オタクくんさぁ 単語

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オタククンサァ

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オタクくんさぁ...とは、日本ロックバンドWANIMAメンバー言っていない台詞である。

概要

初出とその背景

 2017年紅白歌合戦への出場を果たし、今や日本を代表するメロコアバンドとも呼ばれるようになったWANIMA。その底抜けに明るい音楽性やメンバーの強めのビジュアルから、いつしかインターネット上では彼らを「陽キャ」や「リア充」のアイコンのように扱う潮が生まれ、広まっていった。いわゆる風評被害である。

 インターネットの、特にTwitter等のSNSコミュニティを形成していたオタク層の中には、学生時代にスクールカーストの下位に甘んじ、上位の者から虐げられた経験を持つ者が存在している。そんな彼らから見てWANIMAは、まさにスクールカースト上位の存在のファッション文化を顕現させたような存在に映ったのだろう。実際WANIMA要なファンが、まさに現役のスクールカースト上位層で占められていた(ように見えた)ことも、これらの偏見の醸成に繋がった可性がある。

 「オタクくんさぁ…」という表現自体は最初のブームが起こる2018年以前から存在していたが、Twitter上でのWANIMA画像を使って何かを言わせるミームの初出はパソ・コン氏の「おたくさー」とされている。

2018年ごろから徐々に「おたくクン」という表現に変化していき、「おたくクンさー」という今のものと似た表現も登場した参考exit。これらの一連のツイートが第一次ブームのきっかけになったと思われる。

第一次ブーム

 2018年の半ば頃から、ネット民が受けた過去の経験(あるいは想像)を元にWANIMAオタクいじめている・ちょっかいをかけている様のコラージュ画像や大喜利ツイートが作られるようになった(参考exit/参考2exit)。これらはミーム的に広がり、特にWANIMAが閲覧者を「オタクくん」と呼んでいるシチュエーションテンプレートとして固定化した。ここで1回ブームを迎えることになる。

第二次ブーム

 第一次ブームののちもしばらくこのミームは使われ続けた。

 2019年下半期になると再び加速的にブームが広がり、大喜利が量産されるようになっていった。2019年末から2020年初頭にかけて、特にブームは盛り上がりをみせた。この頃になると更に状況の固定化が進み、大喜利に用いられる画像の種類が絞られていき、遂にはほとんどが熊本地震復興支援ドラマ『ともにすすむ サロン屋台村』の公式サイトexitに掲載された、WANIMA熊本地震についてインタビューを受けているときの写真(あるいは『Musicman』誌などがそのサイトについて報じる記事に転載したexit写真)を題材として用いられるようになった。このドラマ主題歌にはWANIMAの楽曲「ともに」が起用されていた。WANIMAメンバー全員熊本県出身であり、この写真WANIMAらが真剣な表情をしているのも故郷を襲った地震やその復について、楽曲に込めた思いを語っているためである。

 内容の傾向としても今までが「満面の笑みのWANIMAが何か嘲るようなことを言う」というものが流だったのに対し、この画像を使う場合は「オタクくんさぁ…」という徴的な出だしから始まり、なにか相手(≒オタクネット民)の言動を叱責したり牽制したりする内容がほとんどになる。以前のWANIMAネタでは理不尽ないいがかりが多かったのだが、この場合は取り上げられる内容もより内省的なものになったり、言われている相手が薄々気付いていそうなことにズバッと言及する系のネタが持て囃されるようになり、様々なジャンル視点からの大喜利が作られるに至った。

 大喜利が広まる過程で、上記のインタビュー画像自体を加工したり、画像をトレースして別のキャラクターに仕立てたり、またWANIMAと対のミームである『三色チーズ牛丼顔』を元ネタとしたコラージュ製作されてバズるなど、界隈が大きな盛り上がりをみせた。同時に出だしを「じゃあなんすか」としてWANIMAが何かに言い返すコラ製作されはじめた。

あくまでも

 念の為付記しておくが、これらのミームはあくまでもネタとして用いられているものであって、決してWANIMAに特別な恨みや偏見を持って接しているユーザーが大半を占めているわけではない。

 コラージュ製作者の中にはツイートにぶら下げで謝意や懺悔を書く人もおり、またポジティブな文脈からの大喜利もなされている。筆者はブームを通じてWANIMAの曲に興味を持ったりファンになったりしたユーザーも一定数確認できた。

 少し乱暴な論評かもしれないが、ネット民が抱えがちな思春期トラウマを、WANIMAという分かりやすいアイコンを通して乗り越えようとしている形が、一連の大喜利群なのかもしれない。

 ただし、本人や復ドラマの関連団体が自由に画像を使っていいと言ったわけではなく、「元は偏見から生まれている」「勝手に他人に言わせている台詞である」という性質上、このミームを嫌う人もいるということには注意を要する。

関連動画

上記の、熊本地震支援ドラマ『ともにすすむ サロン屋台』の主題歌に起用されたWANIMAの楽曲「ともに」の公式MUSIC VIDEOWANIMA公式Twitterアカウントツイートからの引用

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最終更新:2024/10/16(水) 05:00

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