大塚博紀を流祖とする。元は神道揚心流、為我流の柔術家であった大塚は、当時本土に紹介されたばかりの空手に興味を示し、初め船越義珍に師事した。後に本部朝基、摩文仁賢和からも教えを受け、独自の研究を加えて創始したのが和道流空手道、和道流柔術拳法である。
現在和道流を伝えている団体は二つあり、一つが大学空手部系の和道会、一つが家元制度により二代目大塚博紀が最高師範を務める和道流である。この団体分裂に関しては色々あったらしいが、資料を引っ張り出すのが面倒くさいので今は記さない。とりあえずこの件について斯界で有名なのは、流祖存命時に分裂したという点である。分派の激しい合気道や極真空手でさえ見られない際立った特徴である。
柔術色が強く、沖縄の空手とは一線を画す。また本土四大流派においても唯一の本土発祥流派(他の三流派はいずれも沖縄出身者を流祖とする)である。技術的には「転位、転体、転技」を重視し、「流す、往なす、乗る」技法を有する。大会においては、組手は強いが形は弱いと評される。(初代大塚博紀は、本土で組手を広めた第一人者でもある)
その場基本は専らナイハンチ立ちで行う。「斜め四十五度中段突き」はあまり他流では見られない稽古法だと思われる。また他流と異なり、内から外への受けを「外受け」、外から内への受けを「内受け」と呼ぶ。
移動基本においては「突っ込み」「飛び込み突き」「飛び込み流し突き」などが特徴的である。また、「横蹴り」と「足刀蹴り」は別種の蹴りとして分けられる。
「型」ではなく「形」と表記する。「鋳型ではなく生きた形を打たねばならない」がその理由である。他流と比較しての特徴として、「腰高」「動きが小さく直線的」などがある。「常に改良を重ねよ」との流祖の言葉もあり、十年ほど経つと細かな点が変更されていたりする。というか和道会と和道流で既に形に違いがあり、全空連の採点基準が流祖の物とも二代目の物とも違う形になっている。和道流の肩身の狭さは異常。
伝承する形は、
基本形、平安(ピンアン)初段~五段、クーシャンクー、ナイハンチ、セイシャン、チントウ、バッサイ、ジオン、ニーセイシ、ジッテ、ローハイ、ワンシュウ
の十六種類である。ただし初代大塚博紀はチントウまでの形を重視し、それ以降の型はあまり教えなかったという。「数ばかり増やしても体力の無駄」だそうである。第一指定形は「チントウ」「セイシャン」第二指定形は「クーシャンクー」「ニーセーシー」。ちなみに記述者は基本形なんてDVDでしか見たことが無いのだが、一体誰がやる形なのだろうか。幼稚園児だって平安二段から入るのだが。
なお、ベースボール・マガジン社の「近代空手道の歴史を語る」の408ページ『和道流の技術体系』には、「イーパイリンパー(前後の記述からスーパーリンペーのことと思われる)」なる形が掲載されているが、記述者の師は「ない」と断言なされた。実際に和道流、和道会の両方においてスーパーリンペーは正式な形として登録されていないが、どうやら一部の師範の間では伝承されているらしく、流祖が好んで稽古していたという情報もある。誰か詳しい方、補足していただけないでしょうか。
比較的目にする機会の多い基本組手十本の他に、柔術技法として居捕、短刀捕、太刀捕、女子護身術などを有する。「裏の技」「応用組手」などの奥の形も存在するが、一般に目にする機会はほとんどない。柔術が元になっている(というか、和道流柔術拳法は『柔術』で日本古武道協会に登録されている)だけに投げや逆(関節技)が当然のように存在し、挙句の果てには居捕まである。前述の「近代空手道の歴史を語る」には各形の名称も記されているので一応上げてみると、
居捕形十本…真之位 添捕 御前捕 襟車捕 飛違捕 抜身見付捕 鐇返 両手捕 壁捕 渡捕
立合形十本…腕落 背落 襟落 袖落 足車 腰車 引落 仮捨 絹潜
投技十四本…出足払 大外刈 大内刈 背負投 小外刈 小内刈 後腰 体落 払腰 内股 横落 隅返 大車 横掛
等等記されている。
「槍の極意は突き三分引き七分」
引き手の重要性を説く際に和道流で多用される。
「ガスの詰まった球体となれ」
流祖曰く武術の極意とされる。押されれば凹み、しかし中心を失わない。そういった状態を示した言葉。
掲示板
23 ななしのよっしん
2014/05/31(土) 23:21:24 ID: li33KgHLxZ
現役の和道流空手道連盟のものです。
大百科読んで、腹抱えて笑いました。
ほめる を押したいんですが、何故かエラーメッセジーがでます。
ですのでこちらで。「本当に面白かったです。ありがとう!」
特に、和道流の肩身の狭さは異常 とか大爆笑でした。
そうなんですよね。ニーセーシ覚えようとしてチャンプのDVDで見ましたが
肝心の相手の足をつかんでからの下段突きのシーンで道場のとなんか一動作足りないって思ってたんです。
すっきりしました。本当にありがとう。
24 ななしのよっしん
2014/10/03(金) 20:34:38 ID: 5jkypclqgo
>>18
高校総体で和道流/和道会の形はチントウとセイシャンだった
ちなみにクーシャンクーは他の流派でカンクウダイと呼ばれるものだよ
>>23
高校時代に段位を取得した者です
どうでしょう、プレミアムに入って記事を編集して頂けませんか?
あと、和道流と和道会が分派した件について、S師範のように和道流と和道会の両方に所属されていた方もいらっしゃると思うのですが御存知ありませんか?
(高校の部活が和道流でしたが指導に来られたS師範が和道会の道着を着ておられました)
25 ななしのよっしん
2019/06/11(火) 18:41:52 ID: /iVRuAkEbx
30年以上前の中学生の頃に友達の親父さんに教えていただいたのが和道流(もしかしたら会)でした。
ボラアティアで近所の子供達を集め教えることになり巻き込まれました。
その後、高校生になり部活を始め松濤館に切り替えました。
和道流で「順の突っ込み」「逆の突っ込み」を教えてもらったのですが他の流派で全く使われておらず、親父さんに対し少し疑念を持ってしまってました(笑)
適当ではなくちゃんと教えてくれてたのですね。
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最終更新:2024/04/25(木) 21:00
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