増田みのり「ニッポン放送増田みのりがお届けしています。ここからは今週ニュースで話題になった人にズームする「ZOOM ON」飯田アナウンサーと三人でお送りします」
辛坊治郎「はいよろしくお願いします」
増田みのり「それでは今週最初にズームしていくのは「6年前との違いを出せるのか、逆転勝利で自民党新総裁にきまった安倍晋三元総理大臣」今週水曜日、次の総理大臣になるかもしれない人を決める自民党総裁選挙が行われ、決選投票の結果安倍晋三元総理が総裁に選ばれました。」
飯田浩司「26日に総裁に選ばれまして、そして執行部を立ち上げ、28日昨日の夕方に記者会見が行われました」
辛坊治郎「安倍晋三さんね、週末のテレビは一切出ないらしいんですね」
辛坊治郎「結構疲れたらしいですよ。だから週末はちょっとお休みみたいで。まぁいろいろこの政権抗争っちゅうたってまだ与党になってませんけれども。基本的にこれ以上喋り倒したから喋るの嫌って感じですかね」
辛坊治郎「その代わりに昨日一昨日あたりから今日もそうですけれども石破さんが出ずっぱりで、石破さん悔しいと思いますよ。なんちゅうたってね元々自民党の総裁って言うのは国会議員の選挙だけで握られていたんです。ところが国会議員だけの選挙で決めるとですね、それこそ10億20億の金が飛び交う、それも10億20億が今の10億20億じゃないですから、1960年代の10億20億ですから。今で言うとなんだ100億ぐらいの金かも知んないよ」
辛坊治郎「とてつもない金が飛び交って、要するに一票ずつ買うわけです。でそれが違法かというと、さすがに表にね、みんなが見えているところで札束バンバンやり取りはしないけれども、でも投票の前日になると議員会館にそれこそこう分厚い封筒を抱えた秘書が右往左往してですね、もうお金をもらうのが当たり前になっていますからね、二ヶ所の会派からもらうと二ヶですよ。三ヶ所の会派からもらうと三ヶ所ですよ。で全部の会派からもらっとけっていうとこれはオールドパーって言うんです。それで総裁選のたびにお金ががっぽがっぽはいって来るというような総裁戦をずーっとやってて、で田中角栄さんがロッキードで引っかかって金権だって言われて、で「これはちょっと体質変えなきゃいけないんじゃないの」って、でそれが当時違法かっていうと、別にそれは自民党内の選挙ですから違法でもなんでもないんですよ。たとえばこの番組でメインMCを増田さんと飯田さんの二人で取り合ったとしますね、それで局中に金をばら撒いて「俺がメインMCだ」といって選挙をやったとしてそれが違法かというと何の法律にも触れないです」
飯田浩司「勝手にやってるだけだから。そもそも自民党の総裁ってそうだから、今みたいに政党助成金もない時代だから違法性はないわけですよ」
辛坊治郎「だからまぁ表立って見えるところではやらないけれども、でもちょっと見えるところではみんな見てるんですから、ところがあまりにもそれはひどいだろうというところで1970年代の田中角栄さんのロッキード(事件)の後に、「一般の党員の皆さんにちゃんと投票していただきましょう」ってことになって党員投票、まぁ予備選って名前ですけども当時始まって、でそれから今回でちょうど10回目なんです。で今のとはちょっとずつ選挙制度は変わってるんですが、基本的にまず党員も入れた投票をやりましょうっていうのが10回行われて今回10回目で、過去一度も党員投票でトップになった人が総裁に選ばれなかったことはないんです。今回が初めてなんです。そうするとねぇ、やっぱり石破さんとしては「俺党員投票だとダブルスコアだよ」と。ダブルスコア。で普通なら今までだったら前「天の声がある」って言った人がいて福田(赳夫)さん、福田さんは現職総理で総裁ですよ、で当時幹事長かな、大平(正芳)さんがね、私の記憶が確かならば幹事長対総裁っていう戦いになった。で普通で言うとまぁ現職の総理総裁だから福田さんが選ばれるじゃないですか。この当時は先に党員投票を見て、予備選って形でやって、その後国会議員の投票だったんですが、予備選段階で、確か600票か700票ぐらいの差なんですけれども、現職の福田さんが下行っちゃったんです。その段階で福田さんは「天の声にも変な声がある」って行って立候補辞めたんですね。で今回、別に安倍さんに辞めろと言ってる訳じゃありませんよ、ここね微妙なんです。というのはね、後ほどこの話はしますけれども安倍さんに辞めろと言ってる訳じゃありませんよ。ただ今までのケースで言うと一回目の投票でここまで差がついちゃうとたとえば諦めるとか、「党員で過半数が石破さんって言ってるんだから石破さんでいいじゃないか」ってまぁ2番手から行くということも考え方としてはあるんです。で今までだったら福田さんがその一回目の予備選の段階で「もう俺は党員で負けたから辞める」って言って立候補しなかった。ところが今回なぜ辞めなかったかって言うと事前に結果が全部分かってたから。なんとなくイメージで一回目の投票は間違いなく石破さん、これは党員ではぶっちぎるだろう。で二回目の国会議員の投票が逆転だからまず二番手につけることが大切だっていう報道が前日までにバンバン行われているわけです」
辛坊治郎「で、もう予想外にひっくり返っているようなことがあって、まさしく福田さんのときはそうだった。「えー」って「あれー想定外だよねー」っていう「じゃあもうしょうがないから辞めちゃう」って話だったんだけれども、今回は事前の予想とピッタリ合致したから、もうその段階でやめるとかなんとかって話にならない。「よーし次二番手につけたから決戦だ」っていう」
増田みのり「そしたらあっちの票が乗ってくるぞと計算がされて」
辛坊治郎「だからまぁ辞めるなんて発想はどこにも微塵も無かったっていう身においては、ちょっとやっぱり石破さん、計算違いだったかな」
飯田浩司「まぁ地方票からの勢いって言うと小泉さんのときもそうだったんだけど、あの時は勝った都道府県で総取りだったんですよね」
辛坊治郎「そうなんです。あの時は今と選挙制度違うのは、今も47都道府県ごとに集計するんだけども、47都道府県の比例配分だから、そんなに大きな差がつかないっつってもよく付いた方だと思いますよ。だって下馬評ではねぇ、石破さんは4割取れるかなっていってたら結果的に165票って65%過半数だから大善戦だと思いますね」
飯田浩司「これ取材いったんですけども、これが出たとき「おー」って声が漏れましたね」
辛坊治郎「ところが小泉さんの時には、47都道府県一つずつ、三つずつに票が配分されていたんだけれども、トップ総取りだったんです。そうすると、たとえ僅差でもトップとっているところが全部3票持っていくっていう形になったんで、なんと小泉さんの時には同時に立候補していた亀井静香さんともう一人なんちゃらさんっていう人は0ですよ0、地方票が。で例のポマードをつけた疫病神と当時言われていた橋本龍太郎さん、いや亡くなられた方にこういうことを言うのは失礼ですよね、そういうことよくないです、今の取り消し!音声削除!」
辛坊治郎「橋本龍太郎さん、下馬評では国会議員票ではぶっちぎりで、間違いなく「小泉なんか取れるわけねーだろ」って言っていたら、ポマード、あいやいや橋龍さんは15票しか取れなかった。残り全部小泉さんが持っていった。でこの結果を見た国会議員が「いくらなんでもこんだけ大差が付いているのにこれ小泉総理にしないわけにいかないよね」って雪崩現象がおきて小泉さんが総理総裁になるという当時の流れがあったんですが、たださっき言いかけたことなんですけども、結果的には私も安倍さんにがんばってもらいたいと思います。言いたいことも山ほどありますけども基本的にがんばってもらいたいと思うんだけれども、妙なファンが付いているんですよ」
辛坊治郎「これが気がかり。あのね、ちょっとでも何かこの人の悪口言おうもんなら、局にクレームが殺到するんです。このパターンはまずい。僕はねこのパターンの政治家過去10年ぐらいに何人か知っていますけど、このパターンの政治家で成功した人がいないんですよ。」
辛坊治郎「典型的なのがねぇ、具体名を言わなきゃいけないのがなかなか辛いですが、田中真紀子さん」
辛坊治郎「田中真紀子さんが人気絶頂の頃、テレビで田中真紀子さんの悪口でも言おうもんなら局の電話がパンクしたんだから」
辛坊治郎「不思議なのがね、小泉純ちゃんは多少悪口言おうがどうしようが、そういうおかしなファンは付いていないんですよ。「そういう意見もあるよね」っていう色んな批判もあるわねっていう受け止め方が多いんで、ちょっとぐらい批判しようが悪口言おうが小泉純ちゃんの悪口言って局の電話が沸騰するようなことはなかったんだけど、田中真紀子はそらもう悪口一言言っただけで、悪口なんか言ってないですよ、当たり前に客観的に目の前の自称を描写しただけでも駄目。で過去10年間でいうと小沢一郎さん、麻生さんがそういう傾向があったのと、安倍さんもやっぱり一回目のときにそういう傾向があったんです。小泉さんだとそんなに激烈な反応が無かったんだけども、小泉さんから引き継いだ安倍晋三さんが総理になった時、やっぱりその妙なファンが付いていて、えらい勢いでクレームかかってくる。今回もびっくりしたんだけども、今朝ローカル番組でですよ、ちょっとカツカレーの話したんです。それも別に悪口言ったわけじゃなくてスポーツ新聞にバーンと出てまして、「なんかあのカツカレー食べたのが3200円だの3500円だのでニュースになってますね」みたいのなんで、いや3200円のカツカレーってどうよなんて、「同じようなニューオオタニでも東京のニューオオタニでは3000円のカツカレーがあるけれども大阪のニューオオタニでは3000円のカツカレーは無い」みたいな話を延々ローカルで盛り上がったら「カツカレーで安倍晋三の悪口を言うんじゃねぇ」って」
辛坊治郎「びっくらこいたがや私は」
辛坊治郎「だからこれはちょっとまずいですね。この妙なファンが湧き出すとね、もういろんな意味で縛られちゃうんです。政策を。だから今回安倍さんが最大の問題の抱えている問題は、総裁選の間中に具体的な約束をあまりに多くしすぎてるところがあるんです。他の候補はみんな曖昧にぼかしてたんだけども、安倍晋三さんは「デフレが続くようなら消費税の値上げはしません」「従軍慰安婦問題・河野談話の見直しを考えます」「8月15日の終戦記念日には靖国神社を参拝します」「尖閣列島には私が総理になったら人を置きます」一つずつ具体的なことをいっちゃってるわけですよ。他の候補は言ってないんです。だけどここまで具体的に言っちゃうと、当然それを聞いてファンになって一票を投じた自民党員もいるだろうし、それに期待している人もいる。これ約束破った瞬間に「何だあの野郎約束破りやがって」っていう話になる。だからものすごいリスクを負ってる。なんで最初そこまで言えたかというと、最初はほれ番外だったから」
辛坊治郎「だから今回総理大臣になれる、自民党総裁になれると思ってなかったところが、そこまで具体的なことをどんどん言わせたんだけども、それを言ったタイミングで中国と日本が揉め始めた。そうするとね、当然民族意識がわーっと向上する。今回安倍さんが自民党総裁に選ばれた最大の立役者は中国だから」
辛坊治郎「たぶん尖閣問題が無ければ、このタイミングでこの地方票の伸びになっていなかった。ここまで石原伸晃さんの票が落ちることも無かったと思う。だって結局最終的に党員投票でぶっちぎりで165票で石破さんだけれども、やっぱり二番手の安倍さんが87票、それから石原伸晃さんは30何票ですから」
辛坊治郎「50票差が付いちゃった。50表の差が付いたというのが、あの日の午前中にワーッと自民党内に広がった瞬間にそれまでは「何とか石原伸晃で」と思っていた長老が、「あ、無理」」
辛坊治郎「「無理、これ駄目やめやめ。もう50票も差がついていたら」20票くらいの差ならひっくり返せたとどうも古賀さんだの森喜朗さんだのは思っていたみたいですけども「50票は無理だべさ」って話になって。だけどね今回ぜんぜん違う話っていうか、この結果を明らかにガックリうなだれた人が目撃されているんです。ニュースにもなっていませんが、私はその隣にいた人に昨日話聞きました。誰でしょう?」
辛坊治郎「いや違う、関東方面です。聞いたら当たり前の話なんですが、当日都議会が開かれていました」
辛坊治郎「お父様が、都議会で座っておりました。そうすると、ちょうど3時とか2時半のタイミングで、それでお父様のところに封筒が一枚届けられました。でその封筒を開けて中を見て、自民党総裁選の結果を見た瞬間に、某石原都知事はガックリうなだれたという情報が昨日入ってきまして、まぁそらそうだろうなぁと」
辛坊治郎「特にですね、石原さんの奥さん伸晃さんのお母さんが本当に期待していたらしいです」
増田みのり「逆にこういうタイミングはもうないかもしれませんからね。お父様が現役の都知事で」
辛坊治郎「だから今回通ったら息子総理大臣だもん。まさにリベンジ」
辛坊治郎「そう、その父ちゃんの総裁選は出た時に結局海部俊樹が通ったんっですが、あの時には海部俊樹さんが通ったんだけれども、二番手が確か林芳正さんのお父ちゃん」
辛坊治郎「それで石原慎太郎さんです。この三つ巴の戦いで今回を林対石原っていう、もうあのまさにリベンジの環境が整ったっていう、そのタイミングだからそらまぁお父ちゃんがっかりするわなぁ」
辛坊治郎「話はともかく安倍さんにはがんばってもらいたいと、結論はそういうことにしとかないとまたクレーム殺到すると嫌だからな俺。勘弁してよ、俺別に悪口言ってねーじゃん。カツカレーが美味いって言ってるだけじゃん」
辛坊治郎「カツカレーの話するとまた何時間も話し続けるんでもういいです」
- 0
- 0pt
