オーボエ単語

オーボエ

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オーボエとは、木管楽器の一種である。
上下に重ねた二枚のリードを持つことからダブルリード楽器という。

英語では「Oboe」と書き「オーボー」と発音する。略称は「Ob」。

元々はフランス語らしく、フランス語では「hautbois」と書き「オーブワ」と発音する。

概要

オーボエの外見は同じ木管楽器仲間であるクラリネットと非常によく似ている。色も大きさもそっくりなので、
が悪い人やオーボエの名前を聞いたことがい様な人では恐らく遠くから見ただけでは違いが分からないであろう。

クラリネットとの(外見上の)最大の違いは、演奏する際に奏者が口を付ける部分。つまり管体上部に取り付けるリード部分の形状である。クラリネットは1枚のリードを管体に貼り付けるようにして固定するのに対し、オーボエは2枚のリードを重ねて金属性のチューブと組み合わせ、ストローの様な形状にしたリードを管体上端に挿しこみ演奏する。
ようは、奏者が口を付けている部分が細ければオーボエ、太ければそれはクラリネットなのである。

オーボエは楽器進化歴史上、他の楽器とは異なり多くの困難を乗り越えてきた楽器であり、それ故にキーメカニズムが非常に複雑に出来ている。大小合わせて400~500もの部品で構成されており、まるで一種の精密機器のような楽器である。

精密機器と呼ばれる所以はパーツの多さからだけでなく、バランス調整の難しさや気変動によるの受けやすさなどもある。構造が単純な楽器では、ゆるんでしまったネジは単純に締めればいいだけなのだが、オーボエの場合はそうはいかない。
ネジがちょっと飛び出てるからと言ってうっかりそのネジを回しすぎると途端に音が鳴らなくなる、音程がおかしくなる等という事態に発展する。よほど楽器に詳しくない限りオーボエのネジには触れるべからずである。楽器バランスに疑問を感じた時は素直に専門に任せよう。

変動によるというのは、例えば学生部活動などで遠方へ合宿をしに行く際に、合宿先が普段の練習している地域より標高が極端に高かったり低かったりすると、気圧の関係で一部のキーが開きすぎたり塞がってしまったりして、合宿先に着いていざ楽器練習をしようと思ったらまともに楽器が鳴ってくれない等といった事も起こりうる。
またオーボエの上管は非常に細い上に、上記の様に大量のパーツが刺さっているため、温度変化にも弱く、急に暖めたり冷やしたりすると簡単に割れてしまう。
特に場、楽器が冷え切っている時に他の管楽器みたいに息を吹き込んで暖めようとすると、内側の膨しようとすると外側の冷えて収縮しようとするがぶつかり非常に割れやすいので、焦らず暖かい手のひらで徐々に管体を暖めてあげよう。

ここまで書くと悪いことばかりにも思えるが、良いこともある。普通管楽器楽器温度が高ければピッチ音程)は高くなり、温度が低ければピッチが低くなるという避けられない物理があるので、楽器温度に応じて管の長さを長くしたり短くしたりして音程を調整(チューニング)する。しかしオーボエは他の管楽器べればそういった温度変化のが少なく、管の長さを調整してチューニングするということは一般的にしない。
というより管体が円錐形をしているので接続部分の長さを変えると円錐形が崩れ正確な音が鳴らなくなる上に、上管・下管・ベルそれぞれの接合部分に上下連結されているキーがあるため、管を抜くキーが連動しなくなる。
温度変化によるピッチの変化はリードの咥え方、息の圧などで微調整してしまう。慣れてしまえばチューニングいらずの便利な楽器なのである。とはいえ、初心者にはこの微調整が難しく、非常に音程の定まらない演奏になりかねず、諸刃の剣ともいえるのだが。

オーボエの音色は女性の歌に最も近い美しい音色と言われることもあるが、そのような美しい音色を出すにはある程度の習練が必要である。また使用する楽器リードによって大きく音色が異なるのがオーボエの特徴でもある。
チャルメラのようないた音色を出すオーボエもあれば、しっとりとして甘美な音色を出すオーボエもある。
ここら辺は全に楽器リード特性であり個人の好みでもあるので、「チャラチャラした音だから下手」だとか、
「なんかねっとりしててキモイ」などと批判するのはお門違いである。因みに日本では“しっとりとした柔らかい音色”を好む人が較的多い。

オーボエの音色が上記の様に他の楽器べて特徴的なことから、オーケストラ吹奏楽ポップス、演歌など様々なジャンルソロの多い楽器でもある。極論すれば「オーボエはソロさえちゃんと吹ければ、あとはなにも吹かなくてもいい」と言えてしまう程ソロが多く、またユニゾン部分での存在感が薄い楽器である。
「みんなと一緒がいい」ではなく「みんなと違うからいい」がオーボエ奏者の一般的心情。
故にオーボエ奏者は非常に個性的な人が多い様に感じる。

ソロが多くメロディーを担当することも多いことから、TV、商店、病院などで日常的にオーボエの音をにする機会は非常に多い。それなのに、世間一般では余り知られていないという悲しい遇にある楽器

オーボエを演奏する際には、非常に高圧の息を細いリードから管体に吹き込まなければならず、慣れないうちはまるで堅いゴム風船を膨らまそうとしているかのような吹奏感を覚える。またブレスコントロールが難しいため、他の木管楽器べ、音量調整には一苦労だ。しかし慣れると少量の息で楽器が鳴らせることから、長時間呼吸での演奏が可になる。長いフレーズでもブレスを気にせず演奏出来るのはオーボエの長所の一つでもある。循環呼吸といった高度な技を習得すれば、息継ぎしでの演奏も可となる。

オーボエの値段は、他の楽器べると「安くもないが、高くもない」楽器である。相場にもよるが、新品ならば大体40万円~200万円位で買うことが出来る。新品で30万を切る廉価な楽器はあまり買わない方がいい。
キーが足りず奏法に支障をきたしたり、まともな音色で鳴ってくれなかったりする。数万円などといった値段で簡単に買うことは出来ないが、どこぞの楽器みたいに良いものは何千万円~何億円といったこともないのである。

最後に今まで述べてきた様な事情や、ここには書かなかった様々な要因(リード作製の難しさや運の難しさ等)も含め、オーボエは「世界で一番難しい木管楽器」としてギネスブックに載っている。

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最終更新:2024/03/29(金) 01:00

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