オマタセシマシタ 単語


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オマタセシマシタ

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オマタセシマシタとは、

  1. 1999年6月7日生まれの日本の競走馬。芦毛の牡馬。
    オーナーは小田切有一氏。佐賀競馬に所属していたが未出走で引退した。
  2. 2020年3月31日生まれの日本の競走馬。鹿毛の牝馬。
    当初のオーナーはお笑いトリオ・ジャングルポケットの元メンバー、斉藤慎二氏。

本稿では2について解説する。

概要

父はジャングルポケット、母ハロウィーン、母父*エルコンドルパサーという血統。

父はアグネスタキオン、クロフネ、マンハッタンカフェといった強豪揃う2001年クラシック世代のダービー馬。種牡馬としても数多くのGIホースを誕生させており、トニービンの後継種牡馬として活躍していた。しかし、種牡馬引退後に体調を悪くし、2021年3月に帰らぬ馬となった。

母は中央で2着1回、地方で1着1回の成績だが、牝系はビューチフルドリーマーを祖とする日本在来の名牝系に属する。二代前の母に名マイラーニッポーテイオーやエリ女を制したタレンティドガールを産んだ名牝チヨダマサコがいる。

母父は最強世代と名高い1998年クラシック世代の一角であり、国内だけでなく日本調教馬初の凱旋門賞2着になるなどフランスでも活躍した名馬である。

顔に縦長の流星があり、その中に横に連なった3つのほくろとその上に1つのほくろがあるのが特徴。

性格は温厚。レースではスタートが苦手でキックバックや馬群を嫌がる。だいたいの競走馬はレース後に食欲が落ちるが、本馬はレース後も食欲旺盛である。

命名までの経緯

お笑いトリオの「ジャングルポケット」は、競馬が趣味であったメンバーの斉藤が命名したものである。トリオ名の由来は、単に「当時活躍していた馬だから」という単純なものだったが、ジャングルポケットが府中巧者だったということもあり「東京で負けない」という意味が後付けされた。当時トリオは「ネット検索で馬のジャングルポケットより上に表示されること」を目標にしており、のちに彼らはテレビで活躍の場を広げた末、この目標を達成している。こうして人気芸人となった斉藤は、ジャングルポケットに対して何らかの恩返しがしたいと考えていた。

そんな中、ジャングルポケットが死去したというニュースを知る。そこで斉藤は、「馬主となってジャングルポケットのラストクロップを購入する」という企画をYouTube上で行うことにした。

斉藤が最初に目をつけたのはトレーニングセールに出された「ミフユの2019」[1]というジャンポケ産駒。しかし、資金不足で競り落とすことができなかった。その後、スタッフの人脈をたどって岡田牧場にいる本馬(ハロウィーンの2020)を購入することができた。

オーナーはこの馬がジャングルポケット産駒であること、ブレーンのお墨付きが貰ったこと、見た目が可愛いことに加え、4つのほくろがお笑い界の頂点を見上げるジャンポケの3人のように見えることが購入の決め手となったと語っている。

馬名はYouTubeで公募された中から選定。斉藤の持ちギャグの一つであり、「馬を購入し走らせるまで多くの人を待たせた」という意味も込めて「オマタセシマシタ」と命名された。

ウマ娘との関連

折しも、命名時は「ウマ娘 プリティーダービー」を端とする競馬ブームの最中にあった。本馬は母父であるエルコンドルパサーが同作で擬人化されており、所謂「ウマ娘血統」である。さらに、2023年2月には父ジャングルポケットウマ娘化されている

そんな中、ジャングルポケットが主人公となる「劇場版ウマ娘プリティーダービー 新世代の扉」にオリジナルウマ娘の一人として「シマ」が登場すると発表されたが、彼女はオマタセシマシタをモデルにしているのではないかと言われている。確かに鹿毛っぽい髪色、特徴的な3つに連なった髪飾りとほくろ、左耳に耳飾りをつけている(モデルが牝馬のウマ娘にほとんど共通する特徴)点がオマタセシマシタの特徴と一致する。

戦績

2歳時(2022年)

デビュー時はホッカイドウ競馬の田中淳司厩舎に所属。主戦騎手は服部茂史。

能力検査では他馬に囲まれて内側にモタれるなど課題点は多かったものの合格。6月16日に門別競馬場でデビュー戦を迎えた。当日はジャングルポケットの3人で現地観戦に行っており、オマタセシマシタは3番人気。しかし、後方からのスタートとなり道中上がってくる様子も見せるが直線では伸びず6着。それでもジャンポケの3人はオマタセシマシタの健闘を称えた。

その後、門別で8戦するも馬券内に入ったのは3着1回だけであり、レベルの高い門別2歳戦では苦戦した。

11月でホッカイドウ競馬の開催が終わり、翌年4月までレースが行われないことから金沢競馬に移籍。金沢初戦となる9戦目はスタートで出遅れ、キックバックを嫌がる素振りを見せつつも最終直線でいい末脚を見せて4着。次走が金沢でのラストチャンスのレースであったが、雪で開催中止。代替日も馬場の整備が追いつかずそのまま金沢の開催が終了した。

3歳時(2023年)

初勝利までオマタセシマシタ

次なる移籍先は笠松。リーディングトレーナー笹野博司調教師にリーディングジョッキー渡邊竜也騎手という万全の体制で年明けの1月26日、10戦目を迎えることになった。

微差ながら2.1倍の1番人気に支持されたオマタセシマシタはスタートでヨレるも、枠順に恵まれたこともありキックバックがかからない外目の位置につける。向こう正面から徐々に位置を上げ直線で抜け出すと半馬身差で初勝利を決めた。
ゴール後、オーナーは感動の涙を浮かべ、渡邊騎手はガッツポーズを決め、現地の観客から大きな拍手が湧いた。それだけ皆に喜ばれる勝利であった。

なお、この日の笠松競馬は平日にかかわらず来場者は前週の1.4倍、売上は1.6倍と競馬の活性化にも貢献した。当日のYouTube Liveの配信ページの概要欄には斉藤の持ちネタを捩った説明文を記載するという粋な計らいが行われている。
また、大元のネタである全裸監督こと村西とおる氏も祝福のツイートをしている

2勝目までオマタセシマシタ

3歳での初勝利を挙げ、もう一勝すれば念願の重賞挑戦へと弾みがつく中、2月23日の笠松3Rに出走し、単勝オッズ2.6倍の2番人気に支持される。苦手としていたスタートは順調であったが、コーナリングの悪さが再発してカーブで失速。8頭中7着という残念な結果となった。あまりの失速ぶりに故障を疑う声もあったが、馬体はいたって問題はなかった。

3月、深管の炎症を起こしていたことが発覚。馬自身も痛みを感じないほどの軽度なものだったが、デビューから各地を転々としながら連戦してきたこともあり、5月まで大事を取って放牧された。

復帰戦は5月24日の笠松3R。この日はオーナーのスケジュールに空きがあったため現地で観戦した。レースはブービー9着と残念な結果であったが、ゴール後にはファンから無事に完走したことを称える拍手が送られるなど暖かな雰囲気であった。

その後も6着、5着、6着、8着と勝ちきれないレースが続いた。JRAから移籍してきた馬が相手になっているということもあるが、砂を被るのを嫌がること、コーナーを曲がるのが苦手なことなど克服すべき課題が多いのが一因であろう。

転機となったのは休養を挟んだ10月10日の笠松8R、笠松で主戦を務めていた渡辺騎手から宮下瞳騎手へ乗り替わったオマタセシマシタは大逃げ戦法を選択。残り150mほどで交わされたものの、初勝利後としては初の3着を確保。この奇策には現地で観戦していたオーナーも大満足の結果であった。

2勝目への糸口を見つけた陣営は次走を10月23日の笠松7Rに選択。鞍上も宮下騎手が引き続き担当した。前走同様スタートを決めて逃げたオマタセシマシタだが、今回は後続を引きつけて先頭に立った。3コーナーで2番人気シンデレラサリサが内から絡んできたが、ハナは譲らず突き放して直線に侵入。そのまま上がり最速の脚で後続を振り切り8戦ぶりの2勝目を果たした。タイムも1:31.6(ダート1400m)という自己ベストだった。

斉藤オーナーはオマタセシマシタを地元千葉県にある船橋競馬で走らせることを目標としていたが、これで移籍条件の獲得賞金100万円をクリアした。

悲願の地元勝利までオマタセシマシタ

11月2日、当初の予定通り船橋競馬の川島正一厩舎へ移籍した。移籍により宮下瞳騎手とのコンビ解消が惜しまれる中、瞳騎手の実の兄で厩務員の宮下康一氏が担当するというサプライズ付きであった。

船橋初戦となったのは12月1日の1R 3歳二三(ダ1200m)。鞍上は地方トップジョッキー森泰斗騎手。苦手な内枠スタートかつ馬体重-15kgという不安要素を抱えながらも単勝7.3倍の3番人気に支持された。

大きく出遅れはしなかったものの、先頭争いには敗れてレース序盤は4番手に。さらにそこからキックバックを嫌がって5~6番手へと順位を落とす厳しい展開となった。しかし、4コーナーを内ラチぴったりにロスなく回ると直線で3番手に浮上し、鋭い末脚で前の1頭を捉えて2着でゴールした。

移籍2戦目は12月17日の8R 3歳選抜馬(ダ1200m)で、オマタセシマシタにとって初の日没後のレースとなった。鞍上は引き続き森泰斗。前走の好走が評価されて2番人気(単勝3.7倍)であったが、門別で4勝した実績馬レオアトロポスが単勝1.6倍の1番人気で支持率ではやや離されていた。

スタートはやや遅れて序盤は中団からのレースになったが、向こう正面で追い上げて3番手に浮上。巧みなコーナーさばきで加速しながら直線に侵入すると1番人気レオアトロポスとの一騎打ちに。そこから上がり最速の脚でスパートをかけ2着に3/4馬身差をつけ1着となった。ゴール後、森騎手は客席に向かってガッツポーズを決め、観客から大きな拍手が送られた。

ちなみに、このレースでの単勝売上は船橋競馬の平場レースでは歴代最高を記録した。

4歳時(2024年)

船橋初勝利後、オマタセシマシタは川島調教師の方針により、「馬をうちの厩舎仕様にする」ため休養に出された。斉藤が放牧先を訪問した際の動画では10年連続名古屋競馬でリーディングジョッキーとなった吉田稔元騎手(動画のネタバレのため反転表記)の調教を受けるなど手厚いサポートを受けて成長するオマタセシマシタの様子が見られる。

復帰初戦は4月13日の船橋4R 小岩ダイナマイツ21周年記念(ダ1200m)。鞍上は当初川島厩舎所属の若手・木間塚龍馬騎手としていたが、放牧中の調整がうまくいったという調教師の判断により主戦の森騎手となった。調教師の自信に加え、前走の勝ちっぷりからオマタセシマシタは単勝1番人気に支持された。

レースでは苦手なスタートは問題なく出ることができたが、先行争いに敗れてほぼ最後方まで位置を下げてしまう。3コーナーから4コーナーでは大外を回ることになり、11頭中10番手で直線に侵入した。そこからオマタセシマシタは外の方を見るような素振りながらも前走のような鋭い伸びで3着に食い込んだ。

惜敗という結果だったものの、休み明け、後方からの競馬でも馬券内をキープできたことはプラス評価できる好材料であろう。

叩き2走目となる5月1日の船橋5R(ダ1200m)、鞍上にはこの日かしわ記念でミックファイアに騎乗する金沢の名手・吉原寛人騎手を迎え、2番人気に支持された。しかし、スタートの悪さが出てしまい後方からの競馬となり、自慢の末脚も不良馬場もあって不発。移籍後初の馬券外となる8着という残念な結果に終わった。

その後も梅雨の重馬場に苦しめられ勝てないレースが続いた。加えて、6月28日のレース後に右前肢球節炎を発症したことがわかり、数ヶ月の休養に入った。

しかし、その休養中の10月7日にオーナーの斉藤が性的暴行の疑いで書類送検されるアクシデントが発生。禁固刑以上となれば斉藤は馬主資格を失うことになる。
当然のことであるが、馬に罪はない。馬や競馬関係者への誹謗中傷は控えるべきである。

その後、本企画も担当していた放送作家の村上卓史氏[2]に引き取られることが10月14日に発表された。

いろいろあったけどオマタセシマシタ

オーナー交代後もレースに出走を続けたが、苦手な重馬場でのレースを強いられて休養明けから4戦続けて馬券外と苦しんだ(とはいえ、うち2回が4着だったのでよくやってる方である)。ちなみに、11月1日のレースにはフランスから来日したミカエル・ミシェル騎手が騎乗している(結果は4着)。

復帰5戦目は11月29日の船橋5R(ダ1200m)で、久しぶりの良馬場であった。鞍上にはこの日が騎手生活最後の日となる森泰斗騎手を乗せ、一時は単勝1倍台となる人気だったが、最終的に3番人気(5.8倍)に落ち着いた。

レースでは5頭が争う激しい先頭争いを避け、中団外目につけて脚を溜める作戦を選択。オマタセシマシタは得意な左回りのコーナリングを活かし、3-4コーナー中間からギアを上げると直線入口であっという間に3番手に進出。直線で楽に先頭を交わすとそのまま突き放して勝利し、引退する森騎手の花道を飾った。

余談

  • オマタセシマシタのデビュー戦、ジャングルポケットの3人全員で現地に赴いてオマタセシマシタの応援をしていたのだが、おたけだけ別の馬の単勝を1万円分購入し7万円を的中させていることが発覚。しかもオマタセシマシタの単勝は1000円しか買っていなかった。本人も気づいていなかったようで、メンバー全員から顰蹙を買った。斉藤はおたけに呆れながらも「見せ場を作ってくれた」と後に語っている。

血統表

ジャングルポケット
1998 鹿毛
*トニービン
1983 鹿毛
*カンパラ Kalamoun
State Pension
Severn Bridge Hornbeam
Priddy Fair
*ダンスチャーマー
1990 黒鹿毛
Nureyev Northern Dancer
Special
Skillful Joy Nodouble
Skillful Miss
ハロウィーン
2001 鹿毛
FNo.12
*エルコンドルパサー
1995 黒鹿毛
Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
*サドラーズギャル Sadler's Wells
Glenveagh
マサコチャン
1996 栗毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
チヨダマサコ *ラバージョン
ミスオーハヤブサ

クロスNureyev 3×5(13.63%)、Northern Dancer 4×5(9.38%)

関連動画

関連リンク

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • 珍名馬
  • 2023年クラシック世代
  • ジャングルポケット
  • ジャングルポケット(お笑いトリオ)

脚注

  1. *他のオーナーによって落札された本馬は「セリガチ」という名前をつけられ、中央門別名古屋と転々としている。初勝利は19戦目(地方転入10戦目)。
  2. *斉藤がかつて出演していた「ウイニング競馬」の構成担当。ニコニコ的には“リアルダービースタリオンの人”と言えば分かり易かろう。
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