FA-MASとは、フランスの兵器総合メーカーであるGIAT(ジアット)社傘下のサン=テチヘンヌ造兵廠で開発・設計されたトランペット型アサルトライフルである。
名称はFusil d' Assaut de la Manufacture d' Armes de Saint-Étienne(サン=テチヘンヌ造兵廠製アサルトライフル)の頭文字から取られている。
ちなみに現在のGIAT社はネクスター(Nexter)に社名を変更し、引き続き改良を重ねつつ生産されている。
ステアーAUG等と大体同時期の1960~70年代に設計されたアサルトライフルである。
トリガー/グリップより後ろのストック内に機関部を設けた、ブルパップ方式の形態を取っている。これにより長い銃身を確保しつつも全長は短く出来、反動のコントロールもし易くなっている。
ブルパップ方式の欠点の一つである照準のしにくさを解決するため、大型アイアンサイト(兼キャリングハンドル)と二脚を標準装備している。
この大型のアイアンサイトを備えた独特の外観から、フランス国内ではクレロン(ビューグル)という愛称がある。
それらを射撃時に用いる事により、射撃時の安定性を向上させ解決…と従来はしていた。
だが、実戦でのより精密かつ容易な照準にはあまり向かない事や刻々と変わる軍事マーケットへの対応から、後期型ではサイトベース付きキャリングハンドルに交換可能としたり、現在では大型のキャリングハンドルを廃し、ピカティニー・レールをメインに押し出して照準器取り付けを前提とした小型キャリングハンドルに交換した改良型「ファーマス・フェリン」(FA-MAS Felin)を開発したりもしている。
ステアーAUGと同様に一部部品の交換で両利き対応としているが、この方法では実戦において右・左撃ちの即座な切り替えは出来ず、FA-MASのみならずブルパップの実用性に関して疑問視される点の一つである。
作動方式は他に見られない、レバー遅延タイプのディレード・ブローバック方式である。
元々はサン=テチヘンヌ造兵廠が生産していたAA-52機関銃の作動方式に多少のアレンジを加えた機構で、この方式により殆どの突撃銃で採用されるガス作動系方式より命中精度は高めとされる反面、砂や泥などの異物や劣悪な環境には弱めとも言われる。
余談だが、以上の改良部分についてはHK社製G36の構造がベースだったりする。
試作品ではG36Eのサイトベースとコッキングハンドルが直接付いていたりもする。
なんで他社製銃器の部品が流用出来たかって?事情はお察し下さい。
その他、ハンドガード下に射撃時の安定性向上を図ったバーティカルグリップを新たに設置している。
これらの大幅な改良により、最早トランペットのイメージからは掛け離れた、従来と比べて近未来的な外観となった。
FA-MASの美しさが失われたじゃないか!フェリンモデルは最早トランペットじゃないだろ!改悪いい加減にしろ!
とか突っ込みを入れるのは申し訳ないがNG。近代軍事マーケットの事情も考えてよ(棒読み)
フランスでは1977年から正式採用され、1979年から本格的な供給が開始された。
現在でもフランス軍部隊の多くはFA-MAS系列を扱い、戦闘に臨んでいる。
だが、航空自衛隊出身の元傭兵である高部正樹氏はコンバットマガジン2001年7月号の特集内で衝撃的な情報を語った。
なんとフランス人傭兵の多くが「実戦では使えない」と酷評したらしいのである。
なお、高部氏本人はFA-MASを使った事が無いそうなので自身は評価出来ないとしているが、あの自分大好きで有名なフランス人達が発した言葉だけに驚きを隠せなかった事が、文面から滲み出ている。
ちなみに特集内の挿絵では、フランス料理を貶した傭兵見習いマッスルに対して、フランス系中国娘のノリン子が銃剣付きFA-MAS F1を6挺も投げつけていた。そんなにあるなら一挺くらい俺にくれ!
しかしながら、(高部氏には失礼だが)我々はこの情報を鵜呑みにしてはならない。
何故ならば、あくまでフランス人の極一部の評価に過ぎない場合も考えられるからだ。
評価は十人十色…そうだろ?兄弟。
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最終更新:2024/12/22(日) 18:00
最終更新:2024/12/22(日) 17:00
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