スーパーコンピュータとは、科学技術計算を目的とする大規模汎用コンピュータ※1。
※1:特定の計算用途に使用される計算機は専用計算機に分類される。(GRAPE等)
スーパーコンピュータは科学、工学、気象予測、暗号解読など文明の進化に大きく貢献しています。
大規模・高速の計算能力を実現するため、ハードウェア・ソフトウェア両方で最適な調整が施されている。
日本においては理論的最高性能値が50TFLOPS以上の計算機をスーパーコンピュータとする。
国立大学や国立研究機関などへのスーパーコンピュータの導入に関して、NLSとNISという位置づけがされている。
・NLS(National Leadership Supercomputer)
日本国内のスーパーコンピュータリテラシーのリーダシップを取るスーパーコンピュータ。開発プロジェクトとして整備する
・NIS(National Infrastructure Supercomputer)
一般的な研究面/産業面での利用を念頭にスーパーコンピュータリテラシーの下支えをするスーパーコンピュータ。原則として市販商品を調達する
名称 | 製造年 | 運用組織 | 製造メーカー | TOP500 歴代最高順位 |
記録年 | |
FACOM 230-75APU | 1976年 | 航空宇宙技術研究所 | 富士通 | 22M | ||
VP2600/10 | 富士通 | 5G | 1位 | 1990-1991年 | ||
SX-3/44R | 1989年 | NEC | ||||
数値風洞 | 1993年 | 航空宇宙技術研究所 | 富士通 | 280G | 1位 | 1993年 1994年 1995年 |
SR2201 | 1996年 | 日立 | 1位 | 1996年 | ||
CP-PACS | 1996年 | 筑波大学 | 日立 | 1位 | 1996年 | |
地球シミュレーター (初代) |
海洋科学技術センター | NEC | 41T | 1位 | 2002-2004年 | |
DEGIMA | 長崎大学 (浜田剛助教ら) |
長崎大学 | 158T | ゴードン・ベル賞 | 2009年 | |
TSUBAME 2.0 | 東京工業大学 | 1.192P | 4位 | 2010年 | ||
京 | 2012 | 理化学研究所 | 富士通 | 10.51P | 1位 | 2011年 |
MN-3 | 2020年 | |||||
富岳 | 2021年 | 理化学研究所 | 富士通 |
442P |
1位 | 2022年 |
ABCI ABCI 2.0 |
2021年 | 産業技術総合研究所 | 富士通 |
用語については次々章参照
製造年:1977年
運用組織:航空宇宙技術研究所(現、宇宙航空研究開発機構:JAXA)(NSシステム)
日本で最初のスパコン。流体解析等に利用。FACOM 230-75に、科学技術計算向けのパイプライン方式「アレイプロセッサ」(ベクトル計算機)を追加して計算能力を強化した機。22M FLOPSを達成した。
製造年:1993年
運用組織:航空宇宙技術研究所(現、宇宙航空研究開発機構:JAXA)
日本で最初にTOP500で1位を記録したスパコン。(VPPシリーズ)
製造年:1996年
運用組織:
製造年:1996年
運用組織:筑波大学
(初代)
運用組織:海洋科学技術センター(現、海洋研究開発機構(JAMSTEC))
開発費:600億円
維持費用は年間約50億円(内訳は電気代約5億円、ガス・水道代1億5000万円、保守費用45億円)
SX-5ベース。5,120CPU。ベクトル型プロセッサチップを使用して最大理論性能は40.96TFLOPS。
消費電力は約6MW
(第2世代)
SX-9ベースである。102.4GFLOPSの性能を持つプロセッサ8個と128GBのメモリを持つベクトル計算機ノード(地球シミュレータではPNと呼ばれる)160台(1,280CPU,1,280コア)を2段のクロスバースイッチでファットツリー状に接続し、最大理論性能131TFLOPSを実現している
(第3世代)
SX-ACEベースである。256GFLOPSの性能を持つプロセッサ1個(4コア)と256GBのメモリを持つベクトルノード5,120台(20,480コア)を2段のクロスバースイッチでファットツリー状に接続し、最大理論性能1.3PFLOPSを実現している
(第4世代)
AMDのCPUとNVIDIA A100及び、684台のSX-Aurora TSUBASA B401-8、
5,472台のベクトルエンジン(43,776コア)を搭載、最大理論性能19.5PFLOPSを達成する見込み。
2021年3月1日より運用開始。200Gb/s HDR InfiniBandが使われている。
また、データセンター環境監視システムにiDCNaviが使われている。
記録:10.51PFLOPS(TOP500 1位(2011年))
1秒間に8.2京(10の15乗)の計算が可能。100万台の市販デスクトップPCと同等の計算能力。
68,544個以上のCPU(カスタマイズされたスカラ型プロセッサであるSPARC64 VIIIfxプロセッサを672個(800個に増やす予定)のラックに収容。約1万軒の家庭に十分供給できる電力を使用。運営に年間1,000万ドルかかる。
2011年11月のTOP500測定時に29時間28分の無故障動作を実測。
2019年8月16日に計算資源の共用を終了。8月30日にシャットダウン。
Preferred Networks社が理研や神戸大学と共同開発。深層学習用。2020年6月から3期連続でGreen500トップを記録
記録:442.01PFLOPS(TOP500 1位(2022年)
432の筐体、1筐体に最大384個のCPUが入っている。合計
開発費や約30億円。
天文学やタンパク質の演算を目的とした専用計算機。汎用型ではないがスパコンと記載している書籍もあり、技術的・開発ノウハウ的にもスパコンに通じるところもあるので、ここに記載する。
GRAPE-1 1989 20M
GRAPE-4 1995 1T
GRAPE-5 1998 780G
GRAPE-6 2002 614T
・NSシステム:FACOM 230-75(1977年)(原子力委員会、国立航空宇宙研究所)
・FACOM VP-100、VP-200(1982年)(VP-100は250MFLOPS、VP-200は500MFLOPSを記録)
・VP2000
・PRIMEQUEST(2006年)自然科学研究機構計算科学研究センターの超高速分子シミュレータ(10ノード・計640コア)
・FUJITSU VX
・数値風洞
・京
・富岳
富士通のスーパーコンピュータのページ (あとで調査する)
SX-0(1983年)
SX-2(1983年),SX-2A(不明):SX-2は世界で最初にGFLOPSを達成。Aは改良モデル。
SX-3(1989年),SX-3R(1992年):Rは改良モデル。
SX-5(1998年)、SX-5S(1999年):SX-5はシングルノード最大128GFLOPS(16個)。初代地球シミュレータのCPUの原型
SX-6(2001年)、SX6i(2001年):SX-6はシングルノード最大64GFLOPS(8個)、最大共有メモリ64GB。地球シミュレータのシングルノードを改良したもの。
SX-7(2002年):シングルノード最大282GFLOPS(32個)、最大共有メモリ256GB
SX-8(2004年)、SX-8i(2005年):SX-8はシングルノード最大128GFLOPS(8個)、最大共有メモリ64GB or 128GB。SX-8iは最大搭載メモリ32GB。
SX-8R(2006年):
SX-9(2007年):
VE-10(2017年)
VE-10E(2019年):大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所のプラズマシミュレータ雷神に搭載
VE-20(2020年):第4世代地球シミュレータ、東北大学サーバーサイエンスセンターのAOBA-Aに搭載
VE-30(2022年):SX-Aurora TSUBASA C401-8
HITAC S-810(1982年):当時世界最高速の最大630MFLOPS
HITAC S-820(1988年):当時世界最高速の最大3GFLOPS
HITAC S-3000シリーズ(1992年):4台のマルチプロセッサ構成で最大ベクトル性能32GFLOPS
SR2201,2201(1994年):筑波大のCP-PACSがこれを使用している。1台あたり約19GFLOPS、ハイエンドモデルではその2048並列で約600GFLOPSとしている。1996年にTOP500の1位を記録
SR24000(2014年):2018年気象庁にCray XC50ベースのシステムを納入
2022年:日立ウェブサイトの「技術計算向けサーバ」のページが、2022年9月30日をもって閉鎖
京を運用していた
富岳を運用中
2012年6月:第9世代(NAPS9)の日立SR16000/M1 スーパーコンピュータ(IBM Power 775)の2台の432論理ノードクラスタで構成され、それぞれのノードは4台の IBM POWER7 (3.83 GHz)プロセッサと128GBのメモリで構成。
2018年6月:第10世代の数値予報システム(NAPS10)
TSUBAME 2.0(2,288 Tflops)(2011年6月:TOP500 5位)
東京工業大学とNECとHPの共同開発。HP Proliant とNVIDIA Tesla プロセッサの両方を使用した1,400 ノード
ペタスケールスーパーコンピュータ。4,800以上の専用設計のMDGRAPE-3 チップと同様にIntel Xeon プロセッサも備える。専用の目的のコンピュータのため、TOP500には入っていない。
富士通製のPRIMERGY BX900 スーパーコンピュータ(200 TFlops、38位(2011年)
天体力学計算用。最高64 Tflops(専用計算処理ユニットで、$7/MFLOPSの高エネルギー効率(ゴードン・ベル賞受賞(1999年)
・T2Kオープンスパコン東大版(最大理論性能で140TFLOPSを実現)1
費用とエネルギー効率の優れたのコンピュータクラスタ。階層的なN体問題のシミュレーションに使用。最高性能は111 TFLOPS。エネルギー効率は1376 MFLOPS/W。ハードウェアの総額はおよそS$500,000(訳3,800万円(当時))
ヘリオス(別名 六ちゃん)
1.52-PFLOPS のスーパーコンピュータ (現在は 442 TFLOPSで運転)。4410 bullx B510 計算ブレードで構成され、核融合シミュレーション計画に使用。
1.13-PFLOPS supercomputer system (Oakleaf-FX)
2012年4月運用開始。京の市販版である富士通のPRIMEHPC FX10、SPARC64 IXfxプロセッサの4,800台の計算ノードを備え6次元の メッシュ/トーラス接続で接続される。
ABCI
1秒間に浮動小数点演算が何回できるかの指標値ひいては性能値の事を指す。
Floating-point Operations Per Second
あまりピンと来ない人用(理論値)
Core 2 Duo:26.64 GFLOPS
GeForce GTX 980:単精度:4.612 TFLOPS
GeForce GTX 1080:単精度:8.872 TFLOPS
GeForce RTX 3080:単精度:29.77 TFLOPS
GeForce RTX 4090:単精度:82.58 TFLOPS
Radeon HD 7990:単精度:8.192 TFLOPS
Radeon R9 295X2:単精度:11.467 TFLOPS
Intel HD Graphics 530:単精度:441.6 GFLOPS
Snapdragon 800:129.6 GFLOPS
世界中のスパコンの計算能力をランキング集計している組織。TOP500(LINPAC)、HPCG、グリーン500の3部門がある
TOP500の記録測定に使用されるベンチマークソフトウェア。
スーパーコンピュータに関するニコニコQを紹介・作成してください。どなたかお願いします。
日本のスーパーコンピュータ(wiki) (2024/05/08閲覧) (後程、出典、外部リンクを調査)
スーパーコンピュータ(wiki)(2024/05/13閲覧)
NEC SXシリーズ (2024/05/08閲覧)
AI橋渡しクラウド(wiki)(2024/05/16閲覧)
FLOPS(wiki)(2024/05/16閲覧)
Oakforest-PACS(wiki)(2024/05/16閲覧)
スーパーコンピュータ(コトバンク)(2024/05/13閲覧)
スーパーコンピューター(コトバンク)(2024/05/13閲覧)
計算科学研究センター様の超高速分子シミュレーターとして最新の「PRIMEQUEST」が稼動(2024/05/14閲覧)
日立のスーパーコンピュータのページ(削除済み)https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/hpc/(あとで調査用)
Japanese supercomputer 'K' is world's fastest (2024/05/08閲覧)
この記事は「2位ではダメ」という編集精神のもと執筆されることを願う。
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最終更新:2024/12/23(月) 13:00
最終更新:2024/12/23(月) 13:00
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