アソールト(Assault)とは、1943年生まれのアメリカの競走馬。栗毛の牡馬。
幼駒時の事故によって右前脚に慢性的脚部不安を背負いながら米国三冠を達成した「脚曲がりの彗星」。
名前は「襲撃」を意味する、アサルト。
父Bold Venture、母Igual、母父Equipoiseという血統。
父は米国二冠達成後にベルモントSを前にして故障で引退した馬で、種牡馬として本馬の他もう1頭ケンタッキーダービー馬を輩出。母は不出走だがその祖母(アソールトの曾祖母)はマンノウォーの全姉である。母父は「チョコレートソルジャー」の愛称を持つハンデキャップ競走の名馬であり、総合すればかなりの良血である。
テキサス州で牛やクォーターホースを主に生産する牧場・キングランチに産まれたが、1歳の時に右前脚で測量用の杭を思いっきり踏み抜いてしまい、右前脚の蹄に釘が貫通するという大怪我を負った。このため生涯にわたり歩様が不安定(足を引きずるような格好)となり、また負担が増えた事により右前肢全体に問題を抱え、健康面に著しく順調さを欠くようになった。当然と言うべきか買い手が全くつかず、牧場所有で競走馬になることとなった。
テキサス州のマックス・ハーシュ調教師によって管理される事となり、度々の出血等もあり管理には細心の注意が払われた。2歳時に競走馬デビューを果たすが、デビュー戦は12着に惨敗し4戦目に勝ち上がる。2歳時には9戦し2勝の成績に留まる。
しかし3歳時になると快進撃を始める。ハンデ戦とウッドメモリアルSを連勝し、ダービートライアルこそ4着に敗れ少し評価を落とすものの、本番であるケンタッキーダービーでは不良馬場ながら直線で抜け出すとその差を広げ、8馬身差をつけて快勝する。続くプリークネスステークスとベルモントステークスではスタートで躓いたり何かと順調さを欠くレース展開になったりしつつも連勝し、ここに三冠馬が誕生した。テキサス州産の三冠馬は現在でも彼だけである。
続くドワイヤーSも4馬身半差で圧勝したが、その次のアーリントンクラシックSでシンガリ負けを喫した後に腎臓の感染症を患い、しばらく休養となった。その後もローマーハンデキャップで同期の有力牝馬ブライダルフラワーに敗れて2着となるなど惜敗を繰り返して6連敗を喫し、主戦騎手だったウォーレン・マーテンズ騎手はエディ・アーキャロ騎手に交代となった。
以後、3歳秋から4歳夏までハンデキャップ競走を中心に7連勝を飾ったが、同時に気性も荒くなっていった。4歳7月のベルモント金杯で3着に敗れて連勝が止まった後、8月末にステークス競走を18勝していた強豪馬アームドとのマッチレースが組まれたが、故障により延期された。体調不良を押して1ヶ月遅れでマッチレースに出走したものの8馬身差で敗れ、陣営は口々に「出走させるべきではなかった」と唇を噛んだ。
これ以降、度重なる故障もあってその才気に陰りが見えるようになった。7歳(1950年)まで現役を続行し、この年の12月に行われたハリウッド金杯を8頭立て7着に終えたのを最後にターフを去った。
通算成績42戦18勝。その勝利の中に米国三冠や、ニューヨークハンデ三冠のうち二冠を含んでおり、順調であれば圧倒的なパフォーマンスを発揮していたであろう。
彼の全盛期は第二次世界大戦が終結して間もない頃であり、人々はハンディキャップを持ちながらも走り続ける彼の姿を見て、「Club-footed Comet (脚曲がりの彗星)」と呼び称えた。
種牡馬としての成績はほぼ存在しない。というのも現役時代の検査で授精能力が著しく低い事が判明したためで、現役を7歳まで続けた理由の一つには満足な種牡馬生活を送らせられない事もあった。実際種牡馬入りしたがその授精能力は低く、人工授精が認められるクォーターホースの父として何頭か送り出した程度である。1947年生まれの全弟エアリフトは兄アソールトを超える逸材として期待されたが、デビュー戦にて予後不良の憂き目に遭った。この兄弟がまともに子供を残せていれば、現代の血統地図は少し変わったものになっていたかもしれない。
1971年に骨折を起こし、28歳で死亡。米国の「ブラッド・ホース」誌が企画した「20世紀のアメリカ名馬100選」にて33位に選出されている。
| Bold Venture 1933 栗毛 |
St. Germans 1921 鹿毛 |
Swynford | John o' Gaunt |
| Canterbury Pilgrim | |||
| Hamoaze | Torpoint | ||
| Maid of the Mist | |||
| Possible 1920 栗毛 |
Ultimus | Commando | |
| Running Stream | |||
| Lida Flush | Royal Flush | ||
| Lida H. | |||
| Igual 1937 栗毛 FNo.4-c |
Equipoise | Pennant | Peter Pan |
| Royal Rose | |||
| Swinging | Broomstick | ||
| Balancoire | |||
| Incandescent | Chicle | Spearmint | |
| Lady Hamburg | |||
| Masda | Fair Play | ||
| Mahubah | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Commando 4×5(9.38%)、Domino 5×5(6.25%)
YouTubeにはあった。
掲示板
1 ななしのよっしん
2018/07/30(月) 01:03:14 ID: lC/Ngeu7z6
スレ立て乙です。
可能であれば、当馬の不振の原因となった、アームドとのマッチレースについて、誰か詳細をご存知の方追記して欲しいなあと思います。
古い馬なので、自分で調べてもその辺りの事情がよく分からなかったので…
2 ななしのよっしん
2022/05/10(火) 15:24:58 ID: IC16FWRhOk
3 ななしのよっしん
2022/08/18(木) 17:57:16 ID: ESXozSEmmX
エアリフト共々、無事に種牡馬として活躍出来たならブランドフォードを通さないスインフォードの未来は変わっていたかもね
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最終更新:2025/12/25(木) 23:00
最終更新:2025/12/25(木) 22:00
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