京(スーパーコンピュータ)とは、文部科学省を中心に開発されたスーパーコンピューターシステムである。
独立行政法人理化学研究所(理研)が開発主体として動き、富士通株式会社が開発している。
名称の由来は、10ペタを表す「京」という数の単位1。以前は「京速スーパーコンピュータ」と呼ばれていた。
その名称通り、LINPACK性能10ペタフロップス(Peta FLOPS:毎秒1.051京回=10,510兆回の浮動小数点演算数)を実現したとしている2。LINPACKとは連立一次方程式の解法プログラムで、「京」は10.51PFLOPSを達成、計測に用いられたシステムは864筐体(CPU数88,128個、理論演算性能は11.28PFLOPS)をネットワーク接続した最終構成で、実行効率は93.2%を達成した。
2012年9月現在、京のシステムを採用した、富士通の一般向けスパコンである『PRIMEHPC FX10』は、近畿大学、神戸大学、東京大学情報基盤センターに導入され、近畿大学、オーストラリア国立大学、台湾中央気象局からも発注を受けて、今後納入される予定となっている。
理化学研究所、筑波大学、富士通は2011年11月16日、理研と富士通が共同で開発中のスーパーコンピューター「京(けい)」がスパコンの総合的な性能を評価する「HPCチャレンジ賞」の4部門すべてで第1位を獲得したと発表した。京がHPCチャレンジ賞で1位を獲得したのは、(1)大規模な連立1次方程式の求解における演算速度(2)並列プロセス間でのランダムメモリーアクセス性能(3)多重負荷時のメモリーアクセス速度(4)高速フーリエ変換の総合性能―の4部門3。
また、2011年の6月と11月のTOP500においても演算性能1位にランキングされている。
京が完成したのは2012年7月なので、どちらも未完成の状態での1位獲得であった。
なお、2012年6月のTOP500では、開発が遅延していたIBMのSequoia(BlueGene系列)が、未完成の状態ながら京を抜き、世界1位となった。
日本人として初めて ISCB Fellow に選出されるなど、スパコン利用者側として数々の研究成果を上げた東京大学教授である宮野悟が京のCコンパイラのバグ隠しを指摘した。これにより、2013年10月以前に行われた「京」を使用した全ての研究成果は、他ハードウェアによる再計算が行われない限り、計算結果に何ら信頼性がないことになってしまった。
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最終更新:2024/04/25(木) 22:00
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