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この記事は日本の競走馬について記述しています。 地上絵については地上絵の記事をご参照ください。 |
ジオグリフ(Geoglyph)とは、2019年生まれの日本の競走馬。栗毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2021年:札幌2歳ステークス(GⅢ)
2022年:皐月賞(GⅠ)
父*ドレフォン、母アロマティコ 、母父キングカメハメハという血統。
父は9戦6勝したアメリカの競走馬で、6ハロンから7ハロンのGⅠを3勝したスプリンター。ジオグリフら2019年産が初年度産駒となる。
母はジェンティルドンナが勝った2012年秋華賞の3着馬。27戦6勝、最高勝ち鞍はオープン特別の巴賞だが、2013年エリザベス女王杯でも3着と牝馬重賞戦線でたびたび好走を見せた実力馬であった。
母父はNHKマイルカップと東京優駿の変則二冠を達成した名馬で、多数の活躍馬を送り出してきた大種牡馬。
牝系も3代母アンデスレディーからインティライミが出ているなど活躍馬が多く、代々*ノーザンテースト、*サンデーサイレンス、キングカメハメハと重ねてきた、社台・ノーザン系の歴史そのものみたいな血統である。
2019年2月25日、ノーザンファームで誕生。オーナーはおなじみ一口馬主クラブのサンデーレーシング。募集価格は1口80万円×40口(=3200万円)であった。
馬名の意味は単に「地上絵」と登録されている。父父ジオポンティと母母ナスカからの連想か。
仕上がりは早く、6月26日の東京競馬場での新馬戦(芝1800m)でデビュー。3番人気に留まったが、道中3番手で進めると、直線残り200mから一気に加速、前で叩き合っていたアサヒとアスクビクターモアをまとめてかわして1馬身半差の快勝デビューを飾る。
2戦目は9月4日の札幌2歳ステークス(GⅢ)。1番人気に支持される。ゲートの中でややエキサイトして最後方からのレースになったが、3コーナーからどんどん押し上げて楽々の手応えで捲ると、直線では後続を突き放す一方。アスクワイルドモアに4馬身差をつける圧勝で重賞初制覇。
父ドレフォンが短距離馬だったこともあり、年末はホープフルステークスではなく朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)へ。前走の圧勝ぶりから、セリフォスに次ぐ単勝3.2倍の2番人気に支持される。また最後方からのレースとなったが、初めてのマイルのペースに戸惑ったのもあってか、今度は馬の反応が悪くなかなか上がって行けず、直線では大外から追い込んだものの前には届かず5着。
3歳初戦は定番の出世レース共同通信杯(GⅢ)で始動。単勝3.4倍の1番人気に支持され、前走の反省からか前目の先行策でレースを進める。しかし直線で抜け出しを図ったところで外から飛んでいたダノンベルーガにあっという間にかわされ、追いかけたものの1馬身半差の2着に敗れた。
収得賞金は確保できたので、トライアルを挟まず皐月賞(GⅠ)へ。初めての2000mだが、ルメールは「距離が延びても大丈夫」とコメント。そのルメールは同厩のイクイノックスに回ったため、鞍上は福永祐一へと乗り替わりとなった。混戦ムードの中、単勝9.1倍の5番人気。
好スタートを決めると道中は外目の6番手という好位で進め、そのまま直線でも絶好の位置を確保して、隣にいたイクイノックスとともに抜け出して同僚との叩き合いへ。外からはドウデュースが追い込んでくるが歯牙にもかけず、最後はイクイノックスを1馬身振り落としてゴール板に駆け込んだ。
「自分が上手く誘導すれば勝てる馬だと思っていた」と語る鞍上・福永の完璧なレース運びで同厩のライバルを打ち破り、一冠を獲得。福永はコントレイル以来の皐月賞2勝目。父*ドレフォンに初年度からクラシックの栄冠を捧げる勝利となった。
続いて短期放牧を挟んで日本ダービー(GⅠ)へ。鞍上は引き続き福永祐一。福永にとっては20年のコントレイル、21年のシャフリヤールに続く史上初のダービー3連覇がかかる一戦となった。ダノンベルーガ、イクイノックス、ドウデュースと人気を分け合う中、距離が不安視されたか、皐月賞馬ながら単勝5.9倍の4番人気。
レースはデシエルトがハイペースで逃げる展開の中、ダノンベルーガとぴったり並んで中団後ろ目につける。直線で前が潰れだすとダノンベルーガと並んで追い込んだが、戦前の不安視通りやっぱり距離が長かったか、残り200mで脚が止まって置いていかれ、7着に敗れた。
レース後の検査で右前第1指骨の骨折が判明。幸い手術の必要のない軽度なもので、秋に備えて休養に入った。
秋は距離適性を考慮し、菊花賞には向かわず天皇賞(秋)(GⅠ)に出走。鞍上も皐月賞・日本ダービーで組んだ福永祐一騎手が続投。イクイノックス、ダノンベルーガとともに3歳勢としてシャフリヤール、パンサラッサ、ジャックドールら古馬勢へと挑んだ。単勝9.1倍の5番人気。
レースはパンサラッサが単騎で猛然と大逃げを仕掛ける中、シャフリヤールを見ながら中団で進めるが、逃げるパンサラッサを捕らえるのに上がり32秒台を要求される直線の瞬発力勝負にはついていけず、同期2頭が32秒台の末脚で1着と3着に突っ込む中であえなく9着。
年末は海外遠征に向かい、同じく芝2000mの香港カップ(GⅠ)へ。鞍上はウィリアム・ビュイックとなった。レースは内目の枠から道中馬群に包まれてしまい、直線でも上手く進路を確保できず、特に見せ場のないまま6着。一応日本勢ではダノンザキッド(2着)に次ぐ着順ではあったが……。
明けて4歳はなんとダートのサウジカップ(G1)に登録。無事に選出され、古馬初戦が初のダート挑戦となった。鞍上は共同通信杯以来のクリストフ・ルメール。
レースは最内枠のパンサラッサがいつも通りハナを切り、ジオグリフは外からそれを追走。Taibaとクラウンプライドをかわして2番手につけ、パンサラッサをガッチリとマークして進める。4コーナーでTaibaが沈むのを尻目に、直線でも止まらないパンサラッサに食らいついていくジオグリフ。大外からCountry Grammerが猛然と追い込んできてゴール前でかわされ、最後はカフェファラオとの3着争いに僅かに競り負けて、パンサラッサの日本馬初制覇に惜しくも及ばずの4着。とはいえ賞金も皐月賞の勝利を上回る150万ドル[1]を獲得できたこともあって、ファンの間では前向きに好走を喜ぶ声も見られた。
その後ドバイワールドカップ(G1)に選出されたため受諾。引き続きルメールと2度目の海外ダートに挑んだ。
レースは中団馬群の中、テーオーケインズと同じような位置で進めたが、キックバックを被って集中力が切れてしまったようで、4コーナーで脱落。潰されて沈んだパンサラッサ(10着)からさらに10馬身以上離された11着に撃沈。
帰国し、次走は国内ダートとなる帝王賞と、メンバー次第では芝に戻っての宝塚記念(GⅠ)の両睨みだったが、最終的には後者を選択。イクイノックスがいるのでルメールは間違いなく騎乗は出来ず、3歳期の主戦であった福永は既に春先に引退していたため鞍上が誰になるかが注目されたが、なんと枠順発表まで公表されず、ファンの間では鞍上予想がTwitterのトレンドに上がるほど物議を醸す話題となった。結局、鞍上は岩田望来に決定。
しかしレース本番は同期のイクイノックスの怒涛の追い込みを眺める形で良い所なく9着に沈んだ。やはり芝でも2000m以上となると分が悪いようである。
という訳で次走は再びダートに戻りマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ)に出走を表明。サウジカップでの好走や父ドレフォンの産駒傾向を重視されてか、今年のフェブラリーステークス勝ち馬のレモンポップや同レース前年覇者のカフェファラオに次ぐ単勝5.7倍の3番人気と上々の評判を集める。
だが本番では序盤こそ3、4番手でレースを進めつつも中盤では追走が手一杯のありさま、最終直線では全くついて行けずにまたしても9着に惨敗。
大差勝ちを見せた勝ち馬のレモンポップはさておき、園田のイグナイター(2着)や地元岩手のゴールデンヒーラー(7着)など地方馬が意地を見せたレースでもあった分、それらに先着された皐月賞馬という光景は尚更ショックが大きかったようで、ファンの間には少なからず動揺と落胆の声が囁かれる結果となってしまった。
ちなみに宝塚記念と南部杯で引き続いて手綱を取った岩田望来騎手曰く「(バテてはないけど、)ダートをとらえられていなかったですね。個人的には芝の方がいい印象を受けました」とレース後のコメントでストレートにダートへの適性を否定していた。
ここまで言われたにもかかわらず、次走に選ばれたのはなんと中京1800mダートのチャンピオンズカップ(GⅠ)。
調教師の木村哲也師いわく「南部杯は根本的に体調面が上がらず、彼本来の走りができなかった。サウジカップはレースの形になっていたし、ダート適性はある」と前走の大敗は体調面にあったと判断を下したようで、チャンピオンズカップに際しては、ダートへの適性を否定した岩田騎手から、木村師が身元引受を務める短期外国人騎手のウィリアム・ビュイックへと鞍上を挿げ替えての挑戦となった。しかしここまで大敗を続いていた状況でのダートレース出走にいくらなんでもどうかと思われたのか、当日のオッズでは単勝48.1倍の10番人気というとても1年前の皐月賞馬とは思えないような評価を受ける。
レースの結果はというと、出走馬全15頭中の最下位15着[2]。木村師がレース前に異様に力説していたダート適性は、ご覧の通りであった。
露呈した距離の限界に加えて、要領を得ない陣営に振り回され続け、気づけば同厩のイクイノックスも引退し、ドウデュースも有馬記念で優勝と皐月賞で破った2頭に大きく差をあけられたまま4歳シーズンを終えた。
前年の結果を受け、ダート路線に見切りをつけた彼の5歳シーズン初戦は中山記念(GII)。久々の芝コースかつイクイノックス、ドウデュースを破った中山コースで復活を果たせるかとなったが、先行策から3着となり、久々に馬券に絡む結果と、復活の糸口は見いだせた。その後の大阪杯(GI)は5着、安田記念(GI)は6着と間違いなく芝のほうがあっていると感じさせる結果に。札幌記念(GII)は6歳勢がほとんど掲示板を占める中、3番手でそのまま粘り切り2着を確保。5歳世代の意地を見せた。
大金星を挙げた3歳の皐月賞以降4歳までは1度も馬券に絡むことがないままレースでは大敗の目立ったジオグリフ。芝に戻して何度か馬券に絡むが勝利にはいまだ至らぬが、いつかは皐月賞馬の復活なるか、彼個人の活躍と奮闘に期待したい。
*ドレフォン 2013 鹿毛 |
Gio Ponti 2005 鹿毛 |
Tale of the Cat | Storm Cat |
Yarn | |||
Chipeta Springs | Alydar | ||
Salt Spring | |||
Eltimaas 2007 鹿毛 |
Ghostzapper | Awesome Again | |
Baby Zip | |||
Najecam | Trempolino | ||
Sue Warner | |||
アロマティコ 2009 栗毛FNo.19 |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | *ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
ナスカ 2003 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | |||
アンデスレディー | *ノーザンテースト | ||
ペルースポート |
クロス:Mr. Prospector 4×5(9.38%)、Raise a Native 5×5(6.25%)
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掲示板
428 ななしのよっしん
2024/12/31(火) 10:42:18 ID: VOWPCliORi
初年度産駒だし適正とかわかんないのが普通よな
下手でさえダート短距離の父から出た皐月賞馬っていうイレギュラーだったし
来年は中山記念から大阪杯のローテなんかねやっぱ
429 ななしのよっしん
2025/01/17(金) 12:11:53 ID: EyFPfCvWUc
東京新聞杯からだそうな。
430 ななしのよっしん
2025/01/29(水) 17:56:59 ID: oKKvwVt/Mr
でもまあギルデッドミラーやタガノビューティーらを完封したこともあるデシエルトに比べると明白にダート期間が余計だったんだよな
サウジは年によっては欧州芝適性の馬でも勝てたりするし、パンサラッサでも消耗し切る前にゴールに飛び込める馬場になったりする変な競馬場だからさ
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最終更新:2025/02/07(金) 05:00
最終更新:2025/02/07(金) 05:00
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