おいは恥ずかしか!生きておられんごっ!とは、漫画『衛府の七忍』に登場する蜷尻左近の台詞である。
概要
登場からわずか7ページで切腹した薩摩藩の武士の台詞。別にもともと切腹するつもりだったわけでもなく、切腹の覚悟が決まってからであれば2ページで実行している。
標準語で言うなら「私は恥ずかしい!生きていられない!」という意味になる。
単行本では4巻に収録。非常にスピーディーな展開であったことから話題に挙げられることがある。
台詞
おいは恥ずかしか!
生きておられんごっ!「左近どん」
(左近が切腹する)
「介錯しもす!」
(左近の首が飛ぶ)
経緯
本作は江戸時代初期を舞台としたフィクションである。大坂の陣の後に琉球王国へと落ち延びていた豊臣秀頼のもとへ、薩摩藩の島津義弘と薩摩藩士たちが保護のために訪れてきた。
話の本筋としては、秀頼配下の七手組に属する犬養幻之介が、それまで交友を深めていたタケルと琉球の民に対して(彼らを秀頼の皆殺しの指示から助けるための芝居として)「犬」と呼んでタケルを捕縛の上で秀頼に献上する。しかし、その結果タケルは「犬」として猛獣と戦う仕打ちを受けてしまっていることを知り、幻之介は後悔していた…
…というところで薩摩藩の蜷尻左近・入来鹿太郎・樋脇数馬が幻之介に話しかけてくる。先に言ってしまうと、左近の切腹自体は話の本筋とはあまり関係がない内容となる。
ここで幻之介は、左近から「七手組が出陣しておれば家康公を討ち取れたともっぱらの噂」「七手組は出陣しなかったが貴殿は片腕 さてどのように働きもした?」などと煽られてしまう。ただ、大坂の陣では七手組は秀頼の「余の側を離れてはならぬ」という指示で動けない状況だった。
幻之介は左近の顎を勢いよく手の甲で殴り[1]、左近は「ストン」と尻餅をついてしまう。「すとんて」
鹿太郎・数馬が尻餅をついた左近を嘲笑う。しかし、左近は「尻小姓」と格下に見ていた相手の殴打で尻餅をついてしまったことを恥じ、「おいは恥ずかしか!生きておられんごっ!」と腹を開いてしまった。これに応えて鹿太郎が「介錯しもす!」と即座に介錯し(首を斬り)、左近は死亡した。
その後残された2人は「笑うたこと許せ」「合掌ばい!」と左近をすぐに弔っていたものの、さすがに幻之介もこの様子には狂気を感じたのか、汗を流して「薩摩の狂犬ども 獣とは貴様らの如きを言う!」と思いその場から走り去っている。
ちなみに、後に登場する薩摩藩士[2]は誤チェストを数えきれないほど行っている(詳しくは「誤チェストにごわす」の記事を参照)。「おいは恥ずかしか!」は本筋とあまり関係がないものの、本作での薩摩藩士の狂いぶりを幻之介の目の前で最初に[3]示した描写となっている。
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関連項目
脚注
- *『シグルイ』の虎眼流の「虎拳」と同様の技となっている。ちなみに、犬養幻之介もシグルイの主人公である藤木源之助と瓜二つである
- *入来鹿太郎・樋脇数馬に見えるという声もあるが、作中で同一人物とは明言されていない
- *ただ、タケルの回想という形で、薩摩藩士が行う「頭から腰まで相手を真っ二つに斬る行為」は以前に描かれていた
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