雪ミク電車とは、札幌市交通局が冬季限定で運行する札幌市電のイベント列車である。
概要
初音ミク生誕の地である北海道札幌市を走る路面電車、札幌市電。
全盛期には市内を縦横無尽に走り回っていた市電も、地下鉄の開通により一時は存廃問題も取り沙汰されるまでにその規模を縮小してしまったが、現在は市内中心部から南西方面をのんびりと走行している。そんな市電で、クリプトン・フューチャー・メディアや札幌市交通局などの全面協力により、「SNOW MIKU」フェスティバルとのコラボラッピングが実現した。
運行開始は、雪ミクが登場した翌年の2011年。外装のみならず、内装も窓貼り広告など一部を除いて雪ミクを始めとしたVOCALOID一色になる。車内アナウンスも初音ミクの中の人である藤田咲を起用する気合の入りっぷり。どうせならアナウンスくらい全車両で通年藤田さん音声にしてしまえばいいのに。今ではすっかり冬の札幌の名物である。
運行前には内覧会(電車のお披露目会)が行われ、雪ミク電車の車内を自由に撮影できる唯一の機会となる。(営業運行中の車内での写真撮影は禁止されている)車内では上記の広告の他、営業運行と同様の車内アナウンスが流される。新型コロナウイルスの流行を受け、2020年以降はオンラインで内覧会を行うようになった。
2022年については運行が中止された。詳細は後述。
デザインは雪ミクのバージョンに合わせて毎年変更される。以下、各年の車両について記述する。
2011年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2011年2月14日~3月26日
記念すべき雪ミク電車第一弾。この年はまだ車体のベースカラーを残したハーフラッピングだった。
この年雪ミク電車となった3302の車内には、藤田咲と下田麻美のサインが記入されている。
2012年
使用車両:3303(3300形)
運行期間:2011年12月19日~2012年3月30日
前年の好評を受けてか、この年から満を持してフルラッピングに。テーマ「ふわふわコートの雪ミク」のカラーに合わせ、紺色ベースの車体色となる。札幌市電がその麓を走る藻岩山のイメージキャラクター「もーりす」とのコラボも実現。運行期間も大幅に拡大され、クリスマスや年末年始の札幌を彩った。
なお、使用車両が中の人のサイン入りの3302ではなく、同型の3303が使用されたのは、3302が2011年の秋頃にトラックと接触する事故に遭い、その修復が間に合わなかったためではないかと思われる。
2013年
使用車両:212(210形)
運行期間:2012年12月17日~2013年3月31日
この年のカラーは、2013年版の「いちご白無垢雪ミク」に合わせた赤。札幌市電最古参の車両のひとつである212が使用された理由は不明。
2014年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2013年11月18日~2014年3月28日
この年から3302が雪ミク電車に復帰。紫紺の車体にテーマ「魔法少女」姿の雪ミクが映える。新登場のラビット・ユキネも一緒に乗車。運行開始が更に一ヶ月前倒しされ、初冬から雪解けの時期までを札幌の冬景色と共に駆け抜けた。
2015年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2014年11月17日~2015年3月29日
黒の車体ベースカラーに、テーマ「北海道の冬の植物」の雪ミク&ラビット・ユキネ、それ合わせてすずらんの葉をイメージしたデザインを配置。比較的落ち着いた配色となった。2015年末頃を目途に札幌市電が環状線化されることから、終端駅状態のすすきの・西4丁目両電停との組み合わせはこの年が最後となる。
2016年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2015年11月22日~2016年3月27日
この年の雪ミクのテーマは「北海道の冬を楽しむウィンタースポーツ」。スキーヤー・スノーボーダー姿のデザインが採用されており、スポーツを意識した躍動感のあるカラフルな配色となった。
なおこの年が環状線化後の初の運行となる。平日が内回り、土日が外回りで運行される。
2017年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2016年11月21日~2017年3月26日
テーマは北海道の冬をイメージした「星空/星座」。星空をイメージしたダークブルーをベースにしたグラデーションが映え、きらきらと星や星座が散りばめられたデザインとなった。
2018年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2017年11月27日~2018年3月27日
テーマは北海道の雪をイメージした「どうぶつ」。和の衣装に合わせ「和」を感じられる、群青を基調とした落ち着いた趣のあるデザインとなった。
2019年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2018年12月3日~2019年3月26日
テーマは北海道の雪をイメージした「プリンセス」。ライトグレー~ダークグレーの鮮やかなグラデーションをベースカラーにし、カーペットをイメージしたワインレッドやゴールドイエローの五線譜など、雪ミク十周年ということで煌びやかさと高級感のあるデザインとなった。
なお、この年の車内放送は例年の藤田咲による録音音声ではなく、クリプトン・フューチャー・メディアが開発したという合成音声によるアナウンスが試験採用された。[1]
2020年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2019年11月25日~2020年3月25日
テーマは北海道の雪をイメージした「楽器」。SNOW MIKU 2020のメインビジュアルが大胆にもそのままあしらわれ、北海道の大自然を感じさせるようなデザインである。この年以降、車体にはメインビジュアルがそのまま描かれるようになった。
2021年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2020年11月21日~2021年3月24日
テーマは北海道の雪をイメージした「イルミネーション」。前年同様にメインビジュアルがそのまま描かれるが、この年はメインイベントが小樽市で開催されることもあり、車体に小樽の風景が描かれているのが斬新である。
この年は新型コロナウイルスの影響を受け、毎年恒例で行われていた内覧会は中止。代わりに「雪ミク電車VR」と称してオンライン内覧会が行われた。[2]アナウンスは各電停ごと細かく分かれており任意に選んで再生できたりと、リアルの内覧会には実現できなかった特典もある。(あと毎年すごく混雑するので列に並ばずに見られるメリットも・・・)以降も内覧会はオンラインで行われるようになった。
2022年
使用車両:(運行中止)
運行期間:(運行中止)
2021年10月11日、運転手の過失によって市電が自転車をはね、相手に重症を負わせる事故が発生。(雪ミク電車運行前であり通常運行の車両である)札幌市交通事業振興公社はこの事故の対応に専念することを理由に、雪ミク電車2022の運行を中止することを発表した。[3][4]
ラッピング車両の運行は中止となったが、フジミ模型から毎年恒例の雪ミク電車の模型は無事に発売された。
2023年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2022年11月19日~2023年3月26日
テーマは北海道の冬をイメージした「空模様」。メインビジュアルの青紫~赤紫の空が描かれ、全体的に淡い色合いのデザインとなった。
2024年
使用車両:3302(3300形)
運行期間:2023年11月18日~2024年3月24日
テーマは北海道の冬をイメージした『ごちそう』。メインビジュアルの様々なごちそうが描かれたが、衣装に合わせてか全体に暖色系の色合いとなり、他の年度にはなかった斬新な配色となった。
2025年
関連項目
脚注
- *【SNOW MIKU 2019】雪ミク電車内覧会レポート!ねんどろいど、figma、モジュールの紹介も! – 初音ミク公式ブログ
- *【SNOW MIKU 2021】今冬も雪ミク電車が札幌の街を彩ります! – 初音ミク公式ブログ
- *「雪ミク電車2022運行事業」の見送りにつきまして(お詫び)
- *札幌市電「雪ミク電車2022運行事業」10月の事故を踏まえ、見送りに | マイナビニュース
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