G -1.0
生きて、抗え。
ゴジラ-1.0とは、2023年11月3日公開の日本映画である。
北米でも、『GODZILLA MINUS ONE』のタイトルで12月1日より公開。
2024年1月12日には全編をモノクローム編集した特別版『ゴジラ-1.0 マイナスカラー』が期間限定公開され、同年4月19日には応援上映会も実施予定。
-史上最悪の“絶望”が襲来する-
国産実写ゴジラ30作品目の記念作となると同時に、ゴジラ生誕70周年記念作品でもある。
それに加えて令和に入ってから最初の国産ゴジラ映画ともなる。
監督は『三丁目の夕日』シリーズや『アルキメデスの大戦』、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』等を手掛けた山崎貴が担当。
本作の撮影はコロナ禍の2022年2月に翌年公開予定作品として、“超大作怪獣映画”のエキストラ募集が開始され、一時「ゴジラの新作か?」と話題になったものの、その時は監督が明かされただけでゴジラ映画か否かは明かされなかった。撮影は約3か月ほど行われ、22年6月中旬ごろにはクランクアップしたと報じられている。
後に22年11月3日のゴジラ・フェスにて、新作短編の「ゴジラvsガイガンレクス」や「フェス・ゴジラ3 ガイガン来襲」の公開の後にGodzillaのGを模したロゴマークが公開され、本作の存在が明かされ「とてつもないゴジラを目指す」という監督のコメントが公開された。
その後しばらく情報は無かったが、2023年6月12日に謎のTwitterアカウントが開設され、その日から前作『シン・ゴジラ』から時代を遡る形でゴジラ映画を紹介していく形を採っており、ファンの間では計算上『ゴジラ(1954年)』の紹介が行われるであろうウルトラマンの日にあたる7月10日前後に何かしらの情報が解禁されるとの見方が強まった(7月10日はゴジラ産みの親の一人である円谷英二の戸籍上の誕生日でもある)。
そして来る7月11日、翌朝12日午前4時の特報解禁がアカウントにて予告され、本作のティザー映像および正式なタイトルも公開された。
主演には『GHOSTBOOK おばけずかん』で山崎作品に出演し、ゴジラ映画には初出演となる神木隆之介が据えられ、ヒロイン役を浜辺美波が演じる。この組み合わせは偶然にも同時期のNHK朝ドラの『らんまん』と同じである。
この他に吉岡秀隆のように山崎作品にお馴染みの顔ぶれだけでなく、佐々木蔵之介・山田裕貴・青木崇高・安藤サクラらも出演する。
同年11月8日には山崎監督本人が執筆したノベライズ版も刊行されている。
本作最大の特徴として、シリーズで初めて『ゴジラ(1954年)』の公開年にしてこれまでのゴジラ誕生の基準とされてきた1954年よりさらに7年近く遡った第二次世界大戦終結から約2年後の1947年頃の日本が舞台となっている[1]。
その内容も、徹頭徹尾冷静かつ論理的にゴジラの対処に当たった政治家と自衛隊員の活躍が中心の政治劇としての側面が強かった前作『シン・ゴジラ』とは対照的に、本作はほぼ全編に渡って主人公を含めた民間人(あるいは元軍人)の視点のみ[2]で物語が進められて行く。
それだけなら過去のゴジラシリーズでも別に珍しいものではなかったが、本作ではその無力な一般人でしかない人間達が終戦直後の自衛隊(54年版でいう防衛隊)はおろか自衛隊の前身である警察予備隊もまだ組織されていない無防備な状況の中で現れたゴジラという未知の強大な存在によって翻弄され、その災禍の末に突きつけられる圧倒的な恐怖、悲哀、そして絶望を描いた極めてハードかつシビアなドラマで構成されており、ゴジラが暴れるパートにおいてもゴジラの破壊活動によって大勢の人間の命が奪われていく様が直接的に映されるショッキングなシーンも多いなど、シリーズ全体で見ても1954年の『ゴジラ』と同等かそれ以上に重苦しく、緊迫感に満ちた作品となっている。
一方で、そんな絶望的な状況を乗り越えて残された者達が日本の未来を守るために今持てる全ての力を合わせてゴジラに立ち向かっていく姿も描いた決してただの悲劇で終わらない感動作に仕上がっている。
加えて昭和レトロおよびミリタリー物を得意とする山崎氏らしく、遠くなって久しい昭和時代の日本の雰囲気、旧日本軍の兵器を限りなく正確に再現して描いて見せている点も本作の大きな見所となっている。
監督を務める山崎貴がゴジラを演出したのはこの作品が最初ではなく、2007年の『ALWAYS 続三丁目の夕日』の冒頭でCGを用いたゴジラを出演させたのが最初となる。この時期は丁度本家ゴジラシリーズが休止期間であったため、久々に邦画スクリーンにゴジラが現れた事例となっていた。
その後、2021年5月19日に埼玉県所沢市の西武園ゆうえんちのリニューアルオープンに合わせて稼働したライド型としては世界最初となるアトラクションの『ゴジラ・ザ・ライド』において短編映画並みの本格的なゴジラを演出している(ライド型以外のアトラクションは西日本でこれより先に複数あった他、過去にサンリオとのコラボもあったが当然山崎は関与していない)。
こちらには、ゴジラの他にキングギドラも登場しており、このアトラクションのためにデザインされたオリジナルのゴジラのフィギュアなども販売されている。
本作に登場するゴジラのデザイン面に関しても、先に作られていたライド版ゴジラとの類似性が指摘されている。
ちなみに山崎自身はシリーズの中で2001年公開の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』がお気に入りとしており、『続三丁目の夕日』に登場したゴジラのデザインはその2001年版ゴジラのイメージに近いものとなっている。
公開直後より前作に当たる『シン・ゴジラ』に勝るとも劣らぬ山崎監督の持ち味が存分に生かされた物語的にも特撮的にも完成度の高い傑作映画として、シリーズファンだけでなくそれ以外の一般客層から見ても非常に大きな評価を得ており、公開から3週間は国内興行ランキングの1位をキープし続け、そして公開5ヶ月後の2024年4月には興行収入70億円の大台を突破した。
これは2023年公開のアニメを除く邦画作品としては同年度ランキングNo.1の記録であり、それにより本作は2023年で最も売れた実写系邦画作品に輝いた。
そして2024年3月8日に開催された日本アカデミー賞発表会において本作が2016年の『シン・ゴジラ』に続いて最優秀作品賞を受賞。
それ以外にも脚本賞、美術賞、撮影賞、編集賞を含めて合計8部門の賞を獲得している。
これほどのヒットを受けてか、2023年11月の公開から約半年近くが経過した2024年4月まで異例のロングラン上映が続けられている。
日本以上に凄まじいと言えるのが海外での評価であり、12月からの全米公開後は公開から僅か5日で1436万ドル(2023年12月レートで約21億円)を稼ぎだし、『子猫物語』が持っていた全米における歴代実写日本映画の興行記録を34年ぶりに塗り替えた。
当初はだいたい1週間程度の限定公開を予定していたが、あまりの反響の大きさにどこの映画館でも長くて1ヶ月近い公開期間の延長が行われ、それから全館公開終了まで5600万ドル以上の興行収入を叩き出した事で本作は全米で売れた海外映画ランキングの第3位まで上り詰めた。
米国以外のイギリスやフランスなどの欧州でも本作は極めて高い評価を得て多くの観客を呼び込んだとされ、最終的には全世界での興行収入は100億円を超えたと言われている。
映画業界の関係者からの反応も上々で、ギャレス・エドワーズ、マイケル・ドハティなどこれまでMVシリーズに携わった者も含めた向こうの監督達も本作の出来栄えを称賛した他、あのスティーブン・スピルバーグに至っては山崎氏と会った際に「自分は3回くらい見た」と彼の前で語ったという。
海外における数多くの賞レースでも本作は様々な賞のノミネートおよび受賞を果たしており、遂にはアメリカの2023年度公開の映画を対象にした第96回アカデミー賞選評の視覚効果賞候補に本作がノミネートされる事となり、これだけでも邦画としては前代未聞の慶事であったが、2024年3月11日のアカデミー賞選評発表会にて正式に視覚効果賞の受賞が決定。
監督がVFXを兼任する形での受賞は『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック以来実に55年ぶりの快挙である。
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最終更新:2025/01/22(水) 09:00
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