ドライスタウト(Dry Stout)とは、2019年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牡馬。
間違いなく古馬GⅠを狙える力を持ちながら、体質の弱さに悩まされたダート2歳王者。
主な勝ち鞍
2021年:全日本2歳優駿(JpnⅠ)
2023年:オーバルスプリント(JpnⅢ)、武蔵野ステークス(GⅢ)
父*シニスターミニスター、母マストバイアイテム、母父*アフリートという血統。
父はアメリカからの輸入種牡馬。競走実績はGⅠを1勝とそれほどでもなく安価に輸入された種牡馬だったが、ダート種牡馬として日本で大活躍。テーオーケインズを筆頭に多くの活躍馬を送り出している。
母は主にダート短距離を走って23戦3勝。ドライスタウトは第4仔。
母父も主にダート種牡馬として活躍し、産駒JRA1000勝を達成している名種牡馬。
というわけで、ゴリゴリのダート血統である。
2019年3月21日、日高町の下河辺牧場で誕生。オーナーは一口馬主クラブのYGGホースクラブ。募集価格は1.98万円×1000口(=1980万円)だった。
栗東・牧浦充徳厩舎に入厩。デビューは2021年9月26日、中京・ダート1200mの新馬戦。福永祐一を鞍上に、6.9倍の3番人気。雨で不良馬場の中、前2頭がハイペースで飛ばす流れを3番手で追走すると、直線で逃げ粘る2番人気ワセダタンクを断然の上がり最速35秒4で力強く差し切って2馬身半差をつける快勝デビューを飾る。タイムもレコードに0秒1差の好タイムで、鞍上の福永にJRA通算2500勝をプレゼントした。
続く2戦目は東京ダート1400mのオキザリス賞(1勝クラス)。鞍上はここから戸崎圭太が主戦となる。ここも5.9倍の3番人気だったが、好位先行から残り200mで楽々と抜け出すと、あとは後ろを突き放して5馬身差で圧勝。
この連勝でダート2歳王者決定戦・全日本2歳優駿(JpnⅠ)に登録したが、登録時点では賞金が足りず補欠1番手。幸い1頭回避馬が出て無事に出走できた。ちなみにこのとき補欠2番手で出走できなかったのがクラウンプライドだったりする。
単勝1.8倍の断然の1番人気に支持されたドライスタウトは、2番手追走から持ったままで4コーナーで逃げ馬を捕まえて先頭へ。直線で戸崎騎手が追い出すと後続の追撃を全く寄せ付けず、ラブミーチャンのレコードを0秒8も更新する1:39.2のレースレコードで2馬身半差の圧勝。戸崎騎手は「今日はこの馬とJpnIを獲りに来たので、こうして勝つことが出来て嬉しく思います」と満面の笑顔だった。
明けて3歳は背腰の疲労で長めに休みを取り、5月の兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ)から始動。ここも単勝1.8倍の断然の1番人気に支持された。だが……。
スタート直後、盛大に脚を滑らせ、お腹がつくほど体勢を崩してしまう。戸崎騎手はなんとか落馬せずに立て直して中団まで巻き返したものの、終盤のペースアップについていけず、ブリッツファングの圧勝のはるか後ろ、3秒近く離されての4着で初黒星を喫する。
このアクシデントで蹄やら球節やら右トモやらあちこち痛めてしまい、この後予定していたユニコーンSやジャパンダートダービーは回避。また長めの休養に入ることになってしまった。
結局また半年休み、11月の霜月ステークス(OP)で復帰。休み明けながら2.1倍の1番人気に支持されると、3番手先行から直線抜け出して快勝。戸崎騎手いわくまだ全然本調子ではなかったとのことだったが、改めて能力を見せつけた。
明けて4歳初戦は1月のすばるステークス(L)。ここでも1.8倍の1番人気。レースは速めのペースの中、中団でレースを進めたが、直線で馬群に包まれて進路を失ってしまう。なんとか外に持ち出して猛然と追い込んだものの、先に進路を確保したバトルクライにクビ差届かず2着。
そして大目標のフェブラリーステークス(GⅠ)へ。実績勢がほとんど海外に行き手薄なメンバーの中、根岸Sを勝ったレモンポップが本命と見られていたが、なんとあちらも主戦が戸崎圭太。戸崎騎手はこの2択でドライスタウトを選択、レモンポップは坂井瑠星騎手がテン乗りとなった。戸崎騎手がこちらを選んだということもあってか、レモンポップと人気を分け合い3.2倍の2番人気に支持される。
レースは前を行く3頭を見ながら1番人気レモンポップと馬体を併せるように中団前、全く同じ位置の内で進めたが、結果として直線に向いたとき外のレモンポップは前が空いたのに対し、内のドライスタウトは先行勢で前が塞がってしまう。レモンポップが抜け出してから外に出して追いかけるしかなく突き放され、追い込んできたレッドルゼルとメイショウハリオにも置いていかれて4着。この悔しい結果に戸崎騎手は「残念でしたが、また力をつけて近いうちに巻き返したいと思います」とコメントした。
交流GⅠ級出走には収得賞金が心もとないのもあり、続いてはかしわ記念ではなく名古屋のかきつばた記念(JpnⅢ)へ。大外枠ながら1.7倍の断然人気に支持された。レースは外目の3番手で進め、直線で抜け出しを図ったが、そこで並びかけてきたのは今年ダートグレード競走5戦5勝の川田将雅が騎乗する2番人気ウィルソンテソーロ。そのまま激しい追い比べとなったが、最後はハナ差競り負けて2着。ハンデ戦ゆえ勝ち馬とは2.5kgの斤量差があったし、同斤量のヘリオスは3馬身突き放したので内容的には負けていないが、かきつばた記念は1着賞金2800万円に対し2着賞金は980万円なのでゲットした収得賞金は490万円。賞金不安解消に向けては悔しいハナ差であった。
続けてさきたま杯に向かう予定だったが、外傷で回避。7月のプロキオンSも見送りとなり、復帰は9月のオーバルスプリント(JpnⅢ)になった。さきたま杯2着の船橋のスマイルウィと人気を分け合ったが、1.6倍の1番人気に支持される。
レースはすっと好スタートから2番手のスマイルウィをマークして外目の3番手で進めると、4コーナーで逃げるラプタスを捕まえたスマイルウィを直線で鮮やかに差し切って勝利。久々の重賞2勝目を挙げ、秋のGⅠ戦線へ向けて収得賞金的にも弾みをつける勝利となった。
しかしマイルCS南部杯は中2週弱という強行スケジュールとなってしまうため無念の回避となり、次走は武蔵野ステークス(GⅢ)へ。戸崎圭太が3歳馬オメガギネスに騎乗する予定だった(結局回避)ため、鞍上は横山武史がテン乗りとなった。3歳馬ペリエールに次ぐ4.2倍の2番人気。
今回も好スタートからスムーズに好位を確保しつつ、前2頭が後ろを離すのには付き合わず5番手で進める。直線でも前に邪魔なくすんなり外に進路をを確保すると、粘るケイアイシェルビーを残り200mで並ぶ間もなくかわし、あとは余裕を見せつつ後続の追撃を寄せ付けず1と3/4馬身差という着差以上の完勝。テン乗りでも関係なく重賞連勝を飾った。
この勝利で陣営は状態次第でチャンピオンズカップも視野とコメントしたが、やはり詰まったローテは体質的に厳しかったようで、結局登録はなく4歳を終える。
明けて5歳は根岸ステークスからフェブラリーステークスへ向かう予定だったが、根岸Sの1週前追い切りの後に歩様が乱れ、診断の結果は左前繋部浅屈腱炎。長期休養となってしまう。
2025年の復帰を目指し、12月に栗東に戻って調整を続けていたが、屈腱炎が再発。無念の現役引退となってしまった。通算10戦6勝 [6-2-0-2]。
間違いなく古馬でもGⅠ級を狙える力を持っていたが、アクシデントや体質、そして怪我に悩まされて順調に使えず、その全貌を見せることのないまま去ることになったドライスタウト。
2025年からはブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬入りするとのことで、*シニスターミニスターの後継として産駒たちに夢の続きを託すことになる。
初年度は満口になったものの蓋を開けてみると種付け数64頭。翌年の種付け料発表の際の備考に「上がり馬不可」(初年度の繁殖牝馬お断り)、「状況次第で種付け牝馬に鎮静剤を使用」とあったことから初年度に何かアクシデントでもあったのかもしれない。
| *シニスターミニスター 2003 鹿毛 |
Old Trieste 1995 栗毛 |
A.P. Indy | Seattle Slew |
| Weekend Surprise | |||
| Lovlier Linda | Vigors | ||
| Lida Summers | |||
| Sweet Minister 1997 鹿毛 |
The Prime Minister | Deputy Minister | |
| Stick to Beauty | |||
| Sweet Blue | Hurry up Blue | ||
| Sugar Gold | |||
| マストバイアイテム 2007 黒鹿毛 FNo.1-l |
*アフリート 1984 栗毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
| Gold Digger | |||
| Polite Lady | Venetian Jester | ||
| Friendly Ways | |||
| ビッグマリーン 2001 黒鹿毛 |
フジキセキ | *サンデーサイレンス | |
| *ミルレーサー | |||
| ドラゴンマリーン | *リアルシャダイ | ||
| *パーフェクトポイント |
クロス:Mr. Prospector 5×3(15.63%)
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最終更新:2025/12/05(金) 17:00
最終更新:2025/12/05(金) 16:00
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