アスクビクターモア 単語


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アスクビクターモア

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アスクビクターモア(Ask victor more)とは、2019年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。

主な勝ち鞍
2022年:菊花賞(GI)、弥生賞(GII)

概要

アスクビクターモア
Ask victor more
生年月日 2019年4月1日
馬種 サラブレッド
性・毛色 牡・鹿毛
生産国 日本JPN
生産者 社台ファーム
(北海道千歳市)
馬主 廣崎利洋HD
調教師 田村康仁(美浦)
馬名意味 冠名+「勝者」+
共同所有馬用冠名
戦績 12戦4勝[4-1-3-4]
獲得賞金 3億4527万5000円
競走馬テンプレート

父ディープインパクト、母カルティカ、母父Rainbow Questという血統。

父は説明不要の無敗三冠馬にして、目下10年連続でリーディングサイアーを獲得する大種牡馬。本馬はその11年目の産駒にあたる。なお、ディープインパクトの最終世代である12年目産駒は、競走馬として登録されたのが日本6頭・海外6頭のみのため、まとまった数の産駒がいる世代としては実質最後になる。

母は未出走馬だが、その牝系からはアグネスレディーとその子孫(アグネスフローラ・アグネスフライト・アグネスタキオン)を始めとした多数の活躍馬が輩出されている。近年ではリスグラシューが有名か。アスクビクターモアは3番仔にあたる。

母父は繰り上げながら凱旋門賞を制した馬。日本ではサクラローレルの父として有名であろう。

2019年4月1日に千歳市の社台ファームで誕生。翌年のセレクトセールでコンサルティング会社社長の廣崎利洋(主な所有馬に2015・16年ヴィクトリアマイル連覇のストレイトガール、2015年桜花賞馬のレッツゴードンキなど。近年はアスクの冠名を用いる)に1憶8700万円で落札され、社台ファーム代表の吉田照哉と共同所有する形となった。

勝者(Victor)への道

2歳(2021年)

美浦の田村康仁厩舎に入厩し、順調に成長したアスクビクターモアは、2021/6/26の新馬戦(東京・芝1800m)にて、鞍上に戸崎圭太を迎えてデビューする。1.9倍の圧倒的な支持を受けたが、レースでは先行策をとったものの5番人気のアサヒとの叩きあいに敗れ、その2頭を外からまとめて交わしていった3番人気ジオグリフの3着。

夏休みを挟んでの次走、9/20の2歳未勝利戦(中山・芝1800m)ではアサヒと再戦するが、今度はアサヒ(2.1倍)とさほど差のない2番人気(2.3倍)。だが、レースでは並ばせず押し切り、初勝利をあげた。

3戦目は10/23のアイビーステークス(L・東京・芝1800m)。ここ2戦の内容の良さから1番人気に推されるも、馬群を抜けるのに手間取っているうちに2番人気のドウデュースに置いて行かれ、必死に追いすがるも3着。

2021年はこれで終了。3戦1勝、敗れた2戦も内容はよく、なによりレースの1着が片やGI馬、片やGIII馬である。才能は感じられたが、詰めの甘さも感じる2歳戦であった。

3歳(2022年)

明けて早々、1月5日の1勝クラス(中山芝2000m)。鞍上は戸崎騎手から田辺裕信へ乗り替わりとなった。1.9倍の1番人気に推され、レースでは2番人気レヴァンジルとの叩きあいをクビ差制して2勝目を挙げる。

次走はテプ記弥生賞とスプリングステークスの両にらみとなったが、距離が長いほうが良さげと判断され、弥生賞ディープインパクト記念(GII)に赴く。
ここには、アイビーステークスで後塵を拝したドウデュースも歩を進めていた。無敗で朝日杯フューチュリティステークスを制し、主戦の武豊には初の朝日杯勝利を、馬主のキーファーズには初のGI勝利をもたらした彼は当然、1番人気(2.2倍)。しかしアスクビクターモアもドウデュース相手でも対抗できると判断されたか、3番人気(6.7倍)に推された。

レース本番。ビクターモアは大外から先頭集団に取り付き2番手につけ、初の2000mであるドウデュースはその後方4、5番手に控える。最終直線、いつものように先頭に立つビクターモアだが、ドウデュースは外に持ち出そうとするところをボーンディスウェイに運悪くふさがれる形になった。それでも抜け出して猛追をかけてきたドウデュースだが、そんな不利を受けた状態で勝てるほどビクターモアは弱くない! クビ差抑えきり、初重賞制覇となった。ちなみにここまで中山で3戦3勝、完全なる中山巧者である。

優先出走権も確保し、臨むは皐月賞(GI)。1番人気ドウデュースが3.9倍つく混戦模様の中、ビクターモアは前走の勝利とここまでの中山巧者っぷりもあってか、6番人気とはいえ9.9倍に推される。
レースはというと、逃げを打つと目されたデシエルト(若葉ステークス勝馬)がまさかの出遅れ。ビクターモアは2枠2番と内枠であったこともあり、2番手まで押し上げてきたデシエルトにつつかれながら逃げを打つ形になる。レースは1000m60秒2と平均ペースで、ドウデュース以外の有力馬は前目につける苦しい展開。直線入ってからもしばらく粘ったものの、外から襲い掛かってきたジオグリフとイクイノックスにはちぎられ、さらに後方から飛んできたドウデュースと内を突いたダノンベルーガにも差されての5着に終わる。
とはいえドウデュースからはクビ-クビ差。オニャンコポン(京成杯勝馬)は抑えきって掲示板を確保し、優先出走権を確保したのは、紛れもないビクターモアの実力であろう。

東京優駿(GI)では、またしても2枠3番の内枠。ここまでの府中戦績が2戦0勝ということもあり、人気はガクッと落ちて7番人気(24.7倍)。それにしても前走負かしたオニャンコポン(6番人気)以下とはどういうことだ。
レースは、今回はスタートをきっちり決めたデシエルトがハイペースで飛ばす中、それを無理に追わず、いつも通りの2番手につける。そのまま1000m58秒9のハイペースで走り、最終直線で力尽きたデシエルトを交わして先頭に立つが、流石に消耗激しく外ラチへよれまくってしまう。そして、後方待機策からの大外一気を選んだドウデュース(地味にビクターモアのよれで邪魔をされている)とイクイノックスにあっという間に交わされてしまい、内からは1番人気ダノンベルーガの強襲を受ける。しかしビクターモアは最後の力を振り絞り、ダノンベルーガをクビ差抑えきっての3着。3連単は15,770円とそこそこついた。

夏は放牧で休養し、秋は得意の中山・セントライト記念(GII)から始動。先行策から直線入口先頭、といういつものパターンにもちこんだが、ビクターモアを徹底マークしていたガイアフォースに並びかけられる。一歩も引かない根性を見せたが、最後はアタマ差の2着に敗れた。

優先出走権を獲得し、次走は本番の菊花賞(GI)へ。皐月賞馬ジオグリフが秋天、ダービー馬ドウデュースが凱旋門賞へ赴き、前年度に続いてクラシック勝馬2頭が不在のレース。皐月賞・ダービー2着のイクイノックスも秋天へ向かったので春二冠の連帯馬が1頭もいないという混戦メンバーとなり、ビクターモアは上がり馬ガイアフォースに次ぐ2番人気に支持された。

本番は外目の7枠14番から好発進。内からセイウンハーデスがロケットスタートを切っていったので先に行かせ、やや離れた2番手につける、いつものパターンに入る。しかしセイウンハーデスは1000m58秒7という超ハイペースで飛ばし(またか!)、ビクターモアはこれを追いかけつつ、後ろから複数の馬につつかれる、決して楽ではない競馬を強いられる。
3角でセイウンハーデスが力尽きたところで、鞍上の田辺騎手は早々にかわして4角手前で先頭に立つ積極策に出る。そのままギアを上げ、崩れていく先行馬を置き去りに直線に入った。一時は4馬身近いリードを取ったものの、早め先頭の分もあってゴール前で脚が鈍り始める。そこへ中団後方で待機していたボルドグフーシュが急襲。差はみるみる縮まり、外から完全に並ばれたところでゴール板を通過した。

勢いは完全に外のボルドグフーシュだったが、写真判定の結果、ハナ差でアスクビクターモアに軍配が上がった。クラシック最終戦にして悲願のGI勝利を遂げたのである。勝ち時計はナリタトップロードが21年にわたって保持していた、阪神芝3000mのコースレコードを塗り替える3分2秒4。田辺騎手もロゴタイプで逃げ切った2016年安田記念以来6年ぶりのJRA・GI3勝目。インタビューでは「3分走ったので疲れました」と言いつつも笑顔をのぞかせた。更に、この勝利で父ディープインパクトは2011年の桜花賞を勝った初年度産駒マルセリーナから始まって12世代連続でクラシックホースを輩出するという偉業を成し遂げた。

2022年はこれにて終了。ちなみに、秋の古馬GI級競走ではビクターモアと同期のイクイノックス、セリフォス、ヴァレーデラルナが勝利していた。翌年以降の飛躍馬が多い菊花賞馬として、アスクビクターモアもハイレベルな22年クラシック世代をけん引する存在となることが期待された。

4歳(2023年)

明けて4歳春。陣営は大阪杯か天皇賞(春)を見据え、最終的に後者を選択。

始動戦として選ばれたのは日経賞(GII)。先輩菊花賞馬であり、昨年の春天&宝塚記念の覇者タイトルホルダーとの初対決を迎えることになったが、タイトルホルダーは秋に調子を落としていたこともあって、アスクビクターモアは単勝1.6倍の一番人気に推された。
しかし、レースではテンションが上がったことによる出遅れと、雨の不良馬場が響き、タイトルホルダーが復活の圧勝劇を見せた後方、不完全燃焼の9着に終わる。

本番、天皇賞(春)(GI)。鞍上は田辺騎手から横山武史に乗り代わりとなった。新装なった京都競馬場で巻き返しを狙うも、いまいち調子が上がらず、失速・競走中止した馬の影響も受けてしまう。昨年の菊花賞では3着に下したジャスティンパレスの後方、11着入線となってしまった。

次戦、宝塚記念(GI)も前目での競馬で挑んだが、前総崩れのレースとなり、またも11着。ちなみに勝馬はやはり同期のイクイノックスであった。

突然の訃報

同期たちが輝かしい活躍を見せる中、アスクビクターモアは秋に備えて英気を養うべく放牧に入った。折しも日本列島は、ここ数年の気温上昇が更に酷くなり、災害級の猛暑に見舞われようとしていた。

7月末に福島県で行われた相馬野馬追に参加した馬の内、11頭が熱中症となり2頭が死亡したという発表から2日後の、8月9日。アスクビクターモアが熱中症による多臓器不全を発症し、8月8日に死亡したというJRAの公式発表が行われた。

JRAは2017年から暑熱対策を強化しており、実際に同年度から熱中症になった馬の頭数はほぼ横ばいである。しかしそれにも関わらず、復活を切望される現役GIウィナーが放牧中に罹患し、落命したというショッキングなニュースは、競馬ファンに大きな衝撃を与えた。

同年秋の古馬中距離路線では、同世代のイクイノックスが春に続いて圧巻の走りを見せ、世界最強の血を後世に残すため引退。その後の有馬記念ではドウデュースが武豊を背に復活劇を演じた。またクラシックで鎬を削ったジャスティンパレス、ダノンベルーガ、ガイアフォースらもG1で掲示板に入る活躍を見せて彩を添えている。そこに、直線で粘り込みを図るアスクビクターモアの姿を見る事は2度と叶わなかった。しかし、彼が刻むはずだった更なる蹄跡を歩むライバル達によって、菊の勝者の強さは語り継がれる。

血統表

ディープインパクト
2002 鹿毛
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
*ウインドインハーヘア
1991 鹿毛
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere
*カルティカ
2005 鹿毛
FNo.1-l
Rainbow Quest
1981 鹿毛
Blushing Groom Red God
Runaway Bride
I Will Follow Herbager
Where You Lead
Cayman Sunset
1997 鹿毛
Night Shift Northern Dancer
Ciboulette
Robinia Roberto
Royal Graustick
競走馬の4代血統表

クロスNearco 5×5(6.25%)、Native Dancer 5×5(6.25%)

関連動画

初重賞制覇

春クラシック2戦

菊花賞

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関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • ディープインパクト
  • 2022年クラシック世代
    • ドウデュース(ダービー馬、1勝3敗)
    • ジオグリフ(皐月賞馬、1勝2敗)
    • イクイノックス(天皇賞馬、皐月ダービー2着、0勝2敗)
    • ジャスティンパレス(天皇賞馬、3勝2敗)
    • ダノンベルーガ(1勝1敗)
    • ガイアフォース(1勝1敗)
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