アイアン・イーグル

『アイアン・イーグル』とはF-16戦闘機が無双するアメリカ映画である。

「イーグル」とは書かれてあるがF-15戦闘機が一切登場せずF-16戦闘機がメインになる ので、「アイアン・ファルコン」になってしまうのだが細かいことは気にしない 。なお配給会社の名誉のために付言すると映画の原題も「Iron Eagle」であり、これは諸般の事情により将官になれない大佐（階級章がワシ）どまりの士官を指す軍隊スラングである。

概要

飛行機オタクの高校生ダグ・マスターズが、中東某国の空域で撃墜されて捕虜になったアメリカ空軍のパイロットで父親のテッド・マスターズ大佐を友人たち、そしてテッドの友人でありベトナム戦争で鳴らしたベテランパイロットのチャールズ・シンクレア（通称：チャッピー）予備役大佐と共に救出に向かう話である。

彼らが乗り込むF-16戦闘機は こっそり基地からガメてくる筋立てのせいか アメリカ空軍から撮影協力を拒否されたため、イスラエル空軍のF-16戦闘機を使用している。他には 敵役として クフィルC2戦闘機と、第2作でMig-29の代わりとしてF-4戦闘機が登場する。蛇足だが、クフィルC2戦闘機は米軍のアグレッサー部隊用として実際に活用されている。

この作品を含めたシリーズは４作品制作されている。３作目を除く監督のシドニー・Ｊ・フューリーは当時『エンティティー 霊体』や『スーパーマンIV』、またアンチ007的スパイアクション『国際諜報局』の監督で知られていた。因みに全てのシリーズで登場する 真の主人公 チャッピー役を演じたルイス・ゴセット・ジュニアは映画『愛と青春の旅だち』(1982年)でアカデミー助演男優賞に輝いた名優である。

シリーズとしての概要

• 第1作：『Iron Eagle』(邦題：アイアン・イーグル)
• 1986年に公開。 あらすじは前述した通りだが、ラスボスはどこぞの大佐似のおっさんである。  世相が反映されてるから気にしない。
  このラスボス、アキール・ナイケシュ大佐を演じたデヴィッド・スーシェは後に、映画『エグゼクティブ・デシジョン』でも悪役を演じるのだが、イギリスのTVドラマ『名探偵ポワロ』ではポワロ役を演じ、その演技は「原作に最も近いポワロ」として有名。

• 第2作：『Iron Eagle II』(邦題：メタル・ブルー)
• 1988年に公開。第1作と違いカナダ・イスラエルの合作映画である(この作品以外はアメリカ映画)。
  第1作に登場したチャッピーが冷戦下でいがみ合うアメリカ空軍とソビエト空軍をなんだかんだでまとめ上げ、中東某国のミサイル破壊作戦に挑む。
  第1作に登場した飛行機オタクの高校生ダグは、 色々あって 晴れてアメリカ空軍のパイロットになったが、序盤数分でまさかの強制リストラ要員にされた。

• 第3作：『Iron Eagle III』(邦題：エイセス/大空の誓い)
• 1992年に公開。
  本作のみ監督が『007』シリーズのロジャー・ムーア後期主演作やティモシー・ダルトン主演作で知られるジョン・グレンに交代し、ここでまさかの路線変更。チャッピーたちが搭乗する第2次世界大戦の名機オールスターズで麻薬組織を撲滅する。因みにこの映画では千葉真一が出演している。勿論乗っているのは零式艦上戦闘機(映画ではT-6テキサンをそれっぽくしたもの)。 F-16どこ行った。
  ちなみにこの作品は『エイセス・アイアンイーグル3』と言うタイトルにて、Activision制作でファミコンソフト化された(パック・イン・ビデオで販売)。ゲームに登場する機体は何故か、現代の戦闘機に戻っている。

• 第4作：『Iron Eagle on the Attack』(日本未公開)
• 1995年に公開。 パイロット養成所の職員になったチャッピーが強制リストラされたはずのダグと少年院から委託された教え子たちと共に、キューバを細菌兵器で攻撃しようと企む極右勢力を倒すために立ち上がる。  監督が戻ってF-16さんも戻りました。
  ダグ…リストラされたはずでは…(以下反転)
  →ダグは第2作の序盤で何者かの攻撃によって撃墜、死亡となっていたが、第4作においては撃墜される前に脱出したが捕虜に。その後帰還した彼は母国で農薬散布の仕事をしているという後付け設定になっている。

関連動画

関連商品

関連項目

• 映画
• QUEEN - 第１作の主題歌「ONE VISON」を提供したアーティスト

外部リンク

• アイアン・イーグルについて(映画鑑賞記録WEBサービス「KINENOTE」