EX-4とは、川崎重工が製造・販売していた普通自動二輪車(398cc)である。
ゼルビスではない。
概要
EX-4はGPZ400Sの後継機として1994年に販売を開始した。同時発売はZRX400。
プレスリリースのサーキット走行会で、区間タイムではあるが4気筒車のZRX400より速いタイムを記録。
雑誌の記事には「ZRXよりも乗りやすい」など載り、評価も高かった。
日本国外では既にGPZ500S/Ninja500(EX500)として販売されていた車両を、
日本の中型免許で乗れるよう、排気量398ccとして 設計し直したものである。
GPZ900Rのエンジンを二つに割ったような構造のエンジンであり、“ハーフニンジャ”の異名を取った。
しかし、スタンダードバイクとして人気車となっていた日本国外のEX500と違い、
400ccクラスでは4気筒エンジンが当然となっていた当時の日 本では、それが不人気の要因となった。
前輪シングルディスクや細身の足回り等、実質本位だが豪華さに欠ける装備も不人気の要因となった。
緩い前傾姿勢とダブルトリップメーターの装備など、ツアラーとしての性格も持つ。
以上、Wikipediaより。
EX-4は他車種との共用部品が非常に多く(例:テールランプがZXRと、ロッカーアームがGPZ900Rと共通)、
製造・販売が終了し、カタログ落ちして10年以上経過した2012年現在においても、
主要部品のメーカ欠品はキャブレタ内部のジェットニードルのみである。
これは、前述のGPZ500S/Ninja500が国外で最近まで製造・販売されていたためでもある。
国内のみ見ても、足回りにおいては現行の人気車種Ninja250Rと共通なため、当分パーツ供給に困ることは無いし、
Ninja250Rの社外パーツを取り付けるカスタムも可能。
これは、所謂"不人気車"においては殆ど見られない長所である。
また、英語が堪能なオーナーであれば、ebey等の海外オークションから潤沢なパーツ供給を受ける事も可能である。
400ccとしては非常に維持費が安く(消耗品が殆ど250cc並な上に燃費も良い)、
プレミア価格など絶対に付かないため、車体も非常に安価……ではあるが、
元々国内流通台数が少ない(1200台程度)ので、オークションも含めた市場に出回る事は殆ど無い。
また、オーナーがなかなか手放さない傾向にあるので、中古で流通している数はゼロに等しい。
主要緒元
| 排気量クラス | 普通自動二輪 |
| 製造・販売 | 川崎重工 |
| 製造期間 | 1994年-1998年 |
| 車体形式 | EX400B |
| フレーム形状 | 鉄製ダブルクレードル |
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| 最高出力 | 50ps/10,500rpm |
| 最大トルク | 3.6kg・m/9,000rpm |
| 変速機 | 常時噛合式6段リターン |
| 駆動方式 | チェーンドライブ(520) |
| サスペンション | F:テレコスピックφ37 R:スイングアームユニトラック |
| ブレーキ | F:油圧式シングルディスク R:油圧式シングルディスク |
| 全長*全幅*全高 | 2085mm * 710mm * 1165mm |
| 最低地上高 | 125mm |
| シート高 | 775mm |
| 車両重量 | 198kg |
| 燃料タンク容量 | 18/2.2L |
EX-4の小ネタ
- シートカウルの膨らみ内が収納スペースとして機能する。
ちなみに、この膨らみのせいでメットホルダが使用不能である。ワイヤで伸ばすなりキャリアに何か付けるなり…… - 車体に入っていると言われたのに、書類が見つからない……そんな時はシート裏を見よう。書類入れが付いている。
- シートが開かない、そんな時。大体車載工具がシート留め具に挟まっている。車体を揺らせば取れるかも。
まあ、どのメーカも純正車載工具で積む価値があるものなんてプラグレンチだけなので取り払っても構わない。 - アッパーカウルを純正注文すると、最近デカールが全て欠品になったので何も貼っていないものが届く。
つまり、デカールの貼ってないEX-4はごく最近、カウルを交換している。 - 不人気車であるが、ちゃんと前期型・後期型が存在する。
チェンジペダルにゴムカバーが付いているのが前期型、付いていないのが後期型である。当然互換性がある。
また、赤が前期、青が後期である。 - ジェネレータカバーにはKawasakiの文字が入っている。
もし、入っていないものを見つけたのであれば、それは500ccモデルである。
これはKLEなども共通なので見分けるのに役立つ。まずそんな機会は無いが。 - サービスマニュアルは単体では存在せず、別車種の補足版になる。
元の車種はGPZ400Sではなく、EN400である。 - 純正では開放型バッテリであるが、MFバッテリを積んでも問題は無い。
GPZ400Sとはレギュレータを含む電装系部品がいくらか変更されているためだ。 - 他車種からの流用が多いと書いたが、おおざっぱに次のものが共通である。
関連車種について
- EN400
原動機の型式がEN400AEと言うだけあり、一番最初はコイツである。
アメリカンから始まり、スポーツ、アルプスローダー、ネイキッド等、使いまわされるとはコイツも思わなかっただろう。
ここまで使いまわされるのはホンダの横型エンジン(所謂4mini)位なモンである。
初代バルカンとも呼ばれるが、川崎重工のHPではバルカンの名を与えられていない。
と、言うのもV型バルカン400(VN400)が発売されると同時に、バルカンのペットネームを抹消されてしまったのだ。
EX-4とほぼ共通のエンジンでありながら、ベルトドライブである。ちなみに純正ベルトのお値段は5万円超。
実は、コイツにも500ccのモデルは存在する。450ccモデルもあった。
- GPZ400S
EX-4の先代に当たるモデルであり、同じく不人気車である。こいつの型式はEX400A。
前期型はアンダーカウルがオプションだったが、後期型からは標準装備となった。
何かと当時クラス最強の一台であったGPZ400Rと比較され、
「貧乏バイク」から始まり、「普通の感覚を持っていればGPZ400Rを買う」と書く雑誌もあったとか。
実は足回りとアッパーカウル・シートカウル以外、ほぼ全てのパーツがEX-4と共通。
EX-4のヘルメットホルダが使えないのは、コイツのフレームをそっくりそのまま流用しているためである。
- KLE400
GPZ400Sが先代なら、こいつは兄弟か姉妹に当たるモデルである。
家族の中では一番人気ではあるものの、あくまで家族の中。世間的には不人気車である。
今で言うアルプスローダのような位置づけであり、オフロードモデルではない。
そのため、ダートは「通過できる」と言ったレベルであり、やっぱり本領発揮するのはオンロード、
見た目の割に整流効果のある外装なので、高速走行もさほど苦にならない。
コイツにも500ccのモデルKLE500が存在し、他とは違い、代理店により纏まった数が輸入されていた。
- ER-4n/Ninja400R
詳しくはER-6nやER-6fあたりの記事を参照。
Ninja400Rの型式はEX400C。名実ともにEX-4の後継機である。
コイツのエンジンはEN400AEをFI化したもの……ではなく、完全に別設計。ボアもストロークも排気量も違う。
EX-4は70.0*51.8mmの398cc、ERは68.4*54.3mmの399ccである。
実はNinja400RとER-4nはフレームから違い、カウルやメータステーの形状は勿論、キャスタ角も違う。
- GPZ500S/Ninja500/Ninja500R
前述の通り、海外ではGPZ500S/Ninja500として500ccモデルが製造・販売されていた。最終は2009年。
仕様地によっては、ダブルディスク仕様であったり、キャブレタ及びエアクリーナボックス等に差異が見られる。
また、製造年・仕様地により名前も変わる。
これも最初はGPZ400Sと同じ仕様であったが、EX-4と同じ仕様のものにモデルチェンジが行われた。
この際、名称がNinja500と改称され、一番最後のモデルがNinja500Rである。
20年以上も製造されてきた人気モデルだけあり、英語が堪能であれば、非常に潤沢なアフターパーツの入手が可能。
当然、EX-4に流用可能である。
僅かな期間ではあるものの、後継機となるER-6fと並列して製造・販売されていた事もある。
- ER-5
バリオスとほぼ共通の車体にGPZ500S/Ninja500とほぼ共通のエンジンを搭載したモデルである。
バリオスとの違いは、アンダーフレームがより丈夫な物になっている事、リアがドラムブレーキである事位で、
それ以外は共通の車体である。緑の枠付きナンバープレートのバリオスがいたらコイツかも知れない。
- ゼルビス
メーカは違うが、見た目もコンセプトも生い立ち当時の待遇もそっくりなのがコイツ。ゆっくりではない。
元々はCB500Sと言う並列二気筒エンジンを積んだ車種だった。詳しくはゼルビスの大百科を参照。
本当にそっくり……ではあるが、近年再評価されつつあるゼルビスと違い、EX-4にはプレミアなど付いていない。
ゼルビスの(と言うよりVT系の)メータ筐体をそのまま流用しているトランザルプ400と言うバイクがあるが、
コイツはKLE400との競合車種であった。今でもヴェルシスとトランザルプが絶賛競合中である。
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関連項目
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