ストリートファイターのリーダーである
ストリートファイターUSA、原題『STREET FIGHTER』は、1995年から97年にかけて、北米USAネットワークで放送されたTVアニメーション作品である。全26話。英語圏では「Street Fighter (TV series)」などの通称で知られる。
2019年3月、突如『ストリートファイター USA』のタイトルで日本語字幕版が配信された。4月にはGYAOで期間限定で無料配信もされている。
彼らには独自の行動規範がある。鍛錬、正義、責任(discipline, justice, commitment)
概要
ゲーム『ストリートファイター』シリーズを原作とする独立した作品。ゲームの設定だけでなく実写映画『ストリートファイター』の設定をかなり受け継いでいるが、こちらの続編でも外伝でもなく、話が合わない部分もある。ストーリーは一話完結型で、「ストリートファイター」のリーダーであるガイルと、シャドルーのリーダーのバイソンの対立を中心とするが、シャドルーもガイルも出ない回もある。
13話までがシーズン1で、14話から26話がシーズン2となっている。シーズン2で少し作風が変わり、原作ゲームの設定が出てくるようになり、ストZEROキャラが本格的に登場。ガイルとバイソンの出ない回が多くなる。
また23話(FINAL FIGHT)はタイトルの通りファイナルファイト回であり、ストリートファイターシリーズに出ていないキャラクターも登場する。
日本語版においても固有名詞の多くは英語版に準じており、バイソン(ベガ)、ベガ(バルログ)、バルログ(バイソン)や、ガイルのフラッシュキック(サマーソルトキック)も英語版のまま。
豪鬼(AKUMA)や瞬獄殺(Raging Demon)のように日本名に訳されているものもある。
なお本作の配信に合わせ、オリジナルキャラクターの一部がカプコンの「シャドルー格闘家研究所」で新たに設定されて公開されている。
登場ファイター
アニメオリジナルの人物もいるが、下記は原作ゲーム(当時)でのプレイアブルキャラのみにしておく。
ストリートファイターと協力者
ガイル
ストリートファイターのリーダー。よくシワの量が変動する。普段は軍人らしいことはしておらず、格闘家としてそのへんの大会に出て生計を立てているが、呼び出しを受けるとストリートファイターとして活動を開始する。鍛錬、正義、責任を体現する高潔でストイックでタフな戦士。武器に頼らず「氣」の技ソニックブームでだいたいの問題を解決する。
妻子の設定はなくなっている。代わりに元恋人のルシンダ(シンディ)には未練たらたらである。
またリーダーということになっているが、ストリートファイターの司令官的存在はエシャーである。
春麗
女性格闘家。格闘大会にも出るが普段はテレビ局の報道リポーターをやっている。バイソンに父親を殺された過去があり、強い憎しみを抱いている。
気功拳がなぜかファイアボールというアニメ独自の名前に変わっているが、22話から気功拳に直る。
ブランカ
ガイルの戦友。シャドルーに改造されてミュータントにされてしまった過去を持ち、その姿にコンプレックスがあるが、得た力をストリートファイターとして役立てようともする。後半さらに改造されて苦しむことになる。
実写映画の設定が強く影響しており、改造前の姿もナッシュのデザインを受け継いでいる。
ケン
鍛錬、正義、責任の全てが欠如したいい加減な格闘家。女と儲け話が好きで、いつもトラブルを起こしている。リュウとは共に剛拳のもとで修業した親友であり、いつでも行動を共にしている。
裸足で車を運転する。富豪設定はなくなったかと思いきや出てくる。イライザは出てこない。また師の剛拳は普通に存命である。
リュウ
主人公ではない。ケンより露出が控え目。ケンより真面目な性格だが結局引きずられて適当な行動に加担しがち。忘れた頃にサガットとの因縁が出てくる。
英語ではRYUをライユーと発音されている。
キャミィ
イギリスのデルタレッドを離れストリートファイターに参加した女戦士。ガイルに好意を隠していなかったが、シーズン2で原作を思わせる変化が起きる。
本田
見た目はスモウレスラーだがコンピューターのハッキングを得意とする。原作通りのパワーファイトもできる。
ディージェイ
映画と違いストリートファイター側の真面目な戦士である。ザンギエフの策で名声を傷つけられていた。
T.ホーク
危険思想の女科学者サテン・ハマーのもとで潜入捜査をしていたが、彼女の不遇に思い入れてしまい半ば加担していた。
初登場回から説明なしに舞空術を使っていたが、後の回で無かったことになり、完全に飛べなくなっている。
フェイロン
映画俳優。格闘家としての実力も高く、撮影に参加したガイルに協力して戦う。
ダルシム
元シャドルーの科学者。ブランカを改造したが、その変化にショックを受けシャドルーを離脱、科学を捨て修業者となり超常の力を行使できるようになった。
その科学知識も役立てろとブランカに怒られた。
ローズ
ソウルパワーで世界の危機を察知した超能力者。ケンとブランカに大迷惑をかける。
ガイ
チベットで武士道を習得した格闘家。マッドギアとの戦いに協力する。
本作はZERO3より前のアニメなので、コーディーもファイナルファイト版である。
サクラ
シャドルーの支配下で抵抗している少女。かつてサガットを破ったリュウに憧れを抱いている。
サワダ
元キャプテン・サワダ(サワダ大尉)。現在はサワダ大佐(Colonel Sawada)である。ストリートファイターには属しておらず、生真面目な性格でガイルと対立するが、シャドルー打倒に協力する。日本刀で戦う。
シャドルーとその他の悪党
バイソン
シャドルーのリーダーのほう。サイコパワー(または磁力)を操る超能力者で、よく自ら前線に出てきてガイルと直接戦う働き者である。
ザンギエフ
バイソンの忠実な部下で、比較的出番が多い。本作では完全に悪側のキャラクターで、自分で戦うだけでなく部下を率いることもあるし、弁護士に変装したりディージェイを貶めたりと、なかなかの働き者。
サガット
シャドルーの幹部っぽい戦士。普通に悪党でありバイソンの後釜を狙っているが、戦うとすぐやられたりしてあまりパッとしない。そんな扱いながら最終話で意外な役回りがある。
バルログ
ボクサーのほう。バイソンの部下で、グローブをつけたままコンピューターの操作をしていた。1回しか出ないレアキャラクター。
ベガ
仮面の格闘家のほう。なぜかバイソンと折り合いが悪く、シャドルーには属していないようだが、自分の美貌のために協力する。2度の登場回のいずれもブランカと衝突する。
ソドム
モブ格闘家で登場したかと思ったらバイソンの部下としても登場し、最後はマッドギアの構成員として登場した。扱いのいいキャラではないが、違う状況で3回も出ておりバルログ(ボクサーのほう)より存在感がある。
バーディー
ソドムと組んでバイソンの部下をやっていた。シャドルーのメンバーなのかもしれない。
豪鬼
凶悪な格闘家で、シャドルーとストリートファイター双方と戦う。
ケン・リュウの師である剛拳の弟でもある。
このほかアドンがモブで出ているが、他のZERO出身モブと違い彼だけ再登場しない。
#22 「THE WARRIOR KING」について
22話は異世界より戦士の王(Warrior King)という人物がやってくるという話で、一見するとわからないが、実は奇妙なクロスオーバーの一部になっている。
経緯としては、当時USAネットワークで同時間帯に放送されていた以下の4つのアニメがあり、
- Street Fighter(本作『ストリートファイターUSA』)
- The Savage Dragon(邦訳の存在しないアメコミ『サベッジ・ドラゴン』のアニメ)
- Mortal Kombat: Defenders of the Realm(ゲーム『モータルコンバット』のアニメ)
- Wing Commander Academy(ゲーム『ウィングコマンダー』のアニメ)
1996年11月16日、同日に連続して放送されたこれら全く無関係な4作品で、世界を越えてWarrior Kingがオーブと共に現れるという内容になっている。その1本目、旅の発端が描かれているのが本作の22話である。
このクロスオーバーは事前に一切の告知がなく唐突に放送されたものであり、クロスオーバーが起きていたという事実自体が、4作品まとめて見た人間でなければ気づけないようになっていた。
つまり当時リアルタイムで見た人間の一部が記憶しているのみの奇妙な出来事だったというのである。
制作も版権も全く違う作品群で、このような連携が簡単にできたはずはないのだが、この連作の経緯は今もって不明だという。
ストリートファイターUSAではWarrior Kingがどうなったのか明かされずに終わるが、彼はその後長い旅を経て、ウィングコマンダーの世界で悲しい旅の結末を迎えたという。
この4作品で邦訳があるのはストリートファイターのみで、将来的にも翻訳される可能性は低いと思われる。Savage Dragonに至っては英語のソフト化もされていないらしい。
というより、この4作品からストリートファイターが翻訳されたこと自体が奇跡的であるとも言える。
その結果として、Warrior Kingという奇妙なキャラクターが20年以上も後に日本語訳されたという事実は、どこかに書き留めておく価値があるものと考える。
関連チャンネル
dアニメストア ニコニコ支店でも配信されている(2019年5月現在)
関連項目
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