ツラゲとは、元広島東洋カープ・阪神タイガースの新井貴浩が放つ併殺打、および彼が1イニングに2つのアウトに絡むプレーである。
新井は阪神移籍後から併殺打が急増(09、11年は最多併殺)しており、またよりによって同点や1点差の無死一塁や一死で得点圏に走者を置いている時にしばしばやらかしてしまうことから、いつしかこのような言葉が使われるようになってしまった。
一塁に走者を置いて、二塁アウト、一塁セーフの場合は「ツラゲ未遂」と呼ばれる。併殺とは無関係だが、無走者でセカンドやショートの正面に打球が転がってアウトになった場合も「ツラゲ未遂」とされてしまう。非常にレアケースだが、1イニングに2回の打席が回ってきて、2回とも凡退することがあり、これも「一人ツラゲ」と呼ばれる。
一応彼の名誉のために言っておくと、本拠地が旧広島市民球場から阪神甲子園球場に変わったことで、本塁打狙いで振り回すスタイルから打率重視で当てにいくスタイルに変更したことが併殺打増加の一因だと指摘されることがある。ただし広島時代の2003年にも最多併殺は記録している。
また、第一次広島時代・阪神時代共に彼の先代で4番を打っていた選手がよりによって通算わずか96併殺・1002打席連続無併殺記録保持者の金本知憲であったことから、必然的に彼の併殺打が金本との比較で他の選手よりも話題にされやすかったという不運もあったと思われる。しかし新井も新井で通算242併殺は歴代6位、平成以降入団選手に限ると中村紀洋に次ぐ2位と、金本以外の選手と比べてもだいぶ多かったのは事実である。
なお、2011年は打点王・併殺王・失策王の三冠を達成。金本に「祝三冠王 新井貴浩」というTシャツを作られてネタにされている。
上記の通り併殺打が多いだけならまだしも、新井は斜め上な形で併殺(記録上併殺打にはならないプレーを含む)に絡むことも多く、それがこの言葉と共に彼のネタ度を高める要因となっている。そうしたプレーを変則ツラゲと呼ぶ。
以下にその例を紹介する。
・2011年8月28日 対東京ヤクルトスワローズ戦(甲子園)
3回裏1アウト1,2塁での新井の打席で、由規のワイルドピッチによって1アウト2,3塁に。誰もがツラゲは回避されたと思った。しかし、 新井の打球はショートゴロとなり、川島慶三 が捕球して本塁に送球。 挟まれている間に2塁走者鳥谷敬が3塁に到達したことで、平野は逃げるのを止めてタッチアウトにされる。ところが、平野のランダウンプレイの間に新井は2塁を狙って1塁を回っており、それに気付いた川本良平が2塁に送球。結果、新井は2塁でタッチアウトになり、誰もが予想しなかった斜め上を行くツラゲを完成させた(記録上は遊ゴロ+走塁死)。
変則ツラゲは9:20頃から。
・2012年8月18日 対東京ヤクルトスワローズ戦(神宮) 「三振ツラゲ」
9回表1アウト1塁、0-1の1点ビハインドという最後のチャンスで新井という、誰もがツラゲの予感(と前日の2HRから来る僅かな期待)を感じながらの打席を迎える。そしてマウンド上の守護神トニー・バーネットが投じた6球目を新井は空振り三振、それと同時に、エンドラン命令によって1塁走者大和は盗塁を仕掛けていた。捕手の中村悠平はすかさずセカンドに送球、大和は間に合わず走塁死、試合終了。 (記録上は新井の三振+大和の盗塁死)
ツラゲは8:50頃。
・2012年8月19日 東京ヤクルトスワローズ戦(神宮) 「一人時間差ツラゲ」
前日の三振ツラゲの怒り興奮が冷めやらぬ中、8回裏に福原忍が追い付かれ1-1の同点で迎えた9回表、先頭打者として新井が登場、バーネットの前に平凡な二ゴロに倒れる。だがその後、平野恵一がヒット、ショート山田哲人の悪送球を挟んで二塁へ、さらに藤井彰人 が遊ゴロ進塁打、バーネットの暴投で阪神が貴重な1点をもぎ取った。ここから阪神の打線が目覚め、代打の桧山進次郎が続けて出塁すると阪神が5連打で5点を追加する猛攻でヤクルトを攻め立てる。しかし、この押せ押せムードの中再び登場した新井はセンターフライに倒れ、1イニングに1人で2アウトを献上してしまった(もうひとつのアウトを献上した藤井は最低限の仕事はしており、このイニングで何も貢献していないのは新井だけである)。
まず1回表に弟の新井良太が、4回表に兄の新井貴浩がそれぞれツラゲ。
・2012年8月21日 対中日ドラゴンズ戦(京セラD) 「3試合連続変則ツラゲ」
二夜連続変則ツラゲで盛り上がってから移動日を挟んだ中日戦。1-0で1点ビハインドの9回裏、阪神は中日の抑え山井大介を攻め立て無死1,2塁(2塁柴田講平、1塁俊介)のチャンスで新井に打席が回る。ベンチからのサインは送りバント。18日に同じ状況で畠山和洋の好守もあってバントを失敗しており、再びファンの不安が募る。しかし投じられた1球目、ど真ん中の球をバント空振りしてしまい、ここで柴田が飛び出し三塁でアウト(記録は盗塁死)。1死1塁となりその後ヒッティングに切り替えたが落ちる球に三振。
なお、変則ツラゲに関しては必ずしも全て新井が悪いということはなく、上記の通り走塁のミスが要因となっている場合が多い。そのため、変則ツラゲが出るような状況ではチーム状態自体が悪いと見た方がいいかも知れない。
・2014年4月10日 対横浜DeNAベイスターズ戦(甲子園)「一人トリプルプレー」
トリプルツレーとも呼ばれる。
6回裏、阪神は3点差から同点に追いつき、なおも無死1,3塁の好機に、投手金田和之の代打に新井を送る。DeNAの投手三嶋一輝が投じた初球は捕手高城俊人が大きく弾き、転々と転がった。これを見た3塁走者の新井良太はホームに突っ込むも、タッチアウト。ここで1死2塁となる。(この時、兄・新井も渾身のリアクション芸を見せる)
その後、3球目で新井はショートへのゴロを打つが、この時2塁走者の鶴岡一成が遊撃手の守備を妨害したとして守備妨害が取られ、鶴岡がアウトに。同時に新井は1塁への進塁が認められ、2死1塁となる。この時点で変則ツラゲが完成していたが、これだけでは終わらなかった。次の打者、福留孝介の打席で三島の低めの直球がワンバウンドし、高城は取り損ねるも正面から体で止めたため暴投にはならず、それを確認した福留は1塁走者新井へ静止のサインを見せた。しかし、なぜか新井は既に2塁へスタートを切っており、結果ツライディング盗塁失敗。3アウト。新井が一人で3つのアウトに絡むことになってしまった。
ここである試合を紹介しよう。
2012年の交流戦、甲子園で行われた5月27日の阪神対西武戦である。
7回裏、西武は2-1と1点をリードして西武の中継ぎにスイッチ。二番手の長者こと長田がマウンドに上がったが、ブラゼルが同点ホームランを打ち2-2の同点になる。
8回裏、同点のままゴン者ことゴンザレスが登板。挨拶代わりの四球からバントで1アウト2塁。さらに内野安打とフォアボールで1アウト満塁となり、新井を打席に迎えた。その結果は……。
掲示板
78 ななしのよっしん
2021/01/02(土) 21:54:15 ID: zMrkS/6Mmu
CMでもツラゲ、しかもよりによってリアル野球BAN中に流されてしまうw
79 ななしのよっしん
2021/02/16(火) 23:59:28 ID: KDKvsFYPNH
プロスピAのCMでのツラゲは1アウト1・3塁からのゲッツーというまさに伝統芸能、様式美と言わざる得ないゲッツー
80 ななしのよっしん
2023/04/01(土) 12:26:26 ID: i0r6XtWuCs
ついに監督として開幕戦から変則ツラゲが…
選手達に伝染しなくていいから😭
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/21(土) 21:00
最終更新:2024/12/21(土) 20:00
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