「X-ファイルのテーマ」とは、アメリカ合衆国のオカルト・超常現象・宇宙人などをテーマにしたテレビドラマシリーズ『X-ファイル』(原題:『The X-Files』)のメインテーマ楽曲。
| 「Xファイル」について語るスレ#69 |
同ドラマの製作総指揮を務めたクリス・カーター(Chris Carter)からの依頼に基づいて、劇伴音楽の作曲家であるマーク・スノウ(Mark Snow)が作曲した。エコーがかかった口笛の音が用いられてはいるが歌唱は入っておらず、インストゥルメンタル楽曲と分類されることが多い。
1993年に開始された『X-ファイル』は全世界的に有名な人気シリーズとなり長期継続され、日本でも1995年から1997年にかけて日本語吹き替え版がゴールデンタイムにテレビ放送されるなどした。そのためこの楽曲も多くの人が耳にしたと思われる。
おどろおどろしく怪しい雰囲気たっぷりの印象的なメロディでもあり、『X-ファイル』が関係ない動画などにおいても「オカルト・超常現象・宇宙人に関する話題のとき」などにこの楽曲がBGMに使用されることは少なくない。「『X-ファイル』自体は一回も見たことが無いけど、この曲は聴いたことがある」という人も少なくないだろう。
1993年にマーク・スノウがこの曲の制作を依頼されたとき、クリス・カーターはSFテレビドラマ『トワイライト・ゾーン』のテーマのような印象的な楽曲を求めていたという。「ボーイ・スカウトがキャンプファイアのときにハミングできそうな感じの、恐ろしい曲」(something that boy scouts could hum at the campfire, as a scary song)が欲しかったらしい。よくわからない例えだが、要するに「印象深くて覚えやすくハミングしやすく、それでいて怖いやつ」ということだろうか。
既に実績のある作曲家だったスノウもカーターが満足する楽曲を作るのには難渋し、何回か案を送ってみてもカーターは納得しなかった。「参考にしてくれ」とカーターが好きな曲を送られて聞いてみてもスノウはうまく形にできなかったという。
行き詰まっていたあるとき、スノウがエコーエフェクトがオンになった状態のキーボードにたまたま肘をついてしまったときに音が鳴り、その音色がきっかけになってこの楽曲が完成したのだそうだ。
なお口笛の音はシンセサイザー/音源モジュール「Proteus」の音源サンプル「Whistling Joe」と、マーク・スノウの妻グリン(Glynn)の口笛の音の双方が使われているという。
口笛の音についてマークがグリンに意見を求めたところ、彼女は「知ってるでしょ、私も口笛は得意なの」(You know, I'm a good whistler too)と言い、また「私がちょっと改良できるかもよ」(Maybe I could beef it up a little bit.)と告げたそうだ。恐ろしげな曲の割に、なんだかほっこりするエピソードではなかろうか。
「この楽曲の正確なタイトルは何というべきなのか?」というと少しややこしい。というのもこの楽曲は公式でも複数の名称で呼称されているためだ。
例えばオフィシャルで販売されたサウンドトラックCDかつ同ドラマにインスパイアされた楽曲のコンピレーションCDでもある『Songs In The Key Of X: Music From And Inspired By The X-Files』(1996年。品番9 46079-2)では、この楽曲は「X-Files Theme (Main Title)」と題されている。このCDは日本語盤も『X-ファイル オフィシャル・サウンドトラック』(1996年4月25日。品番WPCR-478)と題して発売されており、そちらでは本楽曲に「X-ファイルのテーマ」と邦題が付けられている。
日本では8cmシングルCD『X-ファイルのテーマ』(1996年5月25日。品番WPDR-3031)としてもリリースされている。
またオフィシャルサウンドトラックCD『The Truth And The Light: Music From The X-Files』(1996年。品番9 46279-2)では、この楽曲は「Materia Primoris: The X-Files Theme (Main Title)」と題されている。このCDの日本語盤は『X-ファイル オリジナル・スコア・サウンドトラック』(1996年10月25日。品番WPCR-776)と題して発売されており、そちらでは本楽曲に「メイン・テーマ」と邦題が付けられているほか、原盤にはないボーナストラックとして本楽曲のアレンジ曲「X-ファイルのテーマ (テレストリアル・ミックス)」が収録されている。
以上のことから、日本語としての公式タイトルはおそらく「X-ファイルのテーマ」でよいだろう。しかし原題としては「X-Files Theme」とも「X-Files Theme (Main Title)」とも「Materia Primoris: The X-Files Theme (Main Title)」とも「Materia Primoris」とも「The X-Files Theme (Main Title)」とも「The X-Files Theme」とも言えそうであるわけだ。
ちなみにWikipedia英語版の本楽曲に関する記事は「The X-Files (composition) - Wikipedia
」という記事タイトルになっており(2022年1月現在)、楽曲名自体もドラマの名称と同じ「The X-Files」であると解釈しているようだ。
またX-ファイルの1998年の映画版(『The X-Files: Fight the Future』)に際して、いくつか公式アルバムが出ており、これらに本楽曲の公式アレンジ版が複数収録されている。
CD『The X-Files: The Album』(1998年。品番62200-2)では、本楽曲のThe Dust Brothersによるアレンジ版「The X-Files Theme」が収録されている。このCDの日本語盤は『X-ファイル ザ・ムービー オリジナル・サウンドトラック』(1998年10月25日。品番AMCY-2880)のタイトルで発売されており、そちらではこのアレンジ版「The X-Files Theme」に「X-ファイル・テーマ」と邦題が付けられているほか、マイク・オールドフィールド(Mike Oldfield)の楽曲「チューブラー・ベルズ」(Tubular Bells。映画『エクソシスト』に使用されたことで有名)とのミックスアレンジ「チューブラーX」が追加収録されている。
CD『The X-Files - Fight The Future (Original Motion Picture Score)』(1998年。品番62217-2)では、この楽曲のアレンジ版「Threnody In X」が収録されている。このCDの日本語盤は『X-ファイル ザ・ムービー:オリジナル・スコア・アルバム』(1998年11月26日。品番AMCY-2942)のタイトルで発売されており、そちらではこのアレンジ版楽曲「Threnody In X」に「X-ファイルのテーマ(死者への挽歌)」と邦題が付けられている。
(ちなみにここからの影響か、オリジナルのテーマソング自体を「死者への挽歌」と呼んだり動画サイトなどで「死者への挽歌」というタグが付けられていることがあるようだ。しかし「死者への挽歌」とはあくまで「このアレンジ版楽曲「Threnody In X」の日本語版サブタイトル」でしかないと思われる。)
有名な楽曲であるため、上記以外にもアレンジ版は数多い。例えばイタリアのDJ/音楽プロデューサーである「DJ Dado」によるリミックス版「X-Files」はヨーロッパ各国でヒットしたという。
(再生時間04:51ごろから。本記事「概要」で記載したような、「『X-ファイル』と直接関係ないが宇宙人と関連する場面でBGMに使用される」ケースの実例。)
(同じく超常現象的な場面で使用されている実例。再生時間00:55ごろから。)
(本記事「制作過程」の節の参考とした)掲示板
1 ななしのよっしん
2023/03/18(土) 01:57:30 ID: N1Ck60QWqc
変な風評被害受けてる曲
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/14(日) 07:00
最終更新:2025/12/14(日) 06:00
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