Ninjaとは、以下の意味である。
概要
川崎重工のスポーツタイプバイクにつけられるシリーズ名もしくはペットネーム。
スポーツタイプのバイクという以外に特に共通点はない。ツアラーのイメージが強いが、排気量の低いものやオフロードタイプにもつけられる(そのあたりの経緯は下記「最終鬼畜全部Ninja」の項も参照)。
命名の由来は諸説あるが、1980年代に海外で巻き起こったニンジャブームの影響という点では概ね一致する。
初代・GPZ系
1984年、Z-1から伝統の空冷4気筒エンジンに重量・出力での限界を感じたカワサキが新たに開発した908cc水冷エンジンを搭載したスポーツツアラー、GPZ900Rが誕生する。
それまでのトップグレードモデルのGPz1100を上回る軽快性と最高速は当時のバイク界に衝撃をもたらし、テンションの上がりきった北米販売部門のアメリカ人が「Oh、まるでNinjaだ!」とそのままのノリで命名。
さらに映画「トップガン」で登場したことによりその知名度は爆発的に上昇。世界に「Kawasaki」と「Ninja」の名を知らしめた。
余談ではあるが、当時の日本では排気量750cc以上のオートバイ販売が自主規制されていたためにボアダウン仕様のGPZ750Rが販売されていた。しかし漢の子たるもの「モアパワー」とか「オリジナル」というものを欲しがるのは当然の流れで、GPZ900Rを逆輸入して購入するライダーも多かった。
スズキ・カタナと並んで逆輸入バイクに先鞭をつけたモデルという見方もできる、まさに伝説のマシンである。
カワサキの伝説はこれで幾つ目かは忘れた。
なお初代モデルは「GPz900R」と「z」が小文字だったが、後に空冷と水冷を区別するために「Z」が大文字になった。
ZX系
1992年、ホンダからCBR900RR「ファイヤーブレード」が発売される。大パワーと軽快な操縦性を併せ持った「スーパースポーツ」時代の幕開けである。
「ホンダのくせに生意気だ」と怒りに燃えるカワサキは1994年、ZXR750のエンジンを899ccにボアアップ、さらに当時世界最速市販車の座にあったZZR1100からラムエアシステムを導入。さらにネーミング上のインパクトで対抗するべく「Ninja」の名を与える。ここに「ZX-9R Ninja」が誕生した。カウルの「ZX-9R」のロゴが斜めった書体で書かれているため「ユメタマ」に空目されることからユメタマとも呼ばれている。詳しくは → ユメタマ
ZZR1100からラムエアと一緒にツアラー分も持ってきてしまったらしく、ファイヤーブレードと比較してやや重いために「これツアラーじゃね?」と揶揄されることもあったが、ZX-6Rの登場と共にエンジンを新造し劇的なシェイプアップに成功する。マイチェンを重ねるごとに生粋のSSへと進化して行ったものの、やや無理なダイエットが祟り、晩年のリバウンドを受けてZX-10Rにその座を譲り、初代GPZ系よりも一年早くカタログから姿を消すこととなった。
ZX-6Rもまた公道走行を重視し、敢えて排気量を"レプリカ"せず636ccとする変り種であったが、エンジンの改良によって現在は599ccの排気量となっている。
ユメタマを後継したZX-10Rはカワサキらしいモアパワー思想で設計され、国内メーカー製リッターSS最後発ながら一際ジャジャ馬な性格を持った漢マシンとして邁進。2011年のモデルチェンジにてZZR1400を上回るパワーとトラクションコントロールを備えた、名実共に「グリーン・モンスター」となっている。
また、メガスポーツ最速戦争に投入されたZX12Rも系列は異なるがNinja衆の一台として数えられており、後継車のZZR1400も北米ではZX14RのナンバリングとNinjaロゴを与えられていることから広義ではNinjaシリーズとする意見もある。
何よりも北米での「Ninja」のネームバリューは商業戦略上無視せざるものとなっている。どうやらテンションは20年以上変わっていないらしい。
普免区分に参上
排ガス規制という大寒波がバイク業界に押し寄せる中、寄る年波には勝てずZZR250を始めとするカワサキのクォーターモデルたちが息を引き取る。そんな2007年に救世主のごとく新世代のカワサキ250ccモデルが登場するが、その中で一際目を引いたのがフルカウルのボディを持ち、側面に「Ninja」のロゴを記したバイクだった。
一時はZXR250のようなレーサーレプリカの再来とも噂されたが、実際には高めのハンドルポジションを持ち、排ガス・騒音規制に適合した新型ZZR250ともいうべきツアラーモデルである。
しかしながら250ccクラスの経済性と国産クラス唯一のスタイリング、省コストに努めたゆえの安価な値段設定、カウルの恩恵たる高速巡航の楽さ、ツアラー呼ばわりなんてユメタマの再来みたいで最高じゃんといった要素に支えられ一躍人気モデルとなった。
大人気です。
2010年にはER-6fを400ccにボアダウンしたモデルとしてNinja400Rが発売された。
6Rを「中忍」、250Rを「小忍」と呼んでいる現状でどういった愛称を与えるべきかが今後の課題である。
最終鬼畜全部Ninja
2011年のラインナップ発表時、250R発売後から「何でもNinjaって名付けるのはどうなんよ」という意見をフリと勘違いしたのか、はたまた解っててやってんのか 囁かれていたが、それを裏付けるようにカタログに「Ninja」の名称が並んだ。ER-6fが「Ninja650」に名称変更された他、Z1000にカウルを装備してスポーツツアラーとしたZ1000SXを「Ninja1000」としてラインナップに加えたのである。特に後者に関しては
客「今度出るリッターのninjaって予約出来ます?」
店「あぁ?どっちだよ?」
客「ライムグリーンで、フルカウルで、」
店「帰れ!」
という漢らしい面倒があったとかなかったとか。
あ、タバコ吸っていい? で、つまりさ…
Ninjaとは、カワサキのカッコいいバイクに与えられる栄光の称号なのである。
関連項目
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