SCP-1645-JPとは (エスシーピーイチロクヨンゴージェイピーとは) [単語記事]

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SCP-1645-JPとは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。

概要

基本情報
SCP-1645-JP
OC	Euclid
収容場所	N/A
著者	aobas ity17852
作成日	2019年 8月12日
タグ	ミーム無コン19 精神影響
リンク	SCP-1645-JP
SCPテンプレート

SCP-1645-JPは2019年 8月1日に北海道██町の役場前交差点で発生した交通死亡事故に与えられた財団指定の名称である。この事故はこの町で暮らす9歳の女児、雪島君葉 (SCP-1645-JP-1) が札幌市の男性の運転するトラックに轢かれて亡くなった、というものであった。現場は見通しの良い道路であり、雪島君葉の飛び出しが事故原因であったと財団はみている。

これ自体は一般的な非異常の事故にも思えるが、この町で交通死亡事故が起きたのは1992年 3月15日が最後で、この日から9999日間もの間、死亡事故は1回も発生していなかった。このため、8月3日・4日に公園にて行われる夏祭りにおいて、交通死亡事故ゼロ記録 10000日達成を記念するイベントが開かれる予定だったようだ (無論、記録未達成につき中止である)。

SCP-1645-JPは、この事故を知った人に雪島君葉やその近親者への強い憎悪と害心を発生させるミーム的異常性を有している。基本的にこのミームには、財団が開発した対抗ミーム処置を施されていない場合は98.7％もの確率で感染してしまう。感染者は雪島君葉に攻撃を行う理由について、「『交通死亡事故ゼロ記録』10000日達成を妨害した罪は重い」という旨のコメントを残す。これはもともと██町出身者でない場合や、感染以前は記録に興味を持っていなかったであろう人間にも及ぶ。典型例は会話やインターネットにおける誹謗中傷・デマ拡散といったものだが、母親に対しての殺害・傷害未遂 (最低でも5件)、並びに住居への建造物破損行為・放火未遂^[1]などの犯罪行為が起きていたりもする。それどころか、町役場職員が勝手に雪島君葉とその家族の記録を全消去したり、町民の男性が「今度は10000日連続交通死亡事故達成を目指そうとした」と言う理由で中央通り周辺を通行中の町民7名を次々とはねたり、消防署に368件もの対応を非難する内容の苦情と、60件もの「救急車という名称は"99"を連想させるため改称すべき」という内容の意見が寄せられたりとどんどん過激な方向にエスカレート。

しまいには計画を妨害する/されることを指す「ユキる/ユキられる」というネットスラングが発生した。「██町」「無事故」「飛び出し」「自動車」などのSCP-1645-JPに関連する単語でトラウマを発症する者も現れ、自分が積み重ねた実績・記録が雪島君葉に妨害されてしまうのではないかという被害妄想を抱いた者も。

極めつけに、女性が娘を殺害する事件が発生した。この理由として、「娘が車好きで、自分の市も無死亡事故記録を更新しているため、いつか娘もあのような犯罪を起こすのではないかと怖くなった」と供述している。ここまで来ると本末顛倒である。

ここまで見ていただいた読者諸兄らも気付かれたであろうが、このミーム、なぜか被害者である雪島君葉は叩かれているが、加害者であるトラックの運転手の男性は一切叩かれていない。確かにトラックの運転手に非はあまりない事故ではあるが (子供の飛び出しは予測しづらいため) 、ここまで徹底的に被害児童だけが責められるあたりも気味が悪い。

財団は事態を収拾するため、北海道全域へのクラスB記憶処理剤の散布と様々なメディアを用いたサブリミナル記憶処理により、わずか12日間でSCP-1645-JPの情報とミームの影響を消去した。公的には██町は2019年 8月1日に死亡事故ゼロ記録 10000日を達成し、現在も記録を更新中である。関係者にもカバーストーリーを適用しており、前述のネットスラングも別の由来を与えられ、完全にSCP-1645-JPは消去されたのである。