ヘクター・ドイルとは、刃牙に登場するキャラクターである。CV.子安武人
最大トーナメント終了後脱獄した死刑囚の一人で、イギリスのグラスゴー郊外にあるカリオス刑務所から脱獄し、敗北を知るために日本へ向かう。
電気椅子にすら耐えうる強靭な肉体と目隠しをしたまま拳銃を装備した刑務官を何人も殺害する格闘センス、全身に仕込んだ武器などを駆使して戦う。
ちなみにイギリスには海賊法・国家反逆法・軍法以外で死刑は存在しないため(※1)ひっそりと軍人である設定である。
そのためか日本へ来る時は軍のコネを利用しミルベンフォース空軍(※2)を利用して来日し、ストライダムとも接触している。
死刑囚5人の中ではおそらくは最年少であり非常に若い。且つ中性的な顔つきをしており、多少違和感は残るものの女装も可能。
普段の服装は上下を黒で統一しパンツはヒョウ柄のものを愛用している。サングラスをかけたり普通のものとは少し違う眼帯を付けるなどお洒落に気を使う面もある。
体内に武器を仕込んでいること、敗北についての思想、主に戦う相手が神心会や烈であること、死刑執行に耐え抜いて周囲の人間を全滅させての脱獄等、同じ死刑囚の中でもドリアンと似通っている面がある。
余談だが死刑囚の中では日本でかなりまともな生活をしている。自宅暮らしの柳龍光は例外として、スペックは刑務所暮らし、シコルスキーはボロい廃ビル暮らし、ドリアンは戦時中に作られた地下部屋暮らしを送っている各死刑囚面々に対し、ドイルはなんとにホテル暮らしをしている。
死刑囚の中でも取り分けノールールの思想が強く、本人の弁ではあるが核兵器の使用まで想定している。そのためか、ほぼすべての戦いにおいて武器を使用している。
体内にも武器を仕込んでおり、体中に張り巡らした配線で起動して攻撃することができる。
体内の武器の使用に必要なのか防御用かは不明だが腕に鉄骨が埋め込まれており、重傷は負うが日本刀の太刀をガードすることもできる。
武器のほかに不意打ち・だまし討ちをよく利用する。素の身体能力も非常に高いものの、地下闘技場代表のファイターには及ばない面が多い。
電気椅子に耐えきっての脱獄後、軍用機で来日。来日後ランニングトレーニング中のロブ・ロビンソンにケンカを売る。命の危機が迫っているのにプロだのなんだの言って喧嘩はできないと主張するロビンソンにがっかりし、ロビンソンが勢いで胸倉を掴んでしまった際、襟の仕込みカミソリに動揺した隙に首を掻っ切って倒す。その後闘技場へ向かい各死刑囚や地下闘技場ファイターと邂逅。
その後しばらく出番がなかったが、刃牙の通う学校に登場する。
この時地上から二階にジャンプして侵入するのだが、丁度学校の教師が地上から二階へジャンプはできん!と刃牙に説教を垂れている最中での登場だった。(※3)ドイル曰く時間が惜しいのでシンプルに入ったとのこと。
登場していきなり呆然としている教師を吹っ飛ばすが、いきなり泣き出した刃牙の態度に一瞬気を取られ机越しに思い切り蹴り上げられる。蹴り上げられたものの試合場とプライベートでの喧嘩の違いを理解している刃牙を賞賛し、コンパスやカッターなどを拾い臨戦態勢に入るが刃牙にはとっとと逃げられてしまう。
この場では深追いはせず撤退する。
長らく登場はなかったが来日して暴れまくっているビスケット・オリバが警視庁にいることを知り、婦警に変装しこっそり背後から襲撃する。(※4)オリバは偶然にもドイルについて情報室で調査中であった。
オリバに対し自身もアンチェインの一人であると主張し
と、問いかける。
不意打ちで肘の仕込みナイフでオリバの顔面を切りつけるとともに幻惑剤を仕込む。オリバの巨体ゆえすぐに効果は表れなかったが、オリバが余裕の態度で会話を長引かせたため十分に効果は得られオリバにめまいを起こさせる。さらに傷口を狙ってハイヒールで肉が剥がれる強さで蹴り上げ、反撃しようとしたオリバにハイヒールをぶつけ、その隙に脱獄時に見せた渾身の追い突きを炸裂させてダウンを奪い取る。
倒れたオリバを余裕をもって見下していたが、突如オリバの反撃で足を掴まれ片手で散々振り回された挙句、警視庁が揺れる地震が起きるほどの渾身の力で床に叩き付けられる。自力では起きられなくなるほどのダメージを受けた上、この騒ぎに流石に近辺にいた警官が駆けつけるがオリバがドア越しに追い返す。
このままとどめを刺そうとオリバが胸倉をつかんでドイルを引き上げるが襟には仕込みカミソリが・・・。その隙を逃さず、右拳を顔面にブチ込み、ナイフをオリバの腹に突き刺し、二段蹴りをオリバに決める。
そのまま速攻で部屋の点検口を使い撤退する。
勝負自体は痛み分けで終わっているが、丸腰のオリバに対して不意打ち・幻惑罪・体内に仕込んだ武器・ナイフを用いても倒し切れなかった上、一撃で致命的なダメージを受けたことからオリバを相当な実力者であると認める。
地下まで逃げた後変装を解いて、走行中の地下鉄にスパイダーマンのごとく飛びついて帰路につく。
なおオリバはこれだけの戦闘の後でありながらほぼノーダメージでピンピンしており、治療も受けずに渋川剛気及び警視庁のエリートと柔道を楽しんだりしている。
潜伏しているホテルでストライダムと会い、パンツ一丁で自身の体内に仕込んだ武器の数々を披露する。
その時鎬高昇が室内に乱入し、いきなり襲撃を受ける。鋭い足刀を喉に喰らい強烈なダメージを受ける。何とか立ち上がり体内の仕込みナイフを作動させ臨戦モードに入るが、強烈なカウンターで同じ喉をやられる。
幾度となく繰り返し攻撃を受けるが、幾度目か倒れたドイルに勝利を確信した鎬高昇が迂闊に近づき顔を近づけたため、スプリングパンチで顎をブチ抜く。さらに全身の仕込みをすべて稼働させ完全臨戦態勢に入る。鎬高昇はカウンター狙いでドイルが先に動くのを待っていたため、ドイルが腕を動かしただけで思わず動いてしまう。全身の武器を稼働させたのはフェイクで、そのまま胸に仕込んだ大量の爆薬を爆発させ鎬高昇を吹き飛ばしKOする。
普段から重火器を使用する軍人であるストライダムですら、この体内の暗器の数々を使った戦いには疑問を呈し、この戦いを横から見ていた感想として「男の戦いではない」と批判される。ストライダムから拳銃の使用の可否を問われるがそれもアリだと答え、更には核兵器の使用の話も持ち出されるが、それも仕留められることなく発射できるのならアリと答える。また、最強とは何かと問われ「負けぬことだ」と表明する。そして敗北を知りたいのに、負けないように武器まで使用することについては「全力を尽くしたうえで負けた時こそ敗北を満喫できる」と答える。
ある日、百貨店で買い物をしているとエレベータの中で烈海王と鉢合わせる。烈海王に隙を作るためなのかそれとも本心なのか「ここで戦うのはまずい」と主張するが烈海王に「私は構わん!」と拒否される。これを幾度か繰り返しながら行動を共にし、最終的に飲みに誘いバーに入る。
自身の故郷の酒であるスコッチを注文しつつ雑談を振りそして蝋燭へ目をやるが、直後鏢を目に突き刺され片目を失明する。さらには自身がやろうとした火炎放射を喰らい、更なる追撃で全身に32本の鏢を喰らい、たまらず逃走する。店からは脱出できたが、烈海王による追撃の錘分銅で動きを封じられ青龍刀で切りつけられる。がこれが功を奏し自身を封じていた分銅まで切れたため、煙玉を使用しマンホールから逃走する・・・ように見せかけ背後から鏢で烈を突き刺す。
片目失明と重傷による失血で手元が狂って急所を外してしまったため烈を止めることはできず、次なる武器の七節昆で全身の鏢を吹き飛ばされる。最後の切り札であるブレストファイアーも回避され、さらに連撃を喰らい徹底的に追い詰められるが、突如現れたジャック・ハンマーが烈に麻酔を撃ち込み失神させる。
ジャック・ハンマーはドイルに倒された鎬高昇の兄の紅葉からドイルの話を聞き、敵討ちがてらドイルと戦うつもりであった。満身創痍のドイルではつまらないと思ったジャックは、その場は宣戦布告のみを行い立ち去る。一人残されたドイル、最初は帰ろうとしたが、麻酔を打たれて無防備となった列が不良に絡まれたり野良犬に絡まれたりと危険な状態であり、どうにも放っておくことができず起きるまで警護する。烈は結局朝まで目覚めずドイルは瀕死状態となるが、ドイルに大恩を感じた烈の迅速な搬送と神心会の協力で何とか一命をとりとめる。その後烈から看病を受けるが対立するもの同士一緒にいることはできずひっそりと病室を抜け出す。
道場で練習中の愚地克巳の前に現れて治療の御礼を述べる。言いにくい事であると前置きをした上で対立するもの同士として克巳を葬ることを宣言。克巳もそれを承諾し戦うことになるが、空手着を着て戦うことを要求し持参した空手着を着るふりをして素早く耐火服を着込み、薄力粉をブチ撒け粉じん爆破を起こし、克巳やその場にいた空手家数十人諸共ビルのフロアごと吹き飛ばす。
逃走中に愚地独歩と遭遇、さんざん侮辱され挑発され逆上したところで、独歩の提案した「一撃づつ腕力で殴り合う勝負」に乗るが、初弾を即座に空手技の廻し受けで防がれ、怒涛の空手技による急所五連撃で倒されてしまう。
神心会道場に運び込まれ意識を取り戻すとそこには愚地克巳がいた。敗北を認めるかどうか問われるが答える前に蹴り倒され気を失う。再び目覚め今度はスプリングで顔面を狙うが軽くかわされ急所四連撃を喰らい失神。幾度かそれを繰り返したのち遂に朝を迎え食事を取り再び立会うが、この時克巳に武器を使わなくなっていることを指摘される。怒りのままに攻撃を繰り出すがかわされ反撃を喰らい、下段突きを眼前に迫らせながら敗北を勧められるが拒否、そのままコンクリートブロック三枚を破壊するという下段突きを顔面に喰らう。顔面が大きく陥没骨折する重傷を負う。
次に目覚めた時には克巳はすでにいなかった。神心会門下生からドイルの勝利を通達される。その後克巳の自宅に向かい自宅から顔を出した克巳を、膝まづき自らの服を地面に敷いて出迎える。瀕死の目に遭いながらも敗北を拒否し続け意地を張っていたが、克巳により勝利を譲られることで意地を張る必要が突如なくなってしまった(=敗北)。初めて得られた敗北は、意地を張り通すことからの解放という喜びであった。この行為はそのプレゼントをくれた克巳に対する最大の敬服であり且つ敗北を認めたことの表明であった。
神心会と和解したことで対決は終了したが脱獄死刑囚という身分上、神心会の手引きで中東へ密入国することになる。最後の別れ際克巳との友情の証として正拳突きを教わり、更には克巳から黒帯を授与される。しかし、出航直後に柳龍光の襲撃を受ける。先手を奪おうとするが回避され毒手で残りの目を失明させられてしまう。さらにタバコを利用した陽動作戦に引っかかり、皮肉にも先ほど克巳からもらった黒帯で首を絞められる。ここぞとばかりに正拳をブチ込み反撃に出るが決定打にはならず、逆に柳龍光の反撃の掌底で船外まで吹き飛ばられ首つり状態となる。なんとか克巳の黒帯をロープ代わりにして這い上がるが、日本刀を抜いた柳龍光が待ち構えており真っ二つになる勢いで斬られ、腕に仕込んでいた鉄骨でかろうじて防ぐ。致命傷とはならなかったものの腕の出血による貧血で失神を起こしそのまま海に転落する。
その後長らく生死不明だったが、他の死刑囚たちが全滅した後に海沿いの洞窟に潜んでいるところをビスケット・オリバに発見される。満身創痍な上に両目失明という絶望的な状態であったが勇敢にも戦う姿勢を見せる。しかし当然敵うはずもなく失神させられ逮捕される。
その後は日本の警察病院で治療を受けており柳にやられた毒手により失明の治療を行っている描写がある。※5
盲目となり、医療刑務所に収監されている。ただ光を失ったことにより得たものがあるらしく、さらに音を失えば何が手に入るのかを確認するために自ら聴覚まで潰している。1年半後、皮膚に関係する新たな感覚を身に着けたらしく、飛んでいるコウモリを鷲掴みにしていた。
常人離れした身体能力を誇るものの総合的な実力としては同じ死刑囚の柳龍光の敗北したことから下位であると言える。
ロブ・ロビンソン戦以降、不意打ちの粉塵爆破で勝利した愚地克巳戦以外は、勝利したとしても劣勢に立たされる戦いばかりである上、その勝ち方には戦いを見ていたものから痛烈に批判されることが多い。
とはいえ電車に飛び移る強靭な指の力やオリバにすらダメージを通す強烈な追い突き、オリバの一撃を受けた上で逃走をすることができるなど、同じ死刑囚であるシコルスキーと身体能力において同等もしくは上回る描写もある。
ドイルについては上記の実力よりも、烈海王や愚地克巳との絆のエピソードの数々が高く評価されている。
また思想自体はかなり危険なものであったものの、他の格闘家同様に彼は彼なりの最強を純粋に目指しているのである。上記の絆をはぐくんだエピソード然り決して人間性がないわけではない。
※1中世からそれ以前にかけてのイギリスはかなりの死刑大国であり、窃盗罪などの比較的軽い犯罪にも死刑が適用されたほか、史上最年少の7歳の少女の死刑記録もある。死刑を廃止させた現行法はそのリバウンドと言えよう。イギリス本土では1969年、北アイルランドでは1973年に廃止、その後は国家反逆罪、軍隊内部での犯罪、海賊行為のみ死刑制度がおまけ程度に残されていたが1998年に完全廃止。ごく一部の島々では2006年まで死刑制度が残っていたが執行はされた記録はない。
そして1998年廃止ゆえ、連載当初である1999年はギリギリ死刑制度が廃止された後である。ドイルの脱獄したカリオス刑務所はグラスゴーにあるため2006年まで死刑制度があったごく一部の島々とは別の地域である。まあ矛盾だらけのバキ世界にとってはこの程度矛盾でも何でもないのだろう。。。
※2ミルベンフォースという基地は存在しないが、ミルデンホール空軍基地は実在する。ミルベンフォース空軍基地のモデルとなった基地であると考えられる。なおこの基地はイギリス軍の管理下のものではなくアメリカ軍の管理下、つまり在英米軍基地である。そのためドイル自身はイギリス人ではなくアメリカ人の可能性もある(警視庁のデータベースでも国籍は不明とされていた、米軍兵士のストライダムともコネがあった)。もしアメリカ人であればイギリスの軍法の適用外となり海賊法か国家反逆法を犯したことになる。
※3なおこの脚力は作中でも異常である。というのも最終決戦時の範馬勇次郎はエスカレーター込みで二足で登ったためである。勇次郎は本気ではなかった可能性を大いに考慮してもなお、一足飛びで二階へ飛び移ったと思われるドイルの脚力は作中でもトップクラスと言える。
※4余談だがこの時にオリバに出したコーヒーはブルーマウンテンであり、かなりの高級コーヒーである。
※5ビスケットオリバの弁ではペプチド・アコニチン・アチシン・スコポラミンなどの毒が打ち込まれていることが分かる。主に植物性のアルカロイドの名前が挙がっており神経毒となる塩基性有機化合物であることが作中で描写されている。上記の成分以外にも成分表には多くの成分があげられている。
掲示板
107 ななしのよっしん
2022/11/22(火) 18:55:17 ID: 7+bSXHehHQ
北海道に居たガイアの仲間もなんか似たような刃物仕込んでたな
流石に体内じゃなくて装着式だろうけど
108 ななしのよっしん
2023/08/07(月) 07:20:46 ID: dlr4L7x8Yh
アニメで点検するようなシーンあったが自分で仕込んだり点検も限界があるから本格的なメンテとかは医者にやってもらってんのかな?
109 ななしのよっしん
2023/12/15(金) 04:00:43 ID: /nmPnfPg1s
シコルと柳が外伝のスピンオフに出てるから、ドイルも出そうな感じがするけど出そうで出ないな
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/04(土) 17:00
最終更新:2024/05/04(土) 17:00
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