ブエルタ・ア・エスパーニャとは、世界三大レース「グランツール」の最終戦。開催時期は八月末より3週間。通称はブエルタ。ジロ同様にブエルタは「一周」という意味にしかならないのだが、もう一つブエルタからスタートするプロツアーレースに「ブエルタ・ア・パイスバスコ」があるものの、こちらは日本での呼称が「バスク一周」で定着しているためブエルタ=ブエルタ・ア・エスパーニャで確定する。
一応年間3回しか無いグランツールの3戦目…なのだが知名度も盛り上がりもいまいち悪い。理由としては
①グランツールのうちもっとも歴史が浅いこと。
②スペイン内戦での中断など90年で79回の開催にとどまっていること。
③スポンサーのために各リーダージャージの色をコロコロと変えること
④世界最高のドMレースであるジロ、世界最大のレースであるツールに比べるとコレと言ってインパクトのある冠詞が無いこと。
⑤直後(10月)に世界選手権があり、それを狙う選手は回避したり早期リタイアすることが多いこと。
⑥日本人選手の参加が少ない(ツールが4人延べ11回、ジロが9人延べ18回に対し、ブエルタ3人延べ6回。)
など否定的な単語がずらずら並んでしまう。
ただツールほどではないがスプリンターにポイント賞のチャンスがある、ステージ自体の距離が短く各ステージで全力勝負が見やすい、タイムトライアルも短いので純クライマーにもチャンスがあるなど、面白い要素もてんこ盛りである。グランツールの最終戦ということで、今年結果を残せなかった選手や怪我明けの有力選手が最後の勝利を狙いに来るため、気が付いたらほかの二つより面子が豪華になっていた…なんてこともある。
スペインと言えば山だが、ブエルタでは山岳コースが厳しいうえに多い事が有名。特に山頂ゴールが多く、途中には山頂ゴールが連続する地帯がもうけられ、エース同士の一騎打ちが大きな見物となっている。平坦ステージと銘打っておきながらラスト数百メートルに激坂が待ち構える、通称「平坦詐欺」もお約束。
前述のとおり、長らく日本人に忘れられてるかのように、まだ日本人で出場したライダーが居なかった。2010年は別府史之、新城幸也の2名が出場を予定していたものの、別府はチーム自体がブエルタに招待されず、新城は既にジロ・ツールと走っている疲労を考慮して回避の方向でスケジュールが組まれた。2011年は、8/9にスキル・シマノから土井雪広選手の出場が決定!!日本人初出場初完走を決めた!
2015年、新城幸也がユーロップカーから出場。第13ステージでの逃げなどで躍動し、全21ステージを総合65位で無事完走した。これにより新城は「ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ」のグランツール全てで完走を果たした日本人初のライダーとなった。
ちなみに「茄子 アンダルシアの夏」の舞台がこのブエルタ・ア・エスパーニャ。
4種の賞が設定されており、各賞ごとにランキングがある。前日のステージ終了時点で各賞のトップにいる選手にはリーダージャージと呼ばれる各賞に応じたジャージの着用が許され、最終日の終了時点でジャージを着用している=ランキング1位の選手に賞が与えられる。
総合優勝にあたるのがマイヨ・ロホ。ステージ全てを通してかかったタイムが最も短い選手に与えられるもので、最高の栄誉である。
他に、スプリントポイントと呼ばれるポイントが一番多かった選手にはプントス(ポイント賞)が、
山岳ポイントが一番多かった選手にはモンターニャ(山岳賞)が与えられる。主にプントスがスプリンター、モンターニャがクライマー向けの賞である。
25歳以下の選手で最も総合順位が高い選手にマイヨ・ブランコ(新人賞)が贈られる。新人賞とはいっても条件が年齢なため同じ選手が複数回受賞できることからヤングライダー賞と呼ばれることもある。2017年に創設され、2019年に後述のコンビナーダと入れ替わる形でジャージを争う賞になった、比較的新顔の賞である。
かつては総合順位、ポイント賞順位、山岳賞順位の3つの順位の合計が最も少ない者に贈られる複合賞「コンビナーダ」が存在したが、2018年をもって廃止された。1989年にツールで、2006年にジロで廃止されて以降も存続していたが、これをもってすべてのグランツールから複合賞は姿を消した。
| 回数 (施行年) |
総合優勝 |
ポイント賞 | 山岳賞 | 複合賞(~2017) 新人賞(~2018) |
|---|---|---|---|---|
| 第102回 (2015年) |
ファビオ・アル(1/1)
|
アレハンドロ・バルベルデ(3/4)
|
オマール・フライレ(1/1) |
ホアキン・ロドリゲス(1/1) |
| 第103回 (2016年) |
ナイロ・キンタナ(1/1)
|
ファビオ・フェリーネ(1/1)
|
オマール・フライレ(2/2) |
ナイロ・キンタナ(1/1)
|
| 第104回 (2017年) |
クリス・フルーム(2/2) |
クリス・フルーム(1/1)
|
ダヴィデ・ヴィレッラ(1/1) |
クリス・フルーム(1/1)
|
| 第105回 (2018年) |
サイモン・イェーツ(1/1)
|
アレハンドロ・バルベルデ(4/4)
|
トマス・デヘント(1/1)
|
サイモン・イェーツ(1/1)
|
| 第106回 (2019年) |
プリモシュ・ログリッチ(1/4) |
プリモシュ・ログリッチ(1/1)
|
ジョフリー・ブシャール(1/1) |
タデイ・ポガチャル(1/1)
|
| 第107回 (2020年) |
プリモシュ・ログリッチ(2/4) |
ギヨーム・マルタン(1/1)
|
プリモシュ・ログリッチ(1/1)
|
エンリク・マス(1/1) |
| 第108回 (2021年) |
プリモシュ・ログリッチ(3/4) |
ファビオ・ヤコブセン(1/1) |
マイケル・ストーラー(1/1)
|
ジーノ・マーダー(1/1) |
| 第109回 (2022年) |
レムコ・エヴェネプール(1/1)
|
マッズ・ピーダスン(1/1)
|
リチャル・カラパス(1/1)
|
レムコ・エヴェネプール(1/1)
|
| 第110回 (2023年) |
セップ・クス(1/1) |
カーデン・グローブス(1/2)
|
レムコ・エヴェネプール(1/1)
|
フアン・アユソ(1/1) |
| 第111回 (2024年) |
プリモシュ・ログリッチ(4/4) |
カーデン・グローブス(2/2) |
ジェイ・ヴァイン(1/1) |
マティアス・スケルモース(1/1) |
最多総合優勝……4回
ロベルト・エラス、プリモシュ・ログリッチの2人が1位タイ。プリモシュ・ログリッチは現役選手で2024年に4勝目を挙げ、5勝目にも意欲を見せている。
最長連覇……3連覇
トニー・ロミンゲル(1992-1994)、ロベルト・エラス(2003-2005)、プリモシュ・ログリッチ(2019-2021)が達成。
最年少総合優勝……22歳7か月
レムコ・エヴェネプールの2022年の記録。この2週間後、UCI世界選手権に出場し、男子ロードレース部門で優勝した。
最年長総合優勝……41歳11か月
クリストファー・ホーナーの2013年の記録。ブエルタのみならずグランツール全体でも最年長。
最多ステージ優勝……39勝
デリオ・ロドリゲスが1936年~1947年にかけて達成。1945年には総合優勝もしている。
掲示板
8 ななしのよっしん
2015/08/23(日) 18:57:56 ID: zCdarUCKsX
2015年大会はユーロップカーの新城幸也選手が出場!TDFのリベンジとばかりに気合十分!がんばってほしい。
9 ななしのよっしん
2016/11/14(月) 21:12:41 ID: O26bcFGNgr
詳しい人に聞きたいんだけど、ブエルタ・ア・エスパーニャのDVDって2006年~2010年のものしかないの?
出来れば最近のやつも見たいんだが。
10 ななしのよっしん
2025/09/19(金) 11:39:45 ID: BqLNozshHo
デモ隊が押し寄せて最終日のゴールはおろか表彰式もなくなったとか
更に政府も一枚噛んでる疑惑も出てなんじゃそりゃと
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/12(金) 22:00
最終更新:2025/12/12(金) 22:00
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