている。これは非リア充によるイベントとなっている。これはインターネットを基盤としたイベントとしての新種の買占めである。なお、迷惑なことにはかわりがない。
2016年の正月、スターバックスにて福袋買い占めが発生した。先頭に椅子だけ並べていた人物が単独で準備されていた108個の福袋全てを買占めた。なお転売目的だった様子で後に転売に失敗したことも確認されている。
2016年に発生した熊本地震においても水を中心に買占めが発生している。ただし、全ての物流網がほぼ断絶していた東日本とは違いルートによっては物資の流入が行えているため、死者を出す水準の致命的な不足には陥っていない。
2019年末に中国で確認され、2020年以降世界各国へ拡大した新型コロナウイルスに関連し、日本をはじめ世界各国で生活物資や日用品の買占めが多発した。日本における騒動の詳細はトイレットペーパー騒動の記事を参照。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
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