ナタル・バジルール

ナタル・バジルールとは、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』の登場人物である。CV:桑島法子

概要

C.E.46年12月24日生まれのナチュラルの女性で、血液型はAB型。身長174cm、体重60.5kg。作中時の年齢は25歳。初登場時の階級は少尉だったが、地球降下後は中尉に昇進し、最終的には少佐となった。代々続く軍人の家系の出身で、自身も地球連合軍に所属する士官。

絵に描いたような職業軍人であり女性らしい色気や口調は殆ど見られない。規律に厳しく、非情な判断を下す事も多いため、優しい性格かつ優柔不断なマリュー・ラミアス大尉とたびたび意見を衝突させる。ただ階級ではマリューの方が上のため、命令であればちゃんと従う。下戸らしく酒に弱い描写がある。

作中では

元々彼女はアークエンジェルに乗艦する一介の士官に過ぎなかった。しかしC.E.71年1月25日、着任のため向かったヘリオポリスでクルーゼ隊の襲撃に巻き込まれ、彼女自身は命を取り留めたものの艦長以下正規のブリッジ要員が全滅してしまう。生き残った者の中で比較的階級が高かった彼女はなし崩し的に副長の座に就く。以降、アークエンジェルの副長としてマリュー艦長を補佐して死地をくぐり抜けて行く事となる。数々の危難に遭遇しつつも、時には彼女の的確な指示が艦を救った。ただ軍の利益を最優先とする彼女の思考はアラスカ基地の軍司令部に似通っており、現場主義のデュエイン・ハルバートン准将からは嫌われていた。

満身創痍になりながらも、5月2日に地球軍本部アラスカ基地へ到着。ウィリアム・サザーランド大佐の査問会を受けた後、5月8日に人事部から転属命令を受け、古巣のアークエンジェルを離れる事になる。転属前、ナタルはマリューらと別れの挨拶を交わした。たびたび意見は対立していたものの、別れる際にはマリューへの情と惜別の念を見せた。ナタルを乗せた潜水艦はアラスカを出港したが、その直後にザフト軍によるアラスカ急襲が発生。艦内でアークエンジェルが捨て駒にされた事を知り、マリューたちの生存を絶望的だとショックを受けた。

6月2日、少佐へと昇格した彼女は月面プトレマイオス基地で新造艦ドミニオンの艦長に着任。アークエンジェル時代と変わらぬ厳しい訓練で乗組員を鍛え上げていた。7月3日、ドミニオンにフォビドゥン、レイダー、カラミティの3機が配備され、オブサーバーとしてムルタ・アズラエルが乗艦。そして、初任務としてコロニーメンデルに潜む脱走艦アークエンジェルの討伐を命じられるのだった。かつての仲間たちが生きていたと内心喜びながらも、軍務に忠実な彼女は私情を捨ててアークエンジェル撃沈を決意する。

7月12日、メンデル近海でアークエンジェルと交戦。葛藤しつつも自慢の指揮能力を発揮し、アークエンジェルに命中弾を与え続ける。指揮下に入った後期GAT-Xシリーズへの指揮も的確で、アズラエルの「フリーダム捕獲」の無茶振りにも応えようとした。エターナル追撃に現れた敵軍のクルーゼ隊と偶然挟撃する形となり、戦況は優位に進む。そんな中、クルーゼ隊より捕虜となっていたフレイ・アルスターが返還され、国際救難チャンネルで彼女の声を聞いたナタルはオルガに命じてポッドを回収。フレイの命を救った。しかしエターナルの奇策によりクルーゼ隊が突破され、アークエンジェルには逃げられてしまう。追おうにもクルーゼ隊が進路を阻んでいるため追撃を断念。一度、月基地に帰投した。

9月11日、地球軍はプラント本国を直接攻めるエルビス作戦を発動。ナタル率いるドミニオンは地球軍艦隊の旗頭としてプトレマイオス基地を出撃。9月23日にザフト軍の宇宙要塞ボアズを攻撃し、3機の後期GATシリーズの活躍で突破口をこじ開け、そこへ核魚雷搭載のピースメーカー隊が突入。核攻撃で瞬く間に陥落させた。勢いづく地球軍は更に侵攻を続け、9月26日に第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦が生起。プラントに核攻撃を行おうとしたが、突如現れたアークエンジェルら三隻同盟の妨害で失敗。また核攻撃に憤慨したザフト軍は最終兵器ジェネシスを起動させ、一撃で地球軍艦隊の40％を葬り去る。大損害を受けて浮足立つ味方に指示を飛ばしながら、ナタルは残余の艦艇を率いて撤退。その際のローエングリン発射でナスカ級1隻を沈めている。宙域にて体勢を立て直し、再度侵攻を開始。月基地からは増援が出発していたが、その増援もろともジェネシスで月基地を粉砕され、地球軍は宇宙における唯一の拠点を喪失。もはやプラントを降伏させる以外に生き残る道が無くなってしまう。ナタルが指揮するドミニオンは、マリューが指揮するアークエンジェルと交戦。まるで鏡に映った光景であるかのように両艦激しく撃ち合った。ところがナタルの奮戦むなしく、フリーダムやジャスティスとの戦闘でフォビドゥンとカラミティを、デュエル及びバスターの攻撃で核魚雷を積んだアガメムノン級戦艦を全て失い、地球軍に勝ちの目は無くなった。

戦闘中、アズラエルはローエングリンを発射するよう命令。それに反発したフレイがアークエンジェルをかばう言動を取り、腹を立てたアズラエルがフレイに暴行。更に射殺しようと銃口を向けたため、とっさにナタルはアズラエルに掴みがかる。ここで最期を悟った彼女はクルーへアークエンジェルに行くよう指示し、自らはアズラエルとともにブリッジに閉じこもった。閉じ込められて激昂したアズラエルに拳銃で何度も撃たれ、苦悶に歪むナタル。アズラエルはローエングリンを起動してアークエンジェルを沈めようとしたが、ムウの捨て身の防御により失敗。最期は反撃としてアークエンジェルから放たれたローエングリンに艦橋を吹き飛ばされ、アズラエルごと戦死した。9月27日の事だった。

ちなみにSEEDの楽曲を担当している佐橋俊彦はナタル好きとの事。

余談

実は操舵手のノイマンから好意を抱かれていたがナタル本人は気付かず、ノイマンも切り出せなかったため
進展は無かった。しかしながらGBA専用ソフト「機動戦士ガンダムSEED 友と君と戦場で。」ではIFシナリオとしてノイマンがナタルに告白する展開がある。また同作には条件を満たすとナタル生存ルートに分岐。フレイたちとともにドミニオンを脱出し、アズラエルが艦首砲ローエングリンを起動させてアークエンジェルを狙っている事を伝える。そのおかげでアークエンジェルは先手を打ち、ドミニオンを撃沈した。帰還したナタルをマリューが出迎えるシーンがあるものの、短い。

関連項目

• 機動戦士ガンダムSEED
• ガンダムシリーズの登場人物一覧