概要
分布地域は日本、台湾、モンゴル、中国、朝鮮半島、インドシナ北部など。
大きさは20cmから35cm。背甲は灰褐色で模様はない。ほぼ肉食の雑食で、魚、カエル、水生昆虫などを食べる。
亀との大きな違いは甲羅に模様が無く柔らかい。指で甲羅を触るとふにゅっとする。
甲羅が柔らかい理由は狭い岩場などに隠れるには硬い甲羅より柔らかいほうが便利だからと言われている。甲羅の形も、亀とスッポンではスッポンのほうが水中生活に適した体の作りになっている。
また、顔つきも違い鼻が先がとんがっている種族が多い。
スッポンは噛み付いたら離さないことで知られる。本当にビックリするくらい離さない。噛ませたまま何かに吊るしても絶対に離さない。しかし別に勇猛なわけではなく、窮鼠猫を噛むという調子で自衛行為として噛み付いてくることが多く、噛み付くと早く逃げたいので首を引っ込めようとする。そのしつこさから、刑事などの比喩にも用いられる。
もしスッポンに噛まれてしまった場合は、無理に引き剥がそうとすると洒落にならない怪我を負うことになる。ならどうすれないいかというと、水中に噛まれた部分ごと付けるのが正解。すると臆病なスッポンは最適な逃げ場である水中におのずと逃げこもうとして自然と離れてくれる。ただし、全てのスッポンの種類において保障出来る方策ではない。
食材
日本では古くから肉を食用にしてきた。鍋料理や雑炊が知られる。精がつく食材としても有名。生きたまま売られるのが一般的。通の間ではそのスッポンの形から「まる」と呼び、まる雑炊は至高の味として知られる。
スッポン料理を専門に扱う料亭も多い。非常に良好なダシや旨味が出るので高級料理として知られるが、そのダシを抽出するためには高火力が必要となる。その火力は中華料理屋などの業務用コンロを使ったり、それでも足りないので、コークスを使う場合もある(美味しんぼにも出てきた京都の『大市』など)。そして、その強い火力を土鍋にも当てるのだが、そんな強い火力を食らうと当然土鍋は劣化して割れてしまい、何度もの苛酷な調理に耐えられ、味が染み付いた極上のスッポン用土鍋は何十個に1個の割合でしか残らない(コークスだと500個に1個レベル)という、まさに店にとって門外不出の宝となる。
そんなわけでスッポン料理は確かに一人で食べれば高く、軽く万単位にはなるのだが、コストの大半がこの土鍋のための技術料なので、スッポン一匹あたり、鍋一つあたりの単価で提供していることが多く、家族やグループで食べると一人3500円~5000円ぐらいと、比較的手に届くお手頃価格になる。
スッポンの血は古くから滋養強壮剤や精力剤として飲まれることがあるが食中毒リスクが高いので、実のところ店側はあまり勧めていなかったりする。
なお、スッポンは今日、養殖品を使う。特に大分県の宇佐市安心院(あじむ)は代表的な養殖スッポン産地である。
その他の意味
- トイレの清掃具のラバーカップは、その使用時の音からかスッポンと呼ばれる
- 月とスッポンとは夜空に輝く綺麗な月と泥田を好むスッポンが同じ丸いのに、雲泥の差であることから。決して、スッポンの味のことを言及しているのではない。
関連動画
関連項目
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