ひかりレールスターとは、山陽新幹線を走るひかりの愛称である。2000年3月11日デビュー
概要
JR西日本は民営化後の1988年から0系「ウエストひかり」を運行していたが、車両の老朽化と300系・500系と比べると最高速度が遅いという問題を抱えていた。
そこで、「ウエストひかり」の高速化と旅客サービスの強化を行う為1999年に登場した700系をベースに専用車両7000番台(E編成)を開発し投入した(当時は500系もデビューしていたのだが、JR西日本担当者の「人気は500系、乗るなら700系」という理由で700系の採用となった)。
航空機に対抗するべく設定されたこのひかりレールスターは「ひかり」ではあるが、700系を使用しているため最高速度は285km/hで、「のぞみ」ダイヤとの共存が図られている。新大阪~博多間の所要時間差も一部を除き数分~十数分に抑えられているため、原則として「のぞみ」には抜かれることはなかった。
2012年3月17日以降は定期列車は停車駅を増やしている為、「のぞみ」や「さくら」に抜かれている。
普通車指定席は「ウエストひかり」同様2&2とされた。シートピッチは他の普通席と同じでフットレストなどの附属設備はついていないものの、座席の横幅はグリーン車に引けを取らないほど広い。にもかかわらず「ひかり」であり3&2である「のぞみ」の指定席料金よりも安いことから「ひかりレールスター」を指名する客も多い。
使用している700系7000番台は8両編成であるので、16両編成・1323席を絶対とする東海道新幹線への旅客列車としての入線はないが、回送列車として大阪・鳥飼車両基地への入線はある。
今後は700系7000番台からN700系7000番台に順次置き換えられていく事となっているが、E編成の車両愛称でもある「レールスター」はN700系「ひかり」では名乗っていない(置き換え後の「ひかり」は全席禁煙となる)。
なお、一部で廃止報道が出ていたが九州新幹線との相互乗り入れ開始後も山陽新幹線内で運転される事となり(但し、1時間に0~1本程度となる)、博多駅で九州新幹線と接続、列車番号に関しては新大阪駅発着の「さくら」との連番となっている。
2012年3月17日のダイヤ改正では「みずほ・さくら」の増発に伴い更に本数が減り、上り(新大阪行き)1本(ひかり442号)のみとなる(臨時列車はこの限りではない)。この列車自体は停車駅の多い「通勤ひかり」で、博多~新大阪間を従来よりも1時間以上遅い3時間50分を要する列車であるため、航空機対抗としての「ひかりレールスター」は全て「さくら」に置き換わっている。なお、2013年3月16日の改正では下り(博多行き)が1本新設される。
余談であるがこの列車は姫路駅を発車してから、同駅を3分後に発車する新快速に西明石駅で一時的に追い抜かれるという、ひかり号らしからぬダイヤが組まれていた(西明石駅で「のぞみ」通過待ちにより13分もの長時間停車が行われるため)が、2013年3月のダイヤ改正で運転時間をずらしたため前述の現象は消滅した(ただし西明石駅で11分の長時間停車を引き続き行っている)。しかし2015年現在、停車時間が15分に延びたため西明石駅で新快速に抜かれる現象が再び起きている(ひかり442号…姫路駅9:25発→西明石駅9:36着、9:51発 新快速…姫路駅9:27発→西明石駅9:47着、9:47発)
2024年3月16日現在は山陽新幹線完結の定期ひかり号は下り1本、上り2本あるがひかりレールスターとして運行されるのは上り590号(2590A・新下関駅始発岡山駅行き)のみで、残りはN700系16両編成での運行となっている。なお、590号は厚狭駅のみ通過の所謂「ひだま」である。
山陽新幹線の速達列車に関して
「ひかりレールスター」登場時は「のぞみ」の山陽新幹線乗り入れ本数も少なく、山陽新幹線内で完結する速達列車の需要があった。
しかし、品川駅の開業に伴うのぞみ増発により博多へ行く「Wのぞみ」や広島発着「のぞみ」が増発された事や、九州新幹線「さくら」が毎時1本は乗り入れる事となる為に前述の廃止報道が出たものと思われる。
但し、乗り入れ先の路線に何かが起こった場合(例:地震による東海道新幹線の不通等)に山陽新幹線内で完結するレールスターは最小限の影響で済む為、いざという時の為にもレールスターと同等の列車の設定を「さくら」乗り入れ以降も存続させる事が望まれていた。
(なお、九州新幹線の運行状況によっては「みずほ・さくら」の運行区間変更や博多~新大阪間の救済臨が運行される)
サービス
- サイレンスカー
- 4号車は車内放送が異常時及び始発・終着案内を除いて行われていない(但し、サイレンスカーの設定がされない場合もある)。2011年3月12日のダイヤ改正に伴いサービスは終了している。
- コンパートメント
- 8号車に設けられた個室(4人用)。3人以上での利用となる。なお、コンパートメントは「レールスター」でのみのサービスで「こだま」では利用出来ない。
- 旅指南
- タッチパネル式の時刻表検索機。2008年3月14日にサービスを終了した。
「ひかりレールスター」データ
- 車両:700系7000番台E編成
(※500系V編成が応援に入る場合もある。なお、かつては500系W編成で運行された事もある) - 会社:JR西日本
- 運用線区:山陽新幹線
- 最高速度:新大阪~姫路:270km/h 姫路~博多:285km/h
- 所要時間:2時間40~50分(~2012年3月16日)、3時間50分(2012年3月17日~)
- 停車駅(~2012年3月16日):○は停車、△は一部通過、─は通過
※なお、一部レールスターは博多南線乗り入れ(この際、博多南線内では列車名は設定されない)
新
大
阪新
神
戸姫
路岡
山新
倉
敷福
山新
尾
道三
原東
広
島広
島徳
山新
山
口新
下
関小
倉博
多博多
~新大阪○ ○ △ ○ ─ ○ ─ ─ ─ ○ △ △ △ ○ ○ 広島
~新大阪
(朝のみ)○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ - 停車駅(2012年3月17日~)
ひかり442号
新大阪行き新
大
阪新
神
戸西
明
石姫
路岡
山福
山三
原東
広
島広
島徳
山新
山
口新
下
関小
倉博
多 - 編成図(博多⇔新大阪)(700系7000番台)
なお、喫煙車両は6号車のみでそれ以外は禁煙(※2012年3月17日より全車禁煙)。
公衆電話は4・8号車に、車イス対応座席は7号車にそれぞれ設置されている。
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 自由席 自由席 自由席 指定席 指定席 指定席 指定席 指│個
ひかり590号(2024年3月16日現在)
- 停車駅(2023年3月18日現在)
ひかり590号
岡山行き新
下
関新
山
口徳
山新
岩
国広
島東
広
島三
原新
尾
道福
山新
倉
敷岡
山 - 編成図(新下関→岡山)(700系7000番台・全車禁煙)
車イス対応座席は7号車に設置。特大荷物スペースつき座席は6号車・8号車の最後部座席。
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 自由席 自由席 自由席 自由席 自由席 指定席 指定♿ 指│個
お絵カキコ
700系7000番台 ひかりRaki☆Suta |
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関連項目
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線の使用車両 |
0系 - 100系 - 300系 - 500系(WIN350) - 700系 - 800系 - N700系 - N700S - ドクターイエロー |
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