みちびき

～　見上げれば　宇宙（そら）から照らす　道しるべ　～

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みちびきとは、日本で運用されている準天頂衛星システムである。

概要

準天頂軌道の衛星を主体として構成されている衛星測位システム。2010年度に衛星初号機が打ち上げられた。

2018年11月から4機体制（準天頂軌道が3機、静止軌道が1機）になっているが、追加の衛星を打ち上げることで、最終的には7機体制（常に4機以上の測位衛星が滞空するようになり、みちびきだけでの持続測位が可能となる）を目指す。^[1]

所属・運用は宇宙航空研究開発機構（JAXA）/宇宙利用ミッション本部であったが、2017年2月28日をもって、内閣府に移管された。移管後は準天頂衛星システムサービス株式会社が運用を開始している。

目的

準天頂衛星システム（QZSS：Quasi-Zenith Satellite System）の技術実証と利用実証。簡単に言うと、「GPSの補完」「GPSの補強」「次世代基盤技術の取得」の3つのミッションで成果を上げること。

ちなみに、計画当初は移動体向けの放送衛星として開発されていて（常に日本の真上を通るため建物の影響を受けにくく、アンテナも小型のものでよい）「GPSの補完」はそのついでであった。ところが放送衛星の計画は中止になり、準天頂衛星は走り出したら止まれないお役所仕事の都合で「GPSの補完」がメインとなったという経緯がある。

1. 日本のほぼ天頂（準天頂）を通る軌道に衛星を打ち上げて（目標は主力3機＋補完機。なに？！それじゃ足りない？ならばおまけで４機合計７機で本格的日本版GPSでい！）、
2. 交代で日本上空に常駐させることで、GPSが利用できない時間・場所でも情報を取れるようになり、
   （日本とオーストラリアの上空を、8の字を書くように動くとイメージして下さい）
3. GPSの精度向上させる補正信号を発信することで、より正確な位置測定ができるようにもなる。
   （万が一、アメリカのGPSに何かあった時の備えにも繋がります）
4. ちなみに、将来的には世界各国の（位置測定のための）衛星の信号を統一しよう、という動きがあるが、
5. 「みちびき」は、先を読んでGPS信号との共通化や相互運用性の確保も行っている。偉い！
   
6. このプロジェクトを成功させ、世界に広げていく→日本のシステムが世界標準になる → (ﾟДﾟ)ｳﾏｰ

（「GPS」の記事にも詳しい説明があります）

衛星について

衛星初号機

衛星初号機は2010年9月11日（土）20時17分00秒に、H2Aロケット18号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた。本機はスケールが大きいため、他の衛星と乗り合いではなく単独での打ち上げとなった。今回も種子島や鹿児島の現地組の他、インターネットのライブ放送を通じてたくさんの人が打ち上げの成功に歓声を上げた。

ちなみに、当初は同年8月2日に打ち上げ予定だったが、某海外メーカー産のリアクションホイールに不具合が見つかったため、延期となった経緯がある。

主要諸元

• 形状：箱型（6.2m×3.1m×2.9m）に2翼式の太陽電池パドルを有する。（太陽電池パドルの両翼端間25.3m）
• 質量：約4t （打ち上げ時）
• 電力：5.3KW（寿命末期）
• 設計寿命：10年
• 軌道：準天頂軌道
• 軌道高度：約39,000km（遠地点）、約32,000km（近地点）
• 傾斜角：約40度
• 周期：23時間56分

装備

• 搭載用原子時計：ルビジウム原子時計
• 太陽電池パドル（2枚の太陽電池パドルを本体の両側に1枚ずつ展開する方式）
• Lバンドアンテナ（ヘリカルアレイアンテナ）　※ヘリカルアレイアンテナは19本のヘリカルアンテナで構成されたアレイアンテナ。4つの周波数帯で5つの測位信号を送信する。
• L1-SAIFアンテナ　※1mの測位精度を実現する補強測位信号用アンテナ。
• レーザリフレクタ　※Lバンドの測位信号を使った軌道・クロック推定の検証・モデル改良のためにレーザ測距を行う。
• TTSアンテナ　※搭載時計の校正実験に使う送受信アンテナ。地上との双方向時刻比較を行う。

専用管制局

沖縄県恩納村に2局のアンテナを持つ沖縄通信所が設置されている。90m/秒の風にも耐えうる最強のツインアンテナで、みちびきを専属でフォローする。（もちろん、既存のうすださんやかつうらさんやますださんとも交信します）。

沖縄に置く理由は、赤道に近いことで24時間通信ができるから。（オーストラリア上空に位置しているときも、沖縄なら通信ができるらしい）

公式マスコットキャラクター

愛称：みちびきさん
（非公認愛称「みっちー」byイカロス君）

JAXAから公式マスコットキャラクターが発表されており、twitterにも登録している。中の人本人曰く、「中性」だけど女性的な優しさを持っている、とのこと。^[2] 一人称は「ボク 私」。「なんとかの里」派に所属。（イカロス君は「なんとかの山」派）

なお、白い帽子の中には凶悪な19本のトゲトゲ（ヘリカルアンテナ）が隠されている。^[3]

非公式ＡＡ

　|i||iii　 　　　,,ﾉ三ﾐｨ彡'⌒
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　|＿＿|　-=ﾆ彡'⌒ヾﾐヽ､
　|　　　　　　　　　　　 ヾ､ﾐヽ
　|　「あらあらうふふ・・・」

この日本記事はみちびきさんに監視されて見守られています。

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みちびきさんのグリグリ。（犠牲者モデルはイ○ロス君）

余談・エピソード

• 「導きし者たち ～みちびきプロジェクトコラム～」のバナーがアレに似ｔおや空から何か飛んできた。
• 運用中の通信・位置測定系の衛星として、「きずな」（超高速インターネット衛星）・「きく8号」（技術試験衛星）・「こだま」（データ中継技術衛星）・「だいち」（陸域観測技術衛星）などが、地球上空で頑張っている。
• 金星探査機「あかつき」と同様、今回もネットを通じた生放送や、JAXA各施設や全国各地の公共施設でパブリックビューイングが行われた。ツイッターならびにネット掲示板によると、ISAS会場では打ち上げ・本機の分離成功後に「きのこの山」が客席に回ったらしい。配ったの誰だよw

みちびきニュース

• 2010年6月23日
  品質・信頼性に懸念が発生したリアクションホイールを別のものに交換する為、打ち上げ延期が決定となった（当初は、同年8月2日22時54分～23時54分の予定だった）。
• 2010年8月4日
  打ち上げ日が、2010年9月11日（土）20:17～21:16の間に決定。
• 2010年9月11日20時17分00秒
  種子島宇宙センターからの打ち上げ成功。続いて、みちびき本体の分離にも成功。
  
• 2010年9月19日19:31
  ５回のアポジエンジン噴射を行い、準天頂ドリフト軌道に投入され、「定常制御モード」に入り
  クリティカル運用期間を終了。今後１週間かけて、日本上空の準天頂軌道に遷移する予定。
• 2010年9月27日　
  準天頂軌道への投入に成功。→ソース 
• 2010年12月17日　
  測位信号を標準コードに切り替え、技術立証・利用立証を開始。→ソース
• 2017年6月1日
  みちびき2号打ち上げ
• 2017年8月19日
  みちびき3号打ち上げ
• 2017年10月10日
  みちびき4号打ち上げ
• 2018年11月1日
  みちびきの本格運用スタート！

※随時加筆をお願いいたします。

関連動画

   

関連コミュニティ

関連リンク

• みちびき（準天頂衛星システム：QZSS）公式サイト - 内閣府
• 準天頂衛星システムサービス株式会社
• ＪＡＸＡみちびき特設サイト
• ＪＡＸＡ宇宙利用ミッション本部　→ 現在、複数の衛星が稼働中です。
  
  • 人工衛星プロジェクト　みちびき（準天頂衛星初号機）　　
• みちびきTwitter（JAXA・みちびきさん版。2017年2月28日で運用終了）
• みちびきTwitter（内閣府の公式Twitter）

関連項目

• 科学
• 宇宙
• 内閣府
• 宇宙航空研究開発機構（JAXA）　
  • 宇宙利用ミッション本部　
• 打ち上げロケット・宇宙機の一覧
  
  • 金星探査機「あかつき」（あかつきくん・きんせいちゃん）
  • ソーラーセイル実証機「IKAROS」（イカロス君）
• GPS
• 種上げ

脚注

1. *みちびき7機体制｜みちびきとは｜みちびき（準天頂衛星システム：QZSS）公式サイト - 内閣府
2. *http://twitter.com/QZSS/status/8787814458、http://twitter.com/QZSS/status/8787904914
3. *http://twitter.com/QZSS/status/16759291292、http://twitter.com/QZSS/status/16759457475、http://twitter.com/QZSS/status/16759594995