僕らの夏の夢とは (ボクラノナツノユメとは) [単語記事]

概要

　これまで仕事やプライベートの上でアニメーション映画と関わりがなかったことや主題歌の依頼が来た当時ツアー中（Performa nce2008－2009）で、ツアーが終了してから作っても締め切りがギリギリになってしまうことから、依頼を断ろうと考えていた。しかし、スタッフに完成前の映像を見せられて、作品の魅力や美しさに魅了され、さらに女性音楽プロデューサーに「主題歌を引き受けてもらえない時は、インストゥルメンタル（歌なし）にします」と言われ、引き受けることにした。

　歌詞の「零戦が空を飛ぶ」については、第2次世界大戦中上田市に陸軍の飛行場や特攻隊の基地があったことをモチーフにしている。奇しくも14年後、この映画の主人公を演じた神木隆之介は、『ゴジラ-1.0』にて元特攻隊員の主人公を演じることになり、実際に劇中にて零戦に搭乗する場面がある。ゴジラを倒したのは震電だけどな。

　曲を作り上げる上で、山下達郎自身も細田守監督と同様一人っ子であり、一人っ子のメンタル的な共感が大きかったとインタビューに答えている。

　これら3曲は、35周年記念ニューアルバム「WooHoo」（発売日未定）に収録される予定であったが、2011年3月11日14時46分に発生した未曾有の大災害東日本大震災により、構想を変更。
ミューズとアトムの子のライブバージョンの収録は見送られ、表題曲の『僕らの夏の夢』のみが収録された(よって、この2曲は現在では「ANGEL OF THE LIGHT」とともに数少ないアルバム未収録曲となってしまったが、「ANGEL OF THE LIGHT」が14th アルバムの『SOFTLY』に収録されたため、「ミューズ」に至ってはシングル曲オリジナル作品としては2024年現在唯一の完全なアルバム未収録曲となってしまった）。
また、アルバムタイトル自体も「希望という名の光」の一説から採られた『Ray of Hope』と改められた。
さらにその次の年に発売されたオールタイムベストアルバム『OPUS』にも収録されている。
ヤマタツ初心者がこの曲を聴きたいのであれば、是非ともOPUSの購入をおススメしたい。

　山下達郎にとって、長編アニメーション映画に曲を書き下ろすのは、34年間にも及ぶキャリア生活（当時）の中でこの曲が初めてとなった（アニメ自体は初めてではなく、NHK『アガサ・クリスティーの名探偵ポアロとマープル』に曲を提供したことがある）。この後、細田守作品では『未来のミライ』にて再び主題歌を担当することとなり、未来～においてはサマーウォーズでの細田の力量を認めてか、2曲もボーカル曲を提供している。

　2010年 7月30日より上田電鉄別所線・上田駅の発着音に期間限定で使用された。また、同駅には山下達郎をモチーフにした特別アバターの立看板が設置された。

　若者人気の高い映画のテーマソングで、若い達郎ファンに人気のある楽曲でもあるため、2024年現在に於いてもライブ演奏は比較的多い傾向にあり、発売直後のPerforma nce2010で5曲目に演奏されて以降、2～3年程度の周期でセットリスト入りしている。RISING SUN ROCK FESTIVALでの演奏もあり、2010年、2014年、2018年の出演回全てで演奏されている。中でも、2018年の出演時には別の細田映画のテーマソングとなった「ミライのテーマ」の直後に演奏されている。