クラウンプライド(Crown Pride)とは、2019年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牡馬。
父リーチザクラウン、母エミーズプライド、母父キングカメハメハという血統。
父は2009年の日本ダービー2着馬。気性面の問題もあり勝ち鞍はGⅡ止まりだが、父スペシャルウィークのサイアーラインを継ぐため種牡馬入り。初年度産駒の勝ち上がり率が非常に優秀で社台スタリオンステーションに栄転したものの、2021年までに中央重賞馬は2017年のシンザン記念を勝った初年度産駒のキョウヘイのみで、2021年から元のアロースタッドに戻された。クラウンプライドは社台スタリオン時代の産駒である。
母エミーズプライドは地方で27戦9勝。クラウンプライドが初仔である。
母父は説明不要の非サンデー系筆頭の大種牡馬。
スペシャルウィークの直系であることに加え、血統表を見ると、父母父はSeattle Slew、父母母母父にSecretariat。母系は母母父アグネスタキオンに、3代母エミスフェールは父*ホワイトマズル、父父*ダンシングブレーヴ、母父*トニービンを持ち、牝系はマルゼンスキーと同じという、非常に趣深い血統である。
2019年5月4日、千歳市の社台ファームで誕生。オーナーは社台ファーム代表の吉田照哉。
馬名は父名の一部+母名の一部というシンプルな命名。意味は「王冠の誇り」として登録されている。
開業2年目の新谷功一厩舎(栗東)に入厩し、デビューは2021年10月3日の中京の新馬戦(ダート1800m)。鞍上は幸英明で、5番人気だった。先行集団を見る位置でレースを進め、砂を被って折り合いを欠きながらも、直線で外に持ち出すとあとは突き放す一方で6馬身差の圧勝デビューを飾る。
続いて11月の1勝クラス・もちの木賞(阪神ダート1800m)。今回も4番人気だったが、今度は砂を被らない位置での先行策で進め、直線で抜け出すと2着は3馬身、3着は11馬身ぶっちぎって2戦連続の圧勝。
この2戦圧勝で陣営は選出されていた兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ)を回避して、12月の全日本2歳優駿(JpnⅠ)に登録したものの、収得賞金が足りず補欠2位となり出走ならず。ちなみに補欠1位で1頭回避が出たため出走できたのが断然人気で勝ったドライスタウトだったりする。
明けて3歳初戦は2月のヒヤシンスステークス(L)。鞍上はミルコ・デムーロ。3番人気に支持されたが、スタートで盛大に出遅れてしまい、3コーナーから押し上げて追い込んだものの伸びきらずコンバスチョンの6着。
続いてはドバイへ遠征し、コンバスチョン、レイワホマレ、セキフウとともにUAEダービー(GⅡ)へ。鞍上はダミアン・レーン。前方外目の好位からレースを進めると、4コーナーからどんどん押し上げて先頭を狙う。残り200mからぐんぐんと伸び、逃げ粘るSummer is Tomorrowを並ぶ間もなくかわすと、あとは突き放して2と3/4馬身差をつける完勝。
2016年のラニ以来史上2頭目の日本馬によるUAEダービー制覇。新谷師も開業3年目で嬉しい重賞初制覇を海外で飾った。鞍上のレーンもメイダンは初参戦で、「ドバイでの初騎乗のレースで勝てるなんて夢のようです」とコメント。
続いては帰国せずそのままアメリカに向かい、鞍上はクリストフ・ルメールを迎え、日本調教馬として史上4頭目の挑戦となるアメリカクラシック三冠の第1戦・ケンタッキーダービー(GⅠ)に挑んだ。日本ダービー馬の血を引く馬がケンタッキーダービーに挑むのは史上初である。父リーチザクラウンが届かず、祖父スペシャルウィーク・キングカメハメハが日本で手にした"ダービー"の冠に、曾祖父サンデーサイレンスやシアトルスルーがその栄冠を手にしたアメリカ・チャーチルダウンズ競馬場で果敢に挑んだのだが……。
好スタートを決めてあっさり2番手につけたところまでは良かったのだが、スタートダッシュがあまりに速すぎて、先頭で逃げたSummer Is Tomorrowの刻んだラップは最初の800mが45秒36という、現地の実況も驚くレベルの超超超ハイペースになってしまう。日本とアメリカのダートは性質が違い、アメリカ競馬はテンから飛ばしていくのが基本とはいえ、スプリント戦並のこんなペースで2000m保つはずはなく、クラウンプライドを含めた先行勢は直線で全滅。補欠繰り上がりの最低人気馬Rich Strikeが勝つという大波乱の後方で13着に敗れた。
二冠目のプリークネスステークスには向かわず帰国し、次走はジャパンダートダービーを予定していたが、長期遠征やアメリカでの超ハイペース激走の疲れが抜けなかったようで回避。
じっくり秋まで英気を養い、復帰戦は9月の日本テレビ盃(JpnⅡ)。鞍上は初騎乗の福永祐一。JDD組のノットゥルノ、ペイシャエスに加え、地方からは古豪サルサディオーネとミューチャリーが参戦し、ダート3歳勢のレベルを計る戦いにもなった。1番人気はペイシャエス(2.2倍)、2番人気はサルサディオーネ(4.4倍)で、クラウンプライドは5.1倍の3番人気。
フルデプスリーダーがゲート内で暴れ競走除外となり、入れ直しとなって発走が遅れるアクシデントの中始まったレース。いつも通りロケットスタートでサルサディオーネが逃げ、ノットゥルノが2番手でそれをマーク、クラウンプライドはその2頭を見ながら3番手に構える。4コーナーで振り落とされたノットゥルノを横目にサルサディオーネに迫り、直線残り200mで捕まえて先頭――に抜け出した瞬間、外からカッ飛んできたのは7番人気、船橋の8歳馬フィールドセンス! 最後は半馬身差し切られて悔しい2着。JBCクラシックの優先出走権を逃した。
そんなわけでJBCクラシック(JpnⅠ)は賞金的に出走が危ぶまれたが、チュウワウィザードの電撃引退などもあってか無事に選定されたため、引き続き福永を鞍上に参戦。テーオーケインズに次ぐ4.4倍の2番人気に支持される。
レースは積極的に逃げる馬がいなかったため、先行争いの中で先頭に立って逃げる格好に。緩いペースで逃げ、直線でも後続を突き放して粘ったが、外からテーオーケインズにかわされての2着。現役最強の帝王に貫禄を見せつけられた。福永は「ペースが上がらない中で、逃げるのはプランのうち。GⅠを勝つ力はある。コーナーワークが上手ではないので、広いコースならもっと力を発揮できると思う」とのコメント。
引き続き福永とともにチャンピオンズカップ(GⅠ)へ。JBCクラシックで2着とはいえ、内容的にはテーオーケインズとの勝負付けは済んだと見られたか、1.5倍と断然評価のテーオーケインズに対して14.3倍の4番人気まで評価を落とす。
ところがレースではそのテーオーケインズが出遅れて外回しになる思わぬ展開。クラウンプライドは宣言通りに逃げたレッドソルダードを見ながら道中2番手につけ、直線に入口でかわして先頭に立つ。外回しのせいか伸びないテーオーケインズを突き放し、そのまま押し切るかと思われたが、そこで後ろから飛んできたのはダート転向で覚醒した5歳の上がり馬ジュンライトボルト! ゴール寸前にクビ差かわされ、またしても2着。4着のテーオーケインズには着順の上ではリベンジしたが、悔しい敗戦となった。
明けて4歳はサウジカップ(G1)に登録。レーティング的に招待が届くか危ういところだったが、優先出走権を持つペガサスWC勝ち馬アートコレクターが回避したことで招待枠に滑り込んだ。鞍上にはUAEダービー以来のダミアン・レーンを迎えた。
レースは最内枠からいつものようにパンサラッサが逃げ、クラウンプライドはケンタッキーダービーで戦った(そして一緒に沈んだ[1])アメリカのTaibaとともにそれを追う。途中でジオグリフが上がってきて4番手に下がったが、コーナーでTaibaがついていけなくなり脱落、3番手で直線へ。止まらないパンサラッサを外から追いかけたが、大外から飛んできたCountry Grammerにかわされ、内から来たカフェファラオにも競り落とされて5着。4歳馬としては充分すぎる大健闘と言えるが、今回も勝ちきれなさが出てしまった感じの悔しい結果であった。まあフェブラリーS勝利[2]以上の賞金100万ドル(1億3186万5000円)をゲットしたので、挑んだ甲斐はあったというものだろう。
この好走もあってドバイワールドカップ(G1)の招待が届き受諾。引き続きドバイへ転戦し、次なるビッグタイトルへと挑む。
過去に3歳でJBCクラシック連対を果たした馬はアドマイヤドン、アジュディミツオー、フリオーソ、サクセスブロッケン、オメガパフュームという錚々たる面々。実力を見せながらどうにも勝ちきれずシルコレ街道が続くが、偉大な先達に並び立つべく、誇りある王冠を掲げることを目指して戦いは続く。
リーチザクラウン 2006 青鹿毛 |
スペシャルウィーク 1995 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
キャンペンガール | マルゼンスキー | ||
レディーシラオキ | |||
クラウンピース 1997 鹿毛 |
Seattle Slew | Bold Reasoning | |
My Charmer | |||
*クラシッククラウン | Mr. Prospector | ||
Six Crowns | |||
エミーズプライド 2012 鹿毛 FNo.5-g |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
エミーズスマイル 2004 栗毛 |
アグネスタキオン | *サンデーサイレンス | |
アグネスフローラ | |||
エミスフェール | *ホワイトマズル | ||
グレイエミネンス |
クロス:*サンデーサイレンス 3×4(18.75%)、Mr. Prospector 4×4(12.50%)
掲示板
43ななしのよっしん
2023/02/27(月) 09:16:35 ID: ynBKW60DYb
1つ上の着順に完全にダート馬の挙動でめっちゃ行きっぷりが良い同世代皐月賞馬
2つ上にお前ワンターン左回りならどこでも良いんかいってツッコミたい最優秀ダート馬
そして勝ち馬に過去1回ダート試したけど惨敗した1800m専用機の陽キャ逃げ馬
試されすぎているクラウンプライド君……
44ななしのよっしん
2023/02/28(火) 23:27:58 ID: mOtDDb8k6u
パンサラッサが出る時点で覚悟はしてたが前半1000mが57.6秒と芝でもハイペースですありがとうございました
というやべえ展開になっていたようだ
ケンタッキーでも片鱗は見せてたがそれに着いてける純ダート馬って時点ですごいんだ…すごいんだよ…
なんというかあと一歩足りないだけ
45ななしのよっしん
2023/03/03(金) 15:36:58 ID: FWdt8tdGLX
先行のクラウンプライドにとってパンサラッサのペースで小差5着の粘り腰はかなり評価できると思う
国内ダートですでに結果出してるしG1を取れる機会もあるとかなり思える内容だったわ
急上昇ワード改
最終更新:2023/03/22(水) 15:00
最終更新:2023/03/22(水) 15:00
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