26件
カドミウム（Cadmium）とは、イタイイタイ病の原因となった元素である。
恐ろしい元素だが、カドミウムという元素自体には、もちろん良いも悪いもない。問題はこれを垂れ流し続けた人間にある。カドミウムの排出は現在、法律で厳格に規制されている。
概要
- 原子番号は、48、元素記号は、“Cd”、分類は、遷移金属、レアメタル。
- リョウ亜鉛鉱（calamine）の古名でラテン語の「cadmia（鉄のまざった酸化亜鉛の語源）」（フェニキアの伝説の王子「カドモス（ギリシャの地名でもある）」、ギリシャ語で「亜鉛華」の意味の「カドメイア」）に由来する。
- 発見：1817年、亜鉛華（酸化亜鉛、ZnO）を含んでいるはずの薬の中に菱亜鉛鉱（炭酸亜鉛、ZnCO2）が含まれていたが、通常の菱亜鉛鉱は赤熱すると亜鉛華になり白いままだが、この亜鉛華は黄色く変化した。これを未知の元素が混入しているためと見抜いて、分析しカドミウムを含んでいることを発見した。
- 利用例：ニッカド電池（Ni-Cd）、メッキ、顔料、塗料、はんだ、蛍光灯、太陽電池（結晶性 CdTe）など
- 人体の必須元素、亜鉛と化学的性質が似ているため、人体に残存し、腎臓障害と骨軟化症を起こす。これにより引き起こされたのが四大公害のひとつであるイタイイタイ病である。詳しくは「公害」の記事を参照のこと。
- ニッカド電池は、メモリー効果という問題があり、電力を完全に使い切らないで充電を行なうと、その電圧が記憶されてしまい、再度充電しても、元の最高電圧まで戻らないという特性がある。現在主流のリチウムイオン電池にはメモリー効果がない。
- カドミウム116は、安定同位体と思われていたが、実は放射性元素で半減期は、3400京年である。
関連項目
関連商品
- 1
- 0pt
