ケロちゃん出戻り現代記 (けろちゃんでもどりげんだいき) とは、 洩矢諏訪子を主人公とした現代入りシリーズのひとつである。作者はぜおらいまぁ氏。
概要
洩矢諏訪子を幻想郷側の主人公に、 そしてオリジナルキャラクターである西川信一を現代側の主人公として据えた現代入りシリーズのひとつ。 基本的には現代入りシリーズであるが、部分的に幻想入りシリーズの要素も取り入れられており、ハイブリッドなシリーズであるとも言える。
見所は「諏訪子と信一との関係の変化」や「信一の過去」、「信一の友人たちの出来事」など多岐にわたる。 第4話以降では「信一の家に幻想郷が来た」状態となり非常に多くの幻想郷の面々が登場する。
この作品の特徴として、一つひとつの動画の再生時間が他の現代入りシリーズや幻想入りシリーズのものと比べ比較的長いこと (これについては後述) や、 各所にブロントさんなどの細かいネタが盛り込まれていることが挙げられる。
ストーリー
12月24日昼、幻想郷、守矢神社 ―― この神社に存在する神、洩矢諏訪子と八坂神奈子は クリスマスケーキをめぐる意見の相違から言い争いとなり、しまいには決戦を始めようとしていた。 その様子を見ていたこの神社の巫女 (兼現人神)、東風谷早苗はこれを制止するかと思いきや、その争いをさらに拡大。
そして今ここに、クリスマスケーキをめぐる三つどもえの戦いが始まろうとしていた。
―― しかし、ここまではこの守矢神社では日常茶飯事。別段慌てるような自体ではなかった。
そう、ここまでは――あの“奇跡”が起こるまでは――
同日同時刻、現代 ―― 大学生の西川信一は、同級生で友人 (仮) の木田保明と二人で会食したあと、 同じく同級生で容姿端麗な春日響からクリスマスパーティの誘いを受ける。
普通の男なら二つ返事で誘いに乗るところだが、朴念神こと信一はこの誘いを断り、 普段通りの道を通ってアルバイトへと向かう。
―― 普通の男とは異なる選択をしたとはいえ、ここまではまあ現実的に起こりうる出来事だった。
そう、ここまでは――あの“いつも通り慣れた公園”を通りかかるまでは――
登場人物
現代側
- 西川信一 (にしかわ しんいち)
- 現代側の主人公で、一軒家にひとりで住んでいる大学生。絵描きになることを夢見て、日々絵の練習をしている。
- 他人の好意に非常に鈍感で、そのことが原因でたびたび周りの面々を困らせている。朴念神。
- 幼い頃に事故で家族を亡くしており、そのことが原因で8年前まで精神科医の蘇芳先生のお世話になっていたが、 物語開始時点ではとりあえず一人暮らしが問題なくできる状態にまで快復している。 しかし、誰に対しても丁寧口調で話すなど、ある意味で誰に対しても「壁」を築いているような話し方をするなど、まだ完全に快復しているわけではないようだ。
- 蘇芳先生に教わった「ぐっすりと寝たいのなら、日々にもやもやを残すな」という格言が彼の行動理念の基になっている。
- 物語開始時点では友人らしい友人は木田保明しかいなかった。二人が友人になったいきさつは「番外編なうなう。」で語られる。
- 6話〜8話以降は諏訪子や蘇芳先生の指導もあり、少しずつ周りの面々に心を開いていくことになる。
- 木田保明 (きだ やすあき)
- 信一の友人で、同じく大学生。お祭り男であり、色欲も盛ん。どちらかというとM。実は信一と同じくらい壮絶な過去を持っている。
- 物語開始時点では信一の唯一の友人であり、人付き合いが少なく心を閉ざしがちな信一を心配していた。
- 8話〜10話以降は鬼 (萃香と勇儀) と椛に好かれ、無理矢理酒を飲まされたり、 リアル鬼ごっこ (+天狗) で追いかけられたりするなど、たびたび生命の危機に瀕することになる (妖怪の側からすると遊んでいるだけだが)。
- ちなみに、「目にした女の子のスリーサイズを瞬時に割り出す」という能力を持っているらしい。
- 兄に高志 (たかし) という絵描きがおり、一人っ子の信一の兄貴分として助言などを授けている。
- …まあ、いいやつだったよ。
- 春日響 (かすが ひびき)
- 信一と保明の知人で、同じく大学生。ゲーム好き (エロゲを含む) で容姿端麗。
- 物語開始時点ではキャラがはっきりしておらず、おしとやかなだったり、ツンデレだったりと曖昧な感じであった。
- が、8話〜10話以降は 「表は『信一を振り向かせたい純情な乙女』を演じ、裏では『虎視眈々と信一を狙う妄想女』、 だがその裏の顔も周りの面々 (信一除く) にはダダ漏れ」という設定が確立し、 「信一のためになる」と言われると「やりますやれますやぁぁってやりまァす!」(エクステンド音)と簡単にのせられてしまうようになる。
- そして第11話で咲夜に紅魔館メイド基礎教練を受けさせられ、清掃技術とナイフ投げの基礎を習得。 さらに第13話では聖から身体躁々法を伝授され、身体能力が大幅にアップした。
- その結果、生命の危機を感じると「響鬼」へと覚醒し、戦闘能力が大幅にアップするようになった。 「響鬼」状態での能力はすさまじく、スペルカードが無いにもかかわらずフランの弾幕を一回も当たらずに躱しきり (番外編)、 レミリアのグングニルもグレイズし (第15話)、さらには聖とレミリア主催の「響の命耐久ボスラッシュ」を生き抜き (第17話)、異変解決の主人公として強制連行される (第18話) など、もはや「人妖問わず現幻想郷最強」と噂されるレベルである。
- しかし、肝心の信一は響を女友達としてしか見ておらず、その努力は毎回空回りしているのが現状である。おい涙拭けよ。
- 蘇芳恭子 (すおう きょうこ)
- 信一が以前お世話になっていた精神科医の先生。 信一が両親を亡くして精神的にダメージを受けていたときに、その治療を担当した。
- 突然信一から「幽霊だ」「神だ」と言われたり、諏訪子が超自然的な存在である可能性を知らされたりしても動じないあたり、 相当肝が据わった人物であることがうかがえる。
- 信一の叔父と叔母
- 信一からみて叔父と叔母にあたる人物で、名前は不明。信一の両親が亡くなった後、信一を引き取った。
- なお西川家の一軒家は、信一が大学生になりその家で一人暮らしを始めるまでの間叔父が管理していた。
- 信一が一人暮らしを始めてからも、毎月仕送りを送ったり、時々信一の元を訪ねたりするなど、 その愛情の深さは実際の親子と遜色ないものであろう。
- 謎の美少女 (?) (ソラ)
- 第8話で登場。宴会後の散らかった部屋をどうにかしようと紫に助けを求めた際、紫がスキマから出した少女 (?)。
- この人物の正体は、作者ぜおらいまぁ氏の別の幻想入り作品「臆病者が幻想入り」の主人公ソラである。 本来は男性 (のはず) であるが、諸事情により性別がよく分からないことになっている。詳細は「臆病者が幻想入り」本編を参照のこと。
- ちなみに、「臆病者が幻想入り」の世界とこの作品の世界はそれぞれ別の世界 (パラレルワールド) である。 したがって「臆病者が幻想入り」の世界の住人であるソラと、この作品の世界の幻想郷の住人に面識は無いはず (紫を除く) であるが、この作品の世界の幻想郷の住人もなぜかソラのことを「どこかで見たことがある気がする…」らしい。
幻想郷側
すべてのキャラを掲載すると大変なので、動画内である程度出番があるキャラに限って掲載。
- 洩矢諏訪子
- 幻想郷側の主人公で、守矢神社の神の一柱 (祟り神)。 とある事件 (ストーリー参照) により現代へ飛ばされる。
- 現代に飛ばされた直後は信仰がゼロであったため消滅しかけたが、信一の祈りにより消滅を回避。 以後信一の家に住むことになる。
- 元々現代に住んでいたので現代でも問題なく生活できる。
- 序盤の第3話あたりから信一にべったりであるが、それには第13話で明かされる彼女の生い立ちが関係している。
- 発言の重要なところで噛んでしまうことが多く、「噛みさま」と呼ばれることも。 ちなみに、早苗達は第5話まで諏訪子が居なくなってしまったことに気づかなかった。存在感薄いんだね…
- 東風谷早苗
- 守矢神社の巫女で、現人神でもある。いわゆるフルーツ(笑)。
- 一見すると「毒舌な常識人」であるように見えるが、これは完全に作ったキャラであり、 たまに見せる「素」とは相当のギャップがある。
- 諏訪子同様現代に住んでいたので、やはり現代の生活にも問題なく適応でき、 現代に来てからの朝食は彼女が担当している。
- 八坂神奈子
- 守矢神社の神の一柱で、軍神。
- 諏訪子と早苗のキャラが強すぎるせいで守矢一家の中では今ひとつ影が薄いが、 守矢神社の代表として信一に感謝の意を伝えたり、幻想郷メンバーが信一の家から出かけるときに ツノや尻尾に認識阻害属性を付与したりと、何かと裏では頑張っている。
- 第15話で信一の叔父と叔母が信一の家を訪ねた際、信一の叔母に信一の彼女として認識され (守矢一家の中では一番見た目が大人びているためだと思われる)、まさかの大逆転。今後の動向が注目される。
- 八雲紫
- ご存じ幻想郷の賢者、スキマ妖怪。幻想郷の維持・管理に重要な役目を担っている。
- 表向きは「賢者 (笑)」的な存在に見えるが、裏では守矢神社の事件により生じた大結界の損傷を 霊夢とともに修復したり、信一の家に幻想郷と現代をつなぐドアを設置したりといろいろと仕事が多い。
- 犬走椛
- 妖怪の山で哨戒任務にあたる天狗。妖怪の山への入山許可証を持たない者に対し警告ないし攻撃、 およびその報告を上司へ行うことなどが任務である。
- 最近は不法侵入がほとんど無く暇で退屈していたらしく、入山許可証のことを知らずに山に入った保明と響を 張り切って攻撃する (が、このときは偶然通りがかった白蓮に撃退される) (第12話)。
- 現代に来てからは木田のことを一方的に気に入り、木田を酒や遊びに (無理矢理) 連れ回すようになる。
- 十六夜咲夜
- 紅魔館のメイド長。
- レミリアとともに現代に来た際、響が紅魔館のメイド服を着ていた (早苗が何も知らせず着せていた) ことから、 咲夜は響に紅魔館メイド基礎訓練をほどこす (第11話)。これが響覚醒への第一歩となった。
- 響の身体能力が上がって以降は、響のことを「自身の背中を任せられる」と絶賛し、 紅魔館のメイドとして雇いたいと目論んでいるようだ。
- ソラ「…こっち (の咲夜さん) はマトモなのかな」
- 聖白蓮
- 命蓮寺を開いた魔法使い、元僧侶。
- 現代と守矢神社がつながったとの話を聞きつけこっそり命蓮寺を抜け出し守矢神社へ向かっていたところ、 椛に保明と響が襲われているところに偶然遭遇、椛を撃退する。
- なぜ「こっそり」抜け出したのかというと、白蓮のやることなすことを (手の掛かる子どものように) 命蓮寺の他の面々がいちいち心配し、おかげで白蓮が自由に行動できないためである。 ご飯を食べようとすると「さっき食べたばかりでしょう」などと言われるらしい。 それって子ども扱いじゃなくて… (以下略)
- 現代に来てからは咲夜に鍛えられた響の能力を見込んで、響に身体能力を上げる身体繰々法を伝授する。 それ以後は、響を白蓮の計画する世界救済の求道に同行させ、生き仏様のようにしたいと目論んでいるようだ。
動画の長さ
この作品の特徴のひとつとして、一つひとつの動画の再生時間が 他の現代入りシリーズや幻想入りシリーズのものと比べ比較的長いことが挙げられる。
第1話の時点で既に46分17.524秒と割と長い部類であったが、 第7話が72分56.914秒 (1時間12分56.914秒) となり初めて1時間を突破。
そして第13話ではついに2時間を突破し154分20.906秒 (2時間34分20.906秒、総フレーム数 277,827) と非常に長い動画となった。 この154分20.906秒という再生時間は幻想入りシリーズ、現代入りシリーズの両方を合わせた中でも最長で、 現代入りシリーズの中では2時間を超えた唯一の動画である (2011年6月22日現在)。
(ちなみに、幻想入りシリーズでは「窓付きが幻想入りは幻想入り最長動画を目指します⑪」の95分38秒が最長である)
なお、このシリーズを見たユーザの中には、時間の感覚が麻痺する者がいるようだ。 現在報告されている症状には以下のようなものがある。
(過度な要求は作者にとって大きな負担となり得るので、作者の負担を考えた上で節度ある行動をお願いします。)
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
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- 0pt