パラジウム(Pd)とは、歯に詰めたり常温核融合の触媒として使われたりする金属元素である。
鉛(Pb)と間違えやすい。
概要
原子番号46番の白金族の元素。
名前の由来は小惑星「パラス」。
銀白色の遷移金属。
生体でのアレルギー反応が少ない金属なので、銀との合金にして歯科治療のときの詰め物としてよく使われる。
安上がりに済ませたい時には保険も効くパラジウム合金一択。でも、口を開けた時に銀色でものすごい目立つ上に、ごくたまにアレルギー反応が出ることがある(飽くまで「他の金属と比べてアレルギー反応を起こしにくい」というだけである)ので、その辺は承知のうえで。目立たなくてアレルギーを起こしにくいという点ではセラミック系材料の方が優れているが、合金系やプラスチック系と比較して割れやすい上に高い。しかも保険も効かない。ちなみに編集者も主に財布の事情の面で、歯にパラジウム合金の詰め物を入れてもらっている。
自分の体積の900倍以上の水素を吸蔵する能力があるので、水素吸蔵合金の材料としても使われる。
また、この凄まじい量の水素を吸蔵する能力(=ミクロの世界では水素の密度がものすごいことになっている)から、常温核融合の触媒としてもSFで使われることがある(「フルメタル・パニック!」に登場するパラジウムリアクターなど)。
というか、真面目に「パラジウムを使えば別に超高温・超真空状態にしなくても核融合を試験管の中でも起こせるんじゃないか?」と考えられていたことがある。
(ちなみに通常の核融合炉では、「宇宙空間並」と評されるほどの超真空状態と、数億度の温度、さらにその中で核融合を起こしているプラズマを磁力線で亀甲縛りして閉じ込めておくための超伝導磁石まで必要である)
関連コミュニティ
関連項目
- 元素の一覧
- 元素水滸伝
- 歯科
- 触媒
- フルメタル・パニック!(作中の人型兵器「アーム・スレイブ」の常温核融合炉に使用される)
- 白金(パラジウムの合金が白金の代用品に使用されることがある)
- 水素
- 核融合(常温核融合)
- 鉛(Pb)
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