『世界侵略: ロサンゼルス決戦』(せかいしんりゃく ロサンゼルスけっせん)は、2011年のアメリカのSFアクション映画である。
概要
ロサンゼルスに襲来した謎の地球外生命体にアメリカ海兵隊が立ち向かうアクション映画。いわゆる「ロサンゼルスの戦い」などの実際の事件を題材としており、アクション映画であると同時にモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)映画としての要素も含まれている。
ストーリー
1942年2月25日。ロサンゼルス上空に未確認飛行物体が出現、米軍が応戦する騒ぎとなった。後に「ロサンゼルスの戦い」と呼ばれたこの騒動は、大きな被害を出さないまま収束する。その後、同様の飛行物体が1965年にブエノスアイレス、1983年にソウル、1991年にロンドンで確認されるも、その実態は分からないままであった。
2011年。再び出現した飛行物体は、突如全世界に対し一斉攻撃を開始。各主要都市が次々と壊滅状態に追いやられる。そんな中、ロサンゼルスにおいて、近々退役する予定であった海兵隊所属のナンツ二等軍曹は軍曹に欠員が出た部隊に急遽配属され、敵の支配区域内に取り残された民間人の救出任務が与えられることとなった。民間人を救出できようができまいが、3時間後にA-10とB-52による敵支配地域への大規模爆撃が行われる予定であり、刻一刻とタイムリミットが迫る中、ナンツ達は敵の支配するロサンゼルス沿岸部へと足を踏み入れるのであった・・・・・・
要するに海兵隊版インデペンデンス・デイ
登場人物
- ナンツ二等軍曹/アーロン・エッカート
海兵隊を長く務めるベテラン。近々退役する予定だったが、マルティネス少尉の部隊に所属する軍曹が欠員となったため急遽配属される。 - マルティネス少尉/ラモン・ロドリゲス
第5連隊第2大隊E中隊所属の新米少尉。実戦は今回が初めてだが、ナンツの補佐を受けて民間人の脱出任務を果たそうと奮闘する。 - エレナ・サントス技能軍曹/ミシェル・ロドリゲス
空軍所属の女性兵士。ロサンゼルスに侵攻した敵の中枢を探し出す任務を受けていたが部隊は全滅。脱出中にマルティネス少尉の隊と合流する。 - ジェイソン・ロケット伍長/コリン・ハードリクト
海兵隊員。兄をナンツの指揮下における戦闘で失っており、ナンツの事を「兄を見殺しにしたヤツ」として敵視している。ナンツ曰く「兄に似ている」 - ジェイソン・モトーラ上等兵/ジェイムズ・ヒロユキ・リャオ
海兵隊員。通信を担当する。日系(アジア系)の顔立ちだが、設定上もそうなのかは不明。ちなみに演じたジェイムズ・ヒロユキ・リャオ氏は台湾人と日本人のハーフだとか。 - ミシェル/ブリジット・モイナハン
- リンコン/マイケル・ペーニャ
敵の支配区域内の警察署に取り残された民間人たち。彼ら以外にミシェルの姪2名、リンコンの息子ヘクターも同じく警察署内に取り残されていた。
エイリアン
流星群に紛れ、突如として地球に侵攻してきた宇宙人軍団。正式名称はおろか、侵略の目的も不明(専門家は地球の水資源を狙ったと推測している)。
世界中の21の都市に一斉攻撃を仕掛け、電撃的に勢力圏を拡大。不意を突かれた軍隊は劣勢を強いられ、舞台のアメリカでもサンフランシスコ等の都市が陥落した。技術レベルは地球と大差なく、当初は航空機を出さなかった事から「空からの攻撃に弱い」と思われた。しかし実は遠隔操作の戦闘機を持っており、それが戦場に投入されると一気に制空権を奪われる。物語序盤では、あんなにたくさん飛んでいた戦闘機やヘリが中盤以降、姿を消している事からもその事が窺える。宇宙人は機械を埋め込まれたサイボーグのようなもので、無理やり戦わされているという。捨て駒のような扱いから尖兵のように見える。
製作
監督のジョナサン・リーベスマンのよると、本作は戦争映画のスタイルでエイリアン侵略を描くため、『ブラックホーク・ダウン』、『プライベート・ライアン』、『ユナイテッド93』からインスピレーションを得ているという。またリーベスマンは、映画の外観のためにファルージャで戦う海兵隊のYouTubeビデオからインスピレーションを得た。結果、ハンドヘルドカメラ・スタイルで撮影され、監督は観客が画面酔いをするのを考慮し、3D撮影は断念された。
2008年11月、主演はアーロン・エッカートに決まったことが報じられた。翌2009年9月、R&B歌手のニーヨが出演が決まった。彼が音楽やダンスと関係の無い映画に出演するのは本作が初めてのことである。
設定上はロサンゼルスを舞台としているが、2009年9月から2010年10月のあいだに行われた実際の撮影は、大半がルイジアナ州のシュリーブポートやバトンルージュに組まれた特設セットにて行われた。
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントは、本作のVFXを担当した会社ハイドラックスのストラウス兄弟が、本作より先に公開された同じくロサンゼルスを舞台にエイリアンによる地球侵略を描いた彼らの映画『スカイライン -征服-』に本作の製作過程で得た資源を無断で流用したとして、彼らに対する法的措置を検討している。これに対しストラウス兄弟の広報は「われわれが不当だとする主張はすべて根拠のないものだ。『スカイライン』の公開日は監督の意思に関わらずユニバーサルとレラティビティが以前から決めていたもので、これは組織に属さない製作者に公開を延期させようとするソニーの明らかに不当な試みである」と答えている。
サウンドトラック
予告編では、ヨハン・ヨハンソンの "The Sun's Gone Dim And The Sky's Turned Black" が使われていたが、サウンドトラック盤には未収録である。
ゲーム
2011年、Saber Interactiveが開発し、コナミが販売する本作のコンピュータゲームが予定されており、プレイステーションネットワーク、Xbox LIVE Arcade、Steamで発売される。アーロン・エッカートも映画と同じ役でゲームに出演する予定である。
評価
2011年3月11日時点でRotten Tomatoesでの評論家は支持率は36%(99名中35名)で「腐敗映画」となっており、平均点は10点満点中5点である。
『トータル・フィルム』誌、『ラジオ・タイムズ』誌、『シカゴ・トリビューン』誌では5つ星満点で3つ星が与えられている。
『エンパイア』誌のキム・ニューマンは、5星満点で2星とし、独創性の不足を指摘した。『タイム・アウト』のナイジェル・フロイドもまた2つ星とし、「陳腐な対話とつまらない感傷を平坦な軍人キャラクターに押しつけている。」と評した。
日本での公開
2011年3月11日に発生した東日本大震災を受け、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントと興行各社は4月1日に予定されていた日本における公開を10月まで延期すると発表した。
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関連動画
関連項目
リンク
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