パールダイヴァー

パールダイヴァー(Pearl Diver)とは、1944年生まれのフランスで生産・調教された競走馬である。鹿毛の牡馬。

通算成績14戦4勝[4-1-3-6]

主な勝ち鞍
1947年:ダービーステークス、マッチェム賞
1948年:アルクール賞

概要

父Vatellorはジャン・プラ賞、サンクルー大賞などを制し、ジョッケクルブ賞(仏ダービー)でも2着に入るなどフランスを中心に活躍した。のちの1956年にフランスリーディングサイアーとなった。
母Pearl Capはプール・デッセ・デ・プーリッシュ(仏1000ギニー)、ディアヌ賞(仏オークス)、ヴェルメイユ賞などフランスの牝馬戦の主要レースを制し、また凱旋門賞初の牝馬優勝馬となったフランス競馬史上最強牝馬の1頭である。

第二次世界大戦中の1944年にフランスのエズモンド一家のモルトフォンテーヌ牧場で生産された。
当時のフランスはまだドイツの占領下にあったのでオーナーを養子のジェフロワ・ド・ワルドナーとして、また血統もドイツ当局から隠し「ムッシュドボスチ」という偽名で育成された。(※戦時中フランスの名馬がドイツに見つかった結果がどうなったかはPrince Roseなどの例がある)

2歳時には2戦してサン・パトリック大賞を優勝した。
3歳時の初戦ではル・トロンブレでのレースでImprudenceという牝馬に敗北した。Imprudenceはのちに英1000ギニー、プール・デッセ・デ・プーリッシュ、オークスステークスに優勝しているので、このレースでは相手が悪かった。パールダイヴァーはジャン・プラ賞(当時2000m)に出走し、3着に敗れた。5月にマッチェム賞(2700m)で優勝し力を示したが、フランスのトップクラスの馬とはまだ認められていなかった。

その後、なんとパールダイヴァーは本場イギリスのダービーステークスへの挑戦を表明した。
パールダイヴァーは単勝41倍という人気薄で、圧倒的1番人気は前走2000ギニーを8馬身差で圧勝した6戦6勝のTudor Minstrelであった。ジョージ6世国王陛下やエリザベス女王陛下ら40万人が見守る中で行われたレースでは、先行していたTudor MinstrelやダービートライアルS優勝馬でのちのセントレジャー馬Sayajiraoを捕らえ、さらに後続のデューハーストS優勝馬Migoliに4馬身差をつけてゴールした。
Durbar以来33年ぶりのフランス馬の勝利、しかも母国では超良血とはいえイギリス人からしたらどこの馬の骨ともわからない挑戦者に権威あるダービーステークスを掻っ攫われたことで、当時のイギリスの新聞には「歴史的な屈辱」「国家の悲劇」とまで書かれることになった。

その後パールダイヴァーは母国でパリ大賞に出走するが8着に敗れ、セントレジャーステークスでもSayajiraoの4着に敗北した。

4歳時になってもレースを続け4月のアルクール賞(2150m)に優勝したが、その後はハードウィックSやプランスドランジュ賞で3着と善戦する程度で、最後のレースになった凱旋門賞ではMigoliのはるか後方で終えた。

通算14戦4勝。

種牡馬として

引退後パールダイヴァーはイギリスのライムストンスタッドで種牡馬として供用されるが勝ち馬に恵まれず1957年に日本に売却された。日本では旧八大競走勝ち馬こそ出せなかったものの、桜花賞・オークス2着、菊花賞3着のパスポート、中京記念・大阪杯優勝馬のテツノオーを出すなど活躍し、1971年に死亡した。

血統表

Vatellor 1933 鹿毛	Vatout 1926 鹿毛	Prince Chimay	Chaucer
			Gallorette
		Vasthi	Sans Souci
			Vaya
	Lady Elinor 1919 鹿毛	Teddy	Ajax
			Rondeau
		Madame Royale	Tarquin
			Royal Abbess
Pearl Cap 1928 鹿毛 FNo.16-b	Le Capucin 1920 鹿毛	Nimbus	Elf
			Nephte
		Carmen	Sidus
			La Figlia
	Pearl Maiden 1918 黒鹿毛	Phaleron	Gallinule
			Mrs. Butterwick
		Seashell	Orme
			Rydal Fell
競走馬の4代血統表

クロス：Gallinule 4×5(9.38%)、St. Simon 5×5×5(9.38%)、Flying Fox 5×5(6.25%)

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関連項目

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