シンバルとは、
歴史はきわめて古く、「クロタル(クロテイル)」「チャッパ」など、同種の楽器は世界中で見られる。余談であるが、タンバリンの枠についているのもシンバルの一種である。
一般に「ジャーン」「シャーン」「カーン」という擬音語で表現されるような激しく印象的な金属音を出し、100名を超えるような大編成のオーケストラや100wを越えるアンプに囲まれた状態でも、意図的にそうしない限り、その存在が埋もれることはない。
基本的に音程は感じられず、複数種類の音が欲しい場合には、都度別のシンバルを用意することになるが、奏法などを変えることによってある程度表情をつけることも可能である。
概要
現在、一般にシンバルと呼ばれるものは、青銅などの合金の円板を加工し、中央部にカップと呼ばれる大きなふくらみと、その周囲にボウと呼ばれる緩やかなふくらみをつけ、中央部に演奏時の固定用に1cm程度の穴を開けたものを指す。
大きさは直径7~8cm程度から70cm近いものまで様々である。厚さは1枚のシンバルの中でも一定ではなく、中央部が一番厚く、縁に行くにしたがって薄くなるものが一般的である。また、凸状にカップがついたものが一般的であるが、凹状にカップがついたものもある。
分類は大きさと厚さで行われるのが一般的である。Wikipediaに詳しい解説があるので、そちらを参照して欲しい。
奏法
楽器の形状と同様、奏法も様々であるが、大別すると、2枚のシンバルを凹んだ側を内側にして打ち合わせる奏法と、1枚のシンバルをスタンドに固定して棒状のものでたたく奏法に分けられる。
いずれの場合も、残響が長く重厚な音を出したい場合は大きく厚いシンバルを、逆に残響が短く軽い音を出したい場合は小さく薄いシンバルを使用する。
前者の奏法は、中央の穴に手革と呼ばれるストラップをつけ、2枚のシンバルを片手に1枚ずつ持って、凹んだ側を内側にして打ち合わせるが、このときに完全に同時に縁をあわせてしまうと、空気が中に閉じ込められてしまい、音が響かない。 そのため、2枚を微妙にずらしたり、角度をつけたりして空気を閉じ込めないように注意する必要がある。
結果としてこの奏法でもっとも難しいのは「2回以上同じ音を連続して出すこと」となる。また、pやppの演奏には熟練が要求されることになる。
さらに、楽器自体の重さや大きな動きを要求されることもあって、曲によっては楽器に合わせて奏者が選ばれる場合もある。
後者の奏法は、スタンドに固定してドラムセットの中に組み込まれ、ドラムスティックで叩かれるのが一般的であるが、クラシック音楽でもシロフォンやティンパニのマレットでロール奏法でクレッシェンドをしたり、曲の締めに用いられる。(例:チャイコフスキー作曲 バレエ組曲「くるみ割り人形」より「行進曲」「花のワルツ」)
通例、ドラムセットでは4~5枚程度の各種シンバルが組み込まれるが、奏者の希望によっては10枚を超えるような場合もある。(関連動画参照)
特筆すべき奏法をするシンバルとしてハイハットがある。
これは小型の2枚のシンバルを、凹んだ側を内側にして2枚組み合わせ、ペダル操作で開閉できるようにしたもので、上記の二つの奏法を併せ持つものとも言える。
閉じた状態でスティックで叩きながらペダル操作で開閉したり、開度を調整したりする他、直接ペダル操作で打ち合わせるなど表現力が大きい。ドラムセットにおいて重要な位置を占め、吹奏楽においても単独で使用される場合がある。
歴史
もともと東洋に起源を持つとされ、宗教儀式や軍楽隊に用いられたようである。 現在でもトルコ系や中国系のメーカーのものが高級品として扱われることが多い。
西洋に伝わったのは十字軍遠征以降とされているが、定かではない。 当初はオリエンタルな響きを演出するための小道具的色彩が強かったようである。
現代一般に言われる「クラシック音楽」では、古典派の中期以降、つまりベートーベンやロッシーニ辺りから用例が目立つようになるが、もっと古い時代から使われていたことには違いないようである。
(このあたり、昔のジルジャンかセイビアンのカタログにもっと詳しく書いてあったような・・・?わかる人の加筆を希望したい)
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 楽器の一覧
- 禿山の一夜(ラベル編曲のオーケストラ版には、終盤に難しい連打が存在する)
- ドボルザーク(交響曲第9番のシンバルパートは、第4楽章の序盤にmfで1発だけである。)
- 吉川晃司(曲中で、高い場所にセットされたシンバルをキックするパフォーマンスが有名)
- GONG
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