概要
古来より貨幣経済が発達し交易が盛んに行われた中華文化圏では、当然料理も発達した。中華と並んで世界三大料理と呼ばれるトルコ・フランス料理は、シルクロード経由で中華料理を原型に持つとも言われる。
長い歴史・深い文化・大きな地域差を持ち、食べれるものは何でも食べる中華料理を一概に語ることは難しいが、大きな傾向として火を使って油で炒めるという調理法が非常に発達している。火の強さ・火にかける時間・使う油の量と種類・鍋の振り方などの組み合わせで差異が生まれ「炒める」という行為だけで数十の動詞がある。できたての温かい料理を饗するのがマナーとされており、「冷やし中華」など冷たい料理は中国人的にはありえないらしい。
デザートはいわゆる『デザート』なものよりもお菓子的なものが多い。
日本で有名な中華デザートである「杏仁豆腐」は本場中国ではあまり有名ではないとか。
油以外で調味料だと「ウェイパー」や「味の素」を使っていることが多い。戦前までは「味の素」は普及してなかったのだが普及したためにだんだん旧来の本場中華料理の味が失われていってるらしい。
「焼き餃子」、「餃子」と「ご飯」を一緒に食べる行為も中国人的にはないとのこと。
調理行程で必ず全ての食品に火を通すため、比較的安全に食べれるのも特徴。
また海外旅行の際に旅行先で中華料理店を見かけることが多い程、世界各地に普及している。
このため海外で食中毒になりたくないなら、中華料理を食べると安全でよいかも。
マナー
堅苦しい作法は少なく、とりあえず箸さえ使えれば問題は無いが、その代わり儒教的な「招待主が賓客をもてなす」という思想に基づいたマナーが多い。
例えば宴会の円卓は部屋の入口から遠い席が上座とされ、主賓や年長者が座り、逆側の下座は宴の主や若輩が座る。
また、主催者は賓客を満足させるのが礼儀上の義務であり、客が綺麗に料理を平らげてしまう=料理ともてなしが足りなかったとなり、主催者の器量が問われる事となる。賓客側も空気を読んでわざと少し食べ残すのが美徳とされた。
とは言えど近年は浪費は悪癖だという風潮が広まったため、あえて食べ切れない量を注文したりわざと食べ残したり等のケースは以前より大分減ったので、余程伝統を重んじる席でも無ければ普通に食べ切って良いだろう。
四大料理
王侯貴族に饗された宮廷料理が源流。味だけではなく見た目にもこだわった豪華絢爛な料理が特徴。フランス料理のように素材の原型がなくなるまで手を加えた物が多い。北方異民族の文化を取り入れた羊肉なども利用する。麦、雑穀の利用が盛んであったため、小麦粉を使う餃子や麺類、包子(パオズ)などが発達した。代表的な料理には北京ダック・餃子(水餃子)・ピータン・慢頭などがある。
海に面した土地柄から海産物が豊富に使われ、野菜についても旬のものを使い素材を生かした庶民的な料理が多い。酒や魚醤などの醸造物を使った甘く濃厚な味付けが特徴で、特に上海では中華風のスイーツ・軽食である点心が発達している。代表的な料理には小籠包(ショーロンポー)・上海蟹などがある。
南・広東料理
交易の中心であり外国の食材も多く入ってきたことから、中華の中でも特に多種多様な食材を使用する。そのため何が特徴とも言い難いが、比較的あっさりとした味付けの料理が多い。また暑い南方で体力を失わないよう、医食同源の思想から様々な食材のエキスを抽出したスープ、湯(タン)が発達している。温暖で雨の豊富な気候から米の料理も多く、日本人にも比較的馴染みやすい。代表的な料理に雲呑(ワンタン)・酢豚・炒飯などがある。
内陸部で新鮮な食材を手に入れづらいという事情があり、食材には豚肉や豆などがよく使われ、味付けには発酵調味料である醤(ジャン)や唐辛子・花椒などスパイスがふんだんに使われる。そのため麻辣(マーラー)と呼ばれる痺れるような辛さを特徴とする。代表的な料理に麻婆豆腐・坦々麺・エビチリなどがある。
日本における中華料理
中国から他国に移住した華僑たちにより中華料理は世界に広まった。その土地々々の文化と食材を取り入れ、現地人向けにアレンジされた中華料理は各地で根付き、旅行先で食べ物に迷ったらとりあえず中華を食っとけなどとも言われる。
日本もその例外ではなく、中華料理は非常にポピュラーなものであり家庭料理にも取り入れられている。横浜や神戸の中華街の飯店は広東系の人間によるものが多く、麺料理・炒飯などチェーン店でも広東料理ベースの物が多い。広東の商人たちが定着したという理由の他にも、米料理が多くあっさりしているなど日本人うけする要素が多かったためだと思われる。また、四川出身の料理人陳建民が日本人向けにアレンジした料理を紹介したため、四川料理も比較的知名度がある。
日本で人気のある中華料理
- ラーメン
- 餃子
- チャーハン
- 鶏のから揚げ
- 小籠包
- シュウマイ
- 麻婆豆腐
- 杏仁豆腐
- 酢豚
- 八宝菜
- チンジャオロース
- エビチリ
- ホイコーロー
- 野菜炒め
- 焼きそば(中華風、皿うどん風など)
- 中華丼
- カニ玉
- 天津飯(西日本)
※ただし日本と本場中国とは違う、また日本オリジナル料理も多いので注意。
漫画の中華料理
料理漫画は数多いが、各作品に大抵一人は中華を専門とするキャラクターが登場し、特定の料理がテーマの漫画でも中華料理の要素を取り入れるキャラクターはよく見られる。それだけでなく中華料理を専門に取り上げた漫画もある。
料理人の少年リュウ・マオシンが中華料理の最高称号「特級厨師」を目指して旅をする物語。料理漫画といえば料理を食べた際の極端なリアクションがよく見られるが、この漫画ではそれだけでなく調理の際にもド派手な演出がなされ、なんで料理人をやってるのか分からないような超人たちがゴロゴロ登場する。
中華の料理人秋山醤が主人公の料理バトル漫画。主人公のジャンは外道で傲慢ながら腕は一流という強烈なキャラクターの主人公であり、普通の料理漫画の枠から外れたいかにもチャンピオン連載らしい怪作になっている。
関連動画
関連項目
外部リンク
- 中国人「杏仁豆腐ってどんな食べ物?」
- 中国で日本のラーメンが人気になったきっかけはとんこつとダシ?
- 中国人の日本における食生活と「羊肉」
- 天使ちゃんの激辛麻婆豆腐って日本風?中華風?
- 餃子でご飯を食べる日本の人ってありえない
- 中国人に冷めた料理はダメよ
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