アクア・ギャクテンポインターとは、デュエル・マスターズに登場するカード (クリーチャー) である。
アクア・ギャクテンポインター R 水文明 (10)
クリーチャー:リキッド・ピープル 5000
S・トリガー
ブロッカー
このクリーチャーが召喚によって出た時、各プレイヤーのクリーチャーを最大1体ずつ選び、持ち主の山札の下に置く。このようにして自身のクリーチャーが選ばれたプレイヤーは、自身の山札の上から、クリーチャーが出るまで表向きにし、そのクリーチャーを出す。その後、そのプレイヤーは、自身の山札をシャッフルする。
2024年9月21日に発売されたDM24-RP3 『王道篇 第3弾 ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル』に収録されたリキッド・ピープルで、2004年のDM-10 『聖拳編 第1弾』収録の《腐敗電脳アクアポインター》のリメイクカード。
というより、《アクア・ギャクテンポインター》の所属する「逆転」サイクル[1]自体が《腐敗電脳アクアポインター》の友好色5コストcip持ちクリーチャーサイクル、つまり「カラーパイ上隣り合う2色で5コストの、バトルゾーンに出たときに発動する効果を持つクリーチャー」のサイクルをリファインしたものとなる。
イラストレーターはJason、またはShin "JASON" Nagasawa名義で、これは長澤真によるものであることがわかる。ある時期を境に「もうデュエル・マスターズのカードは描かない」と発言していた長澤だが、DM24-RP3にて15年ぶりに復帰してこの《アクア・ギャクテンポインター》を描いている。
もととなる《腐敗電脳アクアポインター》はスケルトンの身体の中に骨が透けて見える3つ目のクリーチャーであり、どことなくホリブルだが魅力的なデザインだったが (これはゴースト複合であり、『幽魔』のイメージを入れた結果であろう) 、《アクア・ギャクテンポインター》ではこのクリーチャーが蹲踞をしているというポーズになった。
S・トリガーを持つことから見ても待ち構えて何やら企んでいることを示しているのだろうが、デュエル・マスターズプレイヤーからは『嬉しくないエロ蹲踞(そんきょ)』と呼ばれてしまっているのが現状である。
効果自体はシンプルに、S・トリガーとブロッカーを持つクリーチャー。
かつ、出たときに互いのクリーチャー (多人数戦ではすべてのプレイヤーのクリーチャー) を最大1体選択し (選択するのは《アクア・ギャクテンポインター》を出したプレイヤーであり、また選択しなくても良い) 、山札の下に戻す。そして、山札に戻されたクリーチャーのコントローラーであったプレイヤーは山札の上からクリーチャーが出るまでめくり続け、そのクリーチャーを出し、山札をシャッフルするというもの。
所謂ノーコストでのタダ出しを狙えるカードであり過去の似たような効果を持つ《転生プログラム》[2]や《斬隠オロチ》[3]の反省なのか、悪さをできないようにめくった残りのカードは墓地にも行かないし、好きな順序で戻すこともできずシャッフルすることになる。更にそれらのカードよりも素のコスト自体は高く、容易に出すことができない。
その代わりシャッフルは効果処理後であるため、事前に山札を操作しておけば任意のクリーチャーをバトルゾーンに出すことも可能である。
さて、このクリーチャーは同名クリーチャーを「戻せない」、及び「出せない」という指定はないうえ、必ずクリーチャーを山札に戻してから効果を処理する都合上、クリーチャーを選択した時点で効果は必ず成立する。これは、《アクア・ギャクテンポインター》の効果処理時に、そのまま出てきた自身を山札に戻してもいいし、その効果処理で《アクア・ギャクテンポインター》が捲れれば場に出るということをも意味する。
このカードはその都合上、山札の中に《アクア・ギャクテンポインター》以外のクリーチャーがいなければループを成立させることができる。任意回数のループがたった1枚で成立するのである。
もちろん、山札の中に《アクア・ギャクテンポインター》しかいなければ能動的にループで勝つことは不可能であるが、現代のデュエル・マスターズのプレイシーンでは、《天災 デドダム》や《アリス・ルピア》など「登場時に山札を強制的に減らすクリーチャー」を入れていないデッキはほぼない (それこそ《アクア・ギャクテンポインター》のループデッキ同士の対面くらいしかないだろう) 。
そしてデュエル・マスターズでは効果処理中に別の効果が発生した場合は、当然その効果も処理される。遊戯王のように『タイミングを逃す』ことはないのだ。これによって対戦相手の上記のようなクリーチャーを無限回出しては戻すことで、相手のクリーチャーの効果でライブラリアウト (山札切れによる強制敗北) を誘引するのである。
とはいえ、このコンボには穴がある。《アクア・ギャクテンポインター》を自分のターンに出す場合とことなり、S・トリガーで相手のターンに出す場合を考えてみよう。この場合、相手がターン・プレイヤー、自分が非ターン・プレイヤーであるため、効果処理は常に「互いにデッキに戻す」→「デッキからクリーチャーを出す」→「ターン・プレイヤーがクリーチャーの効果を処理」→「《アクア・ギャクテンポインター》の効果を処理」となる。
このため、以下のような場面ではループ不成立となる。
一方で、大概の山札回復効果は踏み越えることができる。大概の山札回復効果は墓地から戻すしかないため、「ドローする」「マナに置く」などの墓地以外に山札からカード移動が発生してしまえば無限回の操作で最後は山札を削りきれることになる。
このループコンボはライブラリアウトデッキで強さを見せつけ、実際登場以降大会でも入賞報告が出てくるのだが、その後しばらくすると大会によっては制限カードとは別に独自に使用禁止措置を取るところがでてくる。
それはこのクリーチャーの、とある欠点ゆえであった。
『デュエマ』大会ではゲームテンポの為「「ループ証明」がされた場合は手順を結果まで省略してもいい」というジャッジルールがある。
しかし、このクリーチャーのコンボ成立には以下の要素が必要となる。
そして山札は非公開領域であり、互いに相手のデッキを覗き見ることはできない (そのような効果を互いに発動していない限り) 。おまけに山札の順序は《アクア・ギャクテンポインター》の効果によってランダム化されてしまうため、「絶対にループが成立する」または「絶対にループが成立しない」証明ができない。
発売から暫くの間は「いや、過去の類例ではループ証明ができたはずだ」と発言するプレイヤーもいた。以下のような例である。
相手の山札に、墓地に置かれると墓地をすべて山札に戻す《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》が1枚以上入っており、その状態で相手の山札をクリーチャーが2枚出るまで墓地に置く《ヴォルグ・サンダー》を任意の回数出すことができるケース。
この場合であるが、先に《ヴォルグ・サンダー》側のプレイヤーが任意回数だけ《ヴォルグ・サンダー》を出せることを証明してしまえば、「相手の山札に《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》 (奇数枚しかない場合でも残り1枚は別のなにかを残せばいい) しか残っていない」状況がいつか発生することが互いに確認が取れるためループ証明が成立し、手順を省略できる。
詳細な手順は省略するが、バトルゾーンに《ジョット・ガン・ジョラゴン》が2体 (または《ジョラゴン》1体と手札に《ジョギラゴン&ジョニー 〜Jの旅路〜》) で手札に《ポクチンちん》が、山札は固定されている状況を作り出した場合、ループが成立して好きなジョーカーズカードのcipを任意回数だけ使用できるループ。
この場合固定された山札の内容は非公開領域とはいえどうせ公開領域に引きずり出されるため、ループ証明が成立し、手順を省略できる。
だが《アクア・ギャクテンポインター》のループでは、互いが非公開領域を触る上に互いにシャッフルする (=山札の内容が固定されない) ことから、ループ証明が成り立たない。
相手からしたら「《アクア・ギャクテンポインター》をたまたま毎回うまく引き当てているだけで、どこかで《アクア・ギャクテンポインター》以外のクリーチャーを出さない保証はないはずだ」となるし、自分も自分で一向に相手が山札を削りきれないクリーチャーを出し続けていても、「本当に相手はループが成立しないのか保証がない」ループであるため (山札を確認できない都合から、絶対に《天災 デドダム》のようなカードを採用しておらず、かつ絶対にどこかでループ不成立となる要因が出てこないことを相手が証明してくれないといけないため) 、延々とこの処理を続ける必要がある。
つまり証明できないループのためにループに入るとプレイヤーはひたすら坊主めくりとシャッフルを強いられる事になる。
シャッフルしろと効果に書いてあるうえに、シャッフルのせいで効果不成立になる可能性が存在する以上ループはおろかシャッフルの省略さえできない。仮に証明できなかったとして、相手の山札を確認してプランBの計画を練ることもでき (例えば《Volzeos-Balamord》のように、山札ではクリーチャーとみなされないクリーチャーを採用する方法もある) 、無意味なループではないことから遅延行為扱いもできない。よって著しいゲームテンポの阻害を招く事になった。
これが一部大会で使用禁止措置を食らった理由である。一応大会によってはジャッジ (第三者) が互いのデッキ内容を確認したうえで、ループ成立を認めて省略するケースもあるが、公式大会ではそれは不可能である。
おまえが言うな
ちなみに《絶望神サガ》は2枚でようやくループが成立しループ証明でもきる為まだマシと言われるようになってしまった。
しかしこれにも問題点があり、《霧隠オロチ》などの踏み倒しカードを挟むとこの2枚で証明できないループをする為根本的な解決にならない。
また代案として、「シャッフル」しなければよかったともいわれている。シャッフルするせいでループ証明が不可能になってしまっているからであり、シャッフルさえしなければ「じゃあ任意回数繰り返しますね」「あっそれ止まります」「じゃあ止まる寸前までやります」ができるのである。
そんな中公式の出した答えは……
2024年9月30日と僅か10日で「《アクア・ギャクテンポインター》のテキスト不備とお詫びに関して
」とエラッタが出され、cipが「出た時」から「召喚によって出た時」に変更になった。
『デュエマ』に置いて「召喚」というのは多くの場合手札からコストを支払ったり、S・トリガーで出した場合の事で《アクア・ギャクテンポインター》の能力によるタダ出しは「召喚」に分類されない。
よって上記の《アクア・ギャクテンポインター》を使った証明できないループコンボは成立しなくなった。
2025年1月発売の『刺激爆発デュエナマイトパック』でエラッタ後テキスト版が収録されることとなった。
掲示板
27 ななしのよっしん
2024/10/03(木) 21:21:59 ID: 8xUc+FYBfl
《アクア・ギャクテンポインター》は、デザインに失敗しました。
28 ななしのよっしん
2024/10/07(月) 15:30:52 ID: G5KLBkaCst
>>21
過去にはデッキピーピング系(ロストチャージャー、フューチャースラッシュ、ヘルスラッシュ)と、レアリティレジスタンスがある
29 ななしのよっしん
2024/12/01(日) 23:10:59 ID: fohS6XY/nK
もう双極篇辺りから露骨にテキスト内の文字数減らすことに必死になってるんだよね
だからこんな「想定外の挙動」が生まれる
マッハファイター周りのルール変更に関しても「召喚酔いを無視して」の一文を付ければ解決した訳だし
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/08(月) 10:00
最終更新:2025/12/08(月) 10:00
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