IRAとは…… |
IRAとは、アイルランド独立闘争(対英テロ闘争)を行ってきた武装組織 Irish Republican Armyの頭文字からの通称である。
現在IRAは分裂し幾つかの分派に分かれているが、この記事では特に記載ない場合はIRA暫定派の事を指す。
概要
IRAはプロテスタントの親英連合派であるアルスター義勇軍に対抗して結成されたカトリック系武装組織「アイルランド義勇軍」に始まるとされる。
アイルランド独立までの経緯と“テロ組織”IRA誕生の経緯は切っても切れない関係なのでアイルランドの歴史をここに抜粋して記す。
アイルランドは1800年の連合法制定によりグレートブリテン王国の実質従属国だったアイルランド王国は消滅、グレートブリテンおよびアイルランド連合王国内の「国(country)」なっていたが、1916年に起きた武装蜂起(イースター蜂起)が発生、この時にアイルランド義勇軍は大きな役割を果たす。武装蜂起は7日で鎮圧されたが、2年後の1918年のアイルランド島内の英国議会選挙で武装蜂起の賛同・協力したという民族主義政党シン・フェイン党が過半数を超え、現在のアイルランド国会下院の前身を開催しアイルランド共和国(アイルランド共和国暫定政府)の樹立を宣言してアイルランド独立戦争が勃発する。この時、アイルランド義勇軍を暫定政府は正規軍と認めた。
1921年にイギリス政府は独立派との間に英愛条約(アイルランド独立戦争の休戦条約)が締結され、自治国としてのアイルランド自由国が誕生することになるが、「共和国」として英国からの完全独立を目指した人たちには不満の残る形であり、結果、条約賛成派と反対派による内戦(アイルランド内戦)が勃発し、犠牲者は1919-21年のアイルランド独立戦争の犠牲者より多かったといわれる。
賛成派についたアイルランド義勇軍はアイルランド「国軍」アイルランド国防軍へと発展解消を遂げ、一方の内戦に敗れた条約反対派についた義勇軍は英国内の北アイルランド議会とアイルランド政府双方を否定し、アイルランド島全域を領土と宣言した1919年の暫定政府こそ正統政府であると主張し、北アイルランドを英国連合王国から分離させてアイルランド統一することを目的とした反政府組織IRAとなった(IRA暫定派の「暫定」とは上記暫定政府からきている)。
このような経緯から「国軍」アイルランド国防軍と反政府組織IRAで用いられているアイルランド語の正式名称はともに同じÓglaigh na hÉireann で国防軍側はIRA側がこの名を使う事に強く反発している。
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