オニャンコポン(競走馬) 単語

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キョウソウバノオニャンコポン

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セレクトセール800万円のが、進撃のスターダムへ!

さあ、頼んだよ!菅原明良

――2022年皐月賞 倉田大誠アナウンサーフジテレビ

任せてください明良さん! 11番、オニャンコポン

――同上 小塚歩アナウンサーラジオNIKKEI

オニャンコポン(英: Onyankopon)とは、2019年生まれの日本競走馬である。鹿毛。美小島茂之厩舎所属。

な勝ち
2022年京成杯GⅢ

概要

エイシンフラッシュシャリオドールヴィクトワールピサという血統。

2010年日本ダービー2012年天皇賞(秋)を制した名競馬となった秋天上のM.デムーロ騎手上から降りて最敬礼したエピソードは有名。現役時代は長らくGⅠ戦線で馬券内に顔を出し、名前の通り「閃光」と讃えられた猛な末脚と「完璧」とまで言われた体で多くのファンを魅了したが、種牡馬としては2021年末時点で地方重賞を出すにとどまっており、やや苦戦気味である。
日本として初めてドバイワールドカップを制した歴史的名であり、エイシンフラッシュとは同期ライバルでもある2010年皐月賞2010年クラシック世代ファンには心躍る配合である。こちらも種牡馬としては期待されたほどの結果を出せず、2020年末にトルコに輸出されてしまった。
は未勝利でその第2であるが、さらにそのイギリスマイルG1サンチャリオットSを2009年から2011年にかけて3連覇し、マイルCSにも3年連続で来日したサプレザだったりする。

系を辿ると米国産のKing's Bestを経てキングマンボ系に行き着くのだが、の出自もあって血統表のあちこちに独、英、といった欧州の血も散りばめられた際色豊かな血統である。

2019年2月11日千歳市の社台ファームで誕生。同年のセレクトセール田原邦男な所有馬2008年秋華賞ブラックエンブレムに落札されたが、他に手を挙げるオーナーはおらず、落札価格は最低価格の800万円と同セールでは下から4番の低額落札であった。
落札の決め手は田原オーナーエイシンフラッシュヴィクトワールピサファンだったことだそうである。ここ数年所有馬勝利を挙げられておらず、もう馬主を辞めようかと思っていたという田原オーナーは、オニャンコポンが結果を出したことで今後も馬主を続ける決心がついたとか。

馬名

一見するとおニャン子クラブでも由来にしたのかといいたくなるような珍名馬にしか見えないが、その実アカン語(西アフリカガーナで用いられている言)で「偉大な者」という意味合いを持つ。ちなみにこれはガーナで信仰されている天空(世界を作った神様)の名前でもある。

田原オーナーによると「オニャンコポン」という単を知ったのは『進撃の巨人』からで、そのあと上述の神様名前であることを知ったそうな。それに加えて「クラシックを走る2022年は『にゃんにゃんにゃん』の年」「スタートを『ポン』と切ってくれるように」といった意味も重ね合わせて命名されたという。おかげで本来『オニャンコポン』と一息で呼ぶはずのアクセントが『おニャン子 ポン!』といったアクセントで呼ばれることが多々。あとやっぱりおニャン子クラブファンだそうである。
なお、彼はデビュー前に名して現名になったのだが、名前名は「レオンハート」。

余談ながら、田原氏の所有馬エヴァアヤナミスタープラチナエクシアシナンジュ、クシャトリアエスデスナイトレイドグリード、アイオリア、アイアンメイデン…等、分かる人には分かるであろう方向性で非常に濃い

香港名

京成杯勝利した際に、田原オーナーは今後香港レースに出走することがあれば、漢字表記は天空にする予定と発言していた。

しかしながら香港ジョッキークラブ翻訳は、当地で馬券の販売されるレースに登録されている全ての競走馬に対してなされる。オニャンコポンは該当レースである2022年皐月賞に登録したので、それに先立って香港名がつけられることになった。

HKJCオーナーの意向を知らなかったため、当初は「偉績功」と発表されていたが、オーナーの要望により「天空」へ変更された。このような変更は認められており、過去にはカレンチャンが「」から「機伶」へ変更されたことがある。

偉大な天空神

2歳(2021年)

2021年、数多くの珍名馬競馬を賑わせていた。プリコネ必殺技が由来の「プリンニシテヤルノ」、食べ物由来の「サバノミッソーニ」「ブタノカックーニ」「スモモモモモモモモ」、オープンまで勝ち上がった「オヌシナニモノ」「アイアムハヤスギル」、GⅠの「アカイトリノムスメ」「アカイイト」などなど…。

そんななか同は21年9月中山新馬戦(芝2000m)にて、上に3年の若手騎手菅原明良を乗せてデビューに未だ立った活躍産駒がいなかったこともあり12頭立ての6番人気(単勝32.0倍)ながら、直線で楽々抜け出して勝利を飾る。この時には数いる珍名馬の1頭としてさほど気に留められることはなかった。

2戦11月7日に行われた2歳1勝クラス百日草特別東京・芝2000m)。前年の勝ちエフフォーリア、2年前の2着はこの翌週にエリザベス女王杯を勝つことになるアカイイトという流れの良い出世レースである。
しかしそんなことよりも、実はこの日、各地の競馬場珍名馬が好走を続けていたのだ。

東京9Rとして開催された本レースにも視線が注がれる中、4番人気オニャンコポンは前走同様に先行策から直線で抜け出し、迫るホウオウプレミアをクビ差いで勝利オープン入りを果たす。

その後実施のレースでも

と2頭の珍名馬が1着になったことで盛り上がりを見せた。そんな中で本名前がしっかりした由来に基づくことを知った人も多かった。まあ普通ガーナ神様なんか知らないよな…。

傷の2連勝で次走が注されたが、営は強気にGⅠホープフルステークスを選択。いきなり大舞台で当の名が実況されることとなった。本番では単勝17.3倍の6番人気それなりの人気を集める。前2走同様に先行するも、熱発での調整不足もあってか、外の好位につけながら4コーナーあたりから徐々に後退し、直線で全に失速。結局1番人気コマンドライン(12着)や3番人気のサトノヘリオス(13着)、5番人気アスクワイルドモア(10着)らとともに撃沈、キラーアビリティの11着に終わった。

3歳(2022年)

明けて3歳。次走は間を開けず、エイシンフラッシュの勝ちでもある1月16日GⅢ京成杯。出走一の2勝ながら、同条件の前走での惨敗と間隔の詰まりが懸念されてか、単勝13.2倍の6番人気であった。
レースでは好スタートを決めたが中は中団の前に抑え、3コーナー手前で一度後方に下げたが、直線で外から強く伸び、上がり最速の末脚で鮮やかに差し切り勝ち。嬉しい重賞勝利エイシンフラッシュとの子制覇&エイシンフラッシュ産駒JRA重賞勝利となった。また、ヴィクトワールピサとしても重賞勝利である。
それまではにも似た前競馬であったが、このレースではを思い起こさせる差し競馬を披露。

ただの珍名馬ではなく立重賞ホースとなったオニャンコポンは、GⅠ皐月賞へと乗りこんだ。順はなんと2010年皐月賞と同じ611番。21歳の菅原騎手クラシック初参戦となった。直行も多く1番人気ドウデュースが単勝3.9倍という混迷模様のなかオニャンコポンは19倍の8番人気
レースは中団から進め、前を行くジオグリフを見る位置で直線へ。そこから上がり4位の末脚で追いかけたが追いつけず、勝ったジオグリフからは0.4差、3~6着がクビ差という戦ながら惜しくも掲示板ダービーの優先出走権を逃す6着。とはいえその後、2着イクイノックス秋天、3着ドウデュースダービー、5着アスクビクターモア菊花賞を制し、4着ダノンベルーガ秋天3着に入るという世代の役たちに次ぐ6着と書けば立なものである。

続いてはGⅠ東京優駿。今度はヴィクトワールピサダービーと同じ47番。なんでどっちも勝った方じゃなく負けた方のを引くのか。ダノンベルーガイクイノックスドウデュースジオグリフが4強と見られる中、オッズは24.2倍と上位組からだいぶ離されたが6番人気とまずまずの評価を集める。
レースはデシエルトがハイペースで飛ばす流れの中、中段の後方内につける。しかしこの位置取りが災いして直線では固まった前が壁になり上手く進路を確保できず、最後は外に持ち出したが、レコード決着のなか8着まで。タイムは2:23.0と2:26.9)より4近く速く、脚を溜めてしぶとく2400mの距離にも対応はできたが、との子制覇とはならなかった。

は放牧で休養。その間、京都競馬場アイドルホースオーディションSTEP1の上位10頭に残ったものの、STEP2の決選投票では上位5頭に入れず、ぬいぐるみ化の権利を惜しくも逃した。

GⅡセントライト記念から始動。京成杯を勝った中山ということもあり、ダービー3着のアスクビクターモア(2.6倍)、上がりローシャムパーク(4.9倍)・ガイアフォース(5.1倍)に次ぐ単勝6.3倍の4番人気に支持される。
台風の接近で稍重の馬場となったレース本番。控えてもこの馬場では末脚勝負は厳しいと見たか、前アスクビクターモアを見ながら5番手での先行策を採る。4コーナーでは先頭集団と差のない好位置につけていたものの、そこから前で伸びたガイアフォースアスクビクターモアにはついていくことができず、直線伸びを欠き7着。菅原騎手は「距離は少し苦しくなったので2000メートル以下でリズム良く走らせたい」とのコメント

菊花賞に向かうかどうかを含め、の路線はこのレースの結果次第とのことだったが、小島く「距離2000mがぎりぎり」ということで菊花賞は断念し、今後は中距離戦での活躍を期することとなった。

というわけで11月2000m戦、GⅢ福島記念へ。出走一の3歳ながら、アラタ(4.1倍)に次ぐ4.7倍の2番人気に支持される。レースユニコーンライオン逃げ、先行集団と後方集団にはっきり分かれる隊列。オニャンコポンはアラタと並んで後方集団の先頭につけ、3コーナーから徐々に詰めていく。アラタと並んだまま外を回って直線に向き、そこから脚を伸ばしたものの、マイペース逃げ切ったユニコーンライオンや先行集団で進めたサトノセシルには届かず、アラタにも競り落とされて4着。菅原騎手は「もう少しペースが流れてくれたら良かった」とのコメント

4歳(2023年)

明けて4歳初戦は距離を短縮し、初のマイル戦となるGⅢ京都金杯から始動。56kgと出走したの中では一番軽いハンデを貰い、10.4倍の6番人気に支持された。
レースは後方の内から進め、直線では最内を通って上がろうとしたが、前のをかわすために外に進路を取ろうとしたタイミングで同じ進路にイルーシヴパンサーが来て塞がれてしまい、勝ったイルーシヴパンサーの後を追いかけたものの6着まで。菅原騎手は「初の1600メートルでしたが、すごくマッチしていると感じました」と前向きなコメントを残す。

続いてはGⅢ東京新聞杯に登録したが、京成杯から1年が経過して出走決定賞の加算ボーナスくなってしまい、賞不足であえなく除外となってしまう。
仕方ないので急遽翌週の阪神洛陽ステークスLへ。菅原騎手東京の先約があったため、代役で岩田望来がテン乗りとなった。人気割れる中5.9倍の4番人気
今回は好スタートから先行集団を行かせて中団でのレースを選択。直線では外から追い込んだものの、伸びきれずに6着に敗れた。

この後は一旦放牧に出して立て直すとのこと。

クラシックで世代の実の一であることは示し、その後も大崩れはしないものの、今のところ大きなタイトルを獲るにはもう一歩という感じのオニャンコポン。適性距離がどこなのかを含め、まだしばらくは模索と研鑽の日々が続きそうである。
ダービー天皇賞を制したや、世界の大舞台を制したのように名通り偉大なして、進撃ののりは続く。

各メディアの反応

その名前から、各メディアもそれにちなんだ反応を返している。

2022年京成杯

アニメ進撃の巨人公式Twitterが反応している。

2022年皐月賞

馬場入場にてフジテレビラジオNIKKEIが冒頭のように『進撃の巨人』をパロった実況を行った。

しかも、フジテレビハンジ・ゾエラジオNIKKEIオニャンコポンセリフであったため、申し合わせたかのように会話が成立してしまい、話題を呼んだ。

血統表

エイシンフラッシュ
2007 黒鹿毛
*キングベスト
1997 鹿毛
Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
Allegretta Lombard
Anatevka
*ムーレディ
1997 黒鹿毛
*プラティニ Surumu
Prairie Darling
Midnight Fever Sure Blade
Majoritat
シャリオドール
2013 栗毛
FNo.11-a
ヴィクトワールピサ
2007 黒鹿毛
ネオユニヴァース *サンデーサイレンス
*ポイテッドパス
*ホワイトウォーターアフェア Machiavellian
Much Too Risky
*サプレザ
2005 鹿毛
Sahm Mr. Prospector
Salsabil
Sorpresa Pleasant Tap
Dubiously

クロスMr. Prospector 4×5×4 (15.63%)、Kris 5×5 (6.25%)

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