ライトクオンタム(Light Quantum)とは、2020年生まれの日本の競走馬・繁殖牝馬である。青鹿毛の牝馬。
父ディープインパクト、母*イルミナント、母父Quality Roadという血統。
父ディープインパクトは説明不要レベルの競走馬にして大種牡馬。2019年シーズンに首の不調のため途中から種付けを中止しそのまま同年7月に死亡したため、2020年産世代(2023年クラシック世代)で日本で血統登録された競走馬はたった6頭[1]。ライトクオンタムはそのうちの1頭にあたる。
母イルミナントはアメリカのGIゲイムリーS優勝馬。引退後社台ファームに輸入され繁殖初年度の2018年にも種付けはしたが翌年産駒が生まなかったため本馬が初仔である。
母父クオリティロードは三冠レースこそ裂蹄で出走していないが、GI4勝を挙げた名馬。
2020年2月4日、千歳市の社台ファームで誕生。社台レースホースで1口125万円×40口の5000万円という、このレベルの血統にしては安価で募集された。
馬名の意味は「光量子、宇宙で一番速い光の粒子」となっている。仮想粒子から名付けられたアグネスタキオンとは同じSS系程度で殆ど関係ない。
所属はウォーターナビレラやドーブネなどがいる栗東・武幸四郎厩舎。ご存知武豊の弟であり、自身も2017年まで騎手として活躍した。管理馬は兄の武豊が主戦を務めることも多い。
ライトクオンタムは華奢な馬なので慎重に仕上げ(武幸四郎談)、この年の11月12日の東京競馬場の芝1600m新馬戦とやや遅いデビューとなった。ここでは鞍上クリストフ・ルメールで好スタートを決めると先頭に立ち、そのまま直線で後続を突き放し2馬身1/2のセーフティリードで逃げ切った。
ルメールは「さすがディープインパクトの子です」とコメントした。無理はせず2歳シーズンはこの1戦のみで終了。
明けて3歳となり、2戦目はフェアリーSとの両にらみだったが敢えて牡馬との戦いとなる1月8日のシンザン記念(GⅢ)を選択。ルメールが正月休暇の帰国のため、ここでは日本のレジェンド騎手にして父の相棒でもあった武豊が騎乗。7頭立ての少頭数のレースとなり、紅一点ながら3.0倍の2番人気に支持された。
レースでは出遅れたため縦長の展開でやや後方の位置取りとなるが、直線に入ると馬場の真ん中近くまで大きく外に持ち出し鞭が入ると末脚一閃で前にいた牡馬たちを一蹴、逃げ粘るペースセッティングをゴール前で差し切って力強く重賞制覇を飾った。
この勝利でディープインパクトは全13世代でJRA重賞勝利[2]。武豊騎手はシンザン記念8勝目、JRA重賞350勝目および37年連続勝利で、武豊と弟の幸四郎のコンビでの重賞制覇は2021年ファンタジーSのウォーターナビレラに次ぐ2頭目となった。
武豊は「ディープインパクトは僕にとって特別な馬ですから、重賞を勝てて嬉しい」とインタビューに答えた。
同時に牝馬クラシック戦線に名乗りを挙げ、阪神ジュベナイルフィリーズを圧勝した2歳女王・リバティアイランドを筆頭に未だ見ぬ強敵が待ち構える中で全13世代でクラシック制覇という大記録を偉大な父にもたらすことができるかにも注目が集まる。
初戦の桜花賞(GⅠ)では2番人気に推されレースでは五分のスタートから中団に付けたが、内枠だったことで馬群の中に包まれて口を割る素振りを見せハイペースもあってか直線8番手から末脚を出すことすらかなわずリバティアイランドに16番手からまとめてぶち抜かれ8着。
田辺裕信に乗り替わった優駿牝馬(GⅠ)、前走後に武豊が「ゴチャついたポジションに戸惑ったのではないか」と語ったこともあり逃げというこれまでとは全く違う作戦をとることに。内枠からハナを奪い最初の1000mを60秒ちょうどとすると、そこからの1000mは200mごとのラップが12.0-12.0-12.0-12.0-12.0というまさに精密時計ともいうべきもの。だが距離が長過ぎたか直線で早々失速し17着の惨敗を喫することに。
一度逃げに転換してしまうと立て直しが難しいというわけか古馬初挑戦の7月クイーンS(GⅢ)では鞍上が武豊に戻ってここも逃げを打ったが、残り200mを切った辺りで手応えがなくなって沈み優駿牝馬3着のドゥーラをはるか前に見る9着。休養を挟んで出走した年末のターコイズS(GⅢ)では大野拓弥を鞍上に中団前目で進め、今度は馬群の中からでも崩れることなく直線でも最後まで脚を伸ばしたがなんとか掲示板を確保する5着で3歳シーズンを終えた。
古馬となって初戦は重賞ではなく2月の芝2000mOP戦である小倉日経オープンとなる。吉田隼人を背にヨレるようなスタートから少頭数の中団につけ、3コーナー前から行きたがる素振りを見せて一旦は鞍上が抑えたが4コーナーにかかって押し始めると良い手応えで進出、直線では外から来たダンディズムと叩き合いになってゴール前で競り落とされ他1頭にも差されて3着。負けはしたが今後に希望の持てる内容であった。
しかし次走となった福島牝馬S(GⅢ)。ゆったりとしたスタートから中団後ろにつけて追走したが、3コーナーに入るところで少し前を行っていたシンリョクカが不慮の事故で他馬と接触して転倒。すぐ斜め後ろにいた馬たちは倒れたシンリョクカをなんとか回避したが、その後方真後ろにいたライトクオンタムにしてみれば急にハードルが出現したようなもので避けきれずにこちらも転倒し競走中止、更に後ろにいた馬は倒れたライトクオンタムを飛び越えようとしたが後脚が引っかかり大きく弾かれるように接触してしまう。
シンリョクカ、ライトクオンタム共に最悪の事態は避けられたが故障してしまい、落馬した騎手2人はシンリョクカ鞍上の木幡初也が骨折、本馬騎乗の吉田隼人がくも膜下出血の重傷であった。
ライトクオンタムは左後肢の飛節に腫れがあり治療を続けていたが、その後側副靭帯の損傷が発見されたため6月19日に社台サラブレッドクラブより現役を引退することが発表、翌日JRAの競走馬登録を抹消された。
なおシンリョクカは木幡初也騎手共にその後レースに復帰し次走となった9月の新潟記念で人馬共に怪我を乗り越えての重賞初制覇を上げており、吉田隼人騎手も半年の休養の後に騎手復帰を果たしている。
引退後は生まれ故郷の社台ファームで繁殖入りしている。
繁殖初年度を終えて産駒が誕生し走り出す数年後が待たれていた2025年、ライトクオンタムは意外な形で話題に登ることとなる。競馬を題材にしたTBSドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』では作中のレースが実際のレース映像を編集する形で作られており、第4話でライトクオンタムの新馬戦の映像が使用されたのだ。ドラマではCG合成された主人公陣営の馬:ロイヤルホープが外から本馬を差し切る形となっており、ライトクオンタムはそのライバルとなるヴァルシャーレの役であった。なおヴァルシャーレは牡馬の設定である。
| ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | |||
| Wishing Well | Understanding | ||
| Mountain Flower | |||
| *ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
| Lady Rebecca | |||
| Burghclere | Busted | ||
| Highclere | |||
| *イルミナント 2012 青鹿毛 FNo.A1 |
Quality Road 2006 鹿毛 |
Elisive Quality | Gone West |
| Touch of Greatness | |||
| Kobia | Strawberry Road | ||
| Winglet | |||
| Sparking Number 1998 黒鹿毛 |
Polish Number | Danzig | |
| Numbered Account | |||
| Sunny Sparkler | Sunny Clime | ||
| War Sparkler |
クロス: Northern Dancer 5×5(6.25%)
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福島での転倒っぷりはマジで酷かったなあ 予後不良じゃなかったの奇跡だろ…
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ヴァルシャーレ役で女優?デビュー
なおヴァルシャーレは牡馬な模様
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最終更新:2025/12/05(金) 20:00
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